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裸族それは甘美な響き。
裸族。
「♪ふん、ふふ、ふ~ん♪」
お風呂場から鼻歌が聞える。
「はっ!」
湯船で気張る。
ぼこっ。
大きな音とともに水中からあがったアレが破裂する。
旦那ちゃんは両手で仰ぐ。
「ん~今日もナイス・スメルっ!」
鼻からかの匂いは吸い込む。
実に実に臭い。
(恐らく夕食の餃子か、あるいは昼間の弁当か)
そんな事を思いつつ、旦那ちゃんは立ちあがる。
ぽたぽたと身体を滴る湯水。
歩くとアレがぶらんぶらん。
風呂からあがり、タオルで身体を拭く。
(そういやバスタオルを使っていたら、髪もないのにいらないでしょって、嫁ちゃんに言われたんだよなあ)
旦那ちゃんは黄昏れた。
「よしっ!」
脱衣所の扉を開け、リビングへ。
「きゃはははっ!」
嫁ちゃんはお笑い番組を観て高笑いをしている。
旦那ちゃんは嫁ちゃんの前に立ち仁王立ちする。
「きゃははははっ!」
「ねっ!」
「ん」
「見て、見て」
「今、忙しいの」
「ホラっホラ~」
ちらり一瞥する嫁ちゃん。
「ぷにょぷにょのシワシワ」
「うえーん」
脱衣所へと帰っていく旦那ちゃんであった。
裸族は素敵にして無敵。




