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30.5話 能力者解説①



・斉藤カズオキ


 原種(オリジン)能力者(アウター)


『能力解説』

 目と目が合った相手の視覚、鼻で嗅いだ相手の嗅覚、耳で声を聞いた相手の聴覚、舌で舐めた相手の味覚、そして触れた相手の触覚を支配することができる。

 全ての条件を満たした時、相手の肉体を本人の意志を無視して完全に支配することができ、例えばその相手が能力者(アウター)だった場合は自在に能力を使わせることが可能。

 それぞれの条件は三日持続するため、例えば唾液が付着してしまい証拠が残る味覚支配の条件達成においても事前に条件を満たした後、風呂に入るなどして洗浄すれば証拠が残らない。


 物理的な能力ではなく、『概念』的能力の為、例えば欠損した五感でも問題なく支配することができる。要は生まれつき耳が聞こえない者にも音を聞かせることができる。


 威力だが、例えば触覚においては本来なら廃人になる程の痛みを与えることも可能(概念的に触覚を与える能力なので、廃人になることすら不可能で痛みを受けるしかない)。作中において、真守が受けた痛みは常人ならその場で動けず耐えるしかない程のもの。

 というように、どの五感にも人間の脳の限界を超えた感覚を与えることが可能。



『兄の時代との比較』

 元々ロリコンの気があった斉藤カズオキは、能力の目覚めと共にその力を使い他者を蹂躙したくなってしまった。


 欲の暴走により、何人かを手にかけて……それでも目立たぬように生きていたが、『変革の時』を経て自己防衛のために《対魔》に所属。

 しばらくは善人を演じて《対魔》に貢献し、過去を悔いてもう二度と罪は犯さないと考えるまでに至ったが……《対魔》での活動中に、小さな女の子が傷付く場面を見て欲が再燃。

 あとは(マモル)の記憶の通り、再び悪事に手を染めた結果尻尾を掴まれ、《対魔》のメンバーや(マモル)の手によって拘束、あまりにも救えぬ罪を積み重ねていたために処刑された。

 その際に自身の能力と犯した罪を自白したのは、もしかしたら良心の呵責のようなものだったのかもしれない。吐き出して、楽になりたかったのではないか。最後まで身勝手な男であった。


 犠牲者の数は、兄小学五年生時に二人、二年後に三人、更に三年後に一人。

 その後、追加二人。



 (マモリ)時代においては、(マモル)の時と同様の動きをしていたが、まさかの二人目で(マモリ)の介入。

 その際に頭を殴られた衝撃で意識朦朧とするも、死の恐怖と生の実感を同時に感じて、自身の欲の『核』を自覚するに至った。それこそは、自分よりも弱者である女児との死闘である。というか、死闘の果てに殺されたかった。ドMの変則的境地。

 見知らぬおじさんの介入によりそれは達成されなかったが。死んでないし。尚、作中で鼻噛みちぎられたけど能力行使に問題はない。

 ちなみに、真守が兄の頃と同じ身体(小学三年生時仮定)だったら後頭部への不意打ちの一撃で死んでた。



『ちょこっとメタ的視点』

 能力がある世界観の説明や、その時の真守ちゃんでも勝てる敵を考えた時……サトウだとR18まっしぐらだな……ということで初敵に抜擢された。のかもしれない。



・神楽アツキ


 原種(オリジン)能力者(アウター)


『能力解説』

 身体から炎出せる。

 コントロールしやすいのは手から出した場合なので、基本は手から出す。炎に対する熱耐性を持つが、オンオフ切り替え可能。

 最後の自殺も、自らの耐性を切って内側から最大火力で燃やした、


 条件はなし。

 その炎が生まれるエネルギーがどこから持ってこられたのかは不明。

 神楽アツキが本気を出していたら、紅子も真守も一瞬で消し炭になるため、手加減をしていたことになる。


 もし殺人に手を染めていたら、その手加減が無くなっていくので(マモリ)時代においてあのタイミングじゃなければ多分勝てなかった。


 能力の性能及び出力は作中でもトップレベル。というかこれから出てくる能力者のほとんどより強い、むしろ神楽アツキより強い能力者が出るのかすらわからないくらい強い。

 能力者としての『力』が高い者は、他の能力者を見分けることが出来るが詳細はまだ謎。神楽アツキはそのレベルにまで達していた。

 何で序盤に出てきたのか分からないくらい強い能力者(アウター)



『兄の時代との比較』


 幼少期に、父親と離婚。母親と共に男の元へ転がり込むがDV気質だった為『能力』で殺害。その際に集合住宅を燃やしたが隣の家の男の子を巻き込んでしまい、それが原因で狂う。

 作中、真守小学4年(兄だと小学6年」の夏に母が『神楽』と再婚。幸せそうにしている母を見て、ふと父親が気になり探し始める。

 父方の田舎に出向いた際歓迎されるも違和感のある対応をされ、もう一度尋ねた際に父親の真実を知る。浮気して父を蔑ろにしたのは母の方だった。父はその後死んでしまっており、真実を知った彼は破壊衝動に駆られて小屋を燃やす。これが最初のボヤ騒ぎ。

 その後、しばらく大人しくしていたが母の妊娠が発覚。記録最初の殺しは、偶然公園で目の前を通った幸せそうにしていた家族連れ。その時、その場にいたため警察の事情聴取を受けることになり『嘘』を紅子に見抜かれた。

 しかし証拠と方法が分からず、その後何人かを手にかけていくも紅子は捕まえられずにいたが、三件目くらいで能力行使しているところを目撃し、それについて資料をまとめているうちにアツキに呼び出され、決闘みたいな感じで殺し合いになる。その時うまくカメラ隠した。


 そのため、アツキに対する資料は不十分で、それを元に松太郎は調査をしていた。


 (マモリ)時代においては、小屋を燃やす前から自分のことを探す真守や紅子の存在に気付いたために頭が冷静になった。

 その後は作中の通りだが、おそらくはあらゆる『一線』を越えるか否かが、神楽アツキの選択に関わってくるらしい。




『ちょこっとメタ的視点』

 強すぎて序盤で殺すしかなかった。


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