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パソコンが異世界と繋がったから両世界で商売してみる  作者: フェフオウフコポォ
日本での問題編

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93話 お仕置き(極悪)

※キモい&汚い描写がでてくるので、読むタイミングにご注意ください。



 オバちゃんに『身の周りが落ち着いてきた礼の手紙を渡したい』と鶴来を呼び出してもらう。

 もちろん来てもらうついでにオークレバーを手渡しで納品する事が一番の目的だ。


 これは俺がまた鶴来の後を尾行する為の一芝居だが、なぜ本拠地が分かっているのにそうするのかという理由は、鶴来達が別の施設で合流する可能性を考慮したのだ。

 宗教施設に貼り込んで、違う場所で密会されたなんてことになったら折角のチャンスを棒に振る事になる。


 鶴来がオバちゃんとの打ち合わせ場所である喫茶店に入るのを借りたレンタカーの中から眺め、出てくるまでの間に、ざっと車に積んである物を再度確認する。


 荷物は、繋いだモニターをゲートにする事が出来る小型PCと、接続に使うケーブル類。もちろん接続端子が違う場合を考えて各種ケーブルやジョイントを揃えてある。

 モニターが無い場合も考えて予備のモニターも積んである。そして、木材と金づち、5寸釘とバール。更に透過の指輪(未完成版)と透過の指輪完成版。そして一番大事なゴム手袋とマスクと着替え。

 予備のモニターと着替え以外はカバンにまとめてある。

 その他、アニから仕入れた睡眠の巻物を3巻と、回復の巻物を1巻の計4巻を入れた物は、肩掛けタイプのカバンに入っている。


 今回の計画を実行する為に、ニアワールドの街で俺が知る上で間違いなく最悪の場所からアプリを起動して帰ってきてあるから準備は万端だ。


 車内から喫茶店に目を向けるが、まだ入ったばかりだから鶴来も出てこないだろう。

 待ち時間に気を張りすぎて精神を消耗してもなんなので緊張をほぐす為にもボケっとしながら敢えて違う事を考え始める。


 今、ニアワールドのカバンのトレンドは斜めに肩に掛けるタイプのカバンだ。


 俺が女の人が肩掛け鞄を斜めに使っている姿が好きだから流行らせたというわけじゃない。

 別にアンジェナやアニの『π/(パイスラッシュ)』目的じゃないから誤解はしないでもらいたい。

 もちろん二人には、いの一番にプレゼントしてあるし、ちゃんと使ってくれている。それは嬉しい限りだし、もちろん送り主として『斜めにかけるようにして使うと楽だよ』と予めアドバイスもした。


 ……アイーシャとエイミーにも送ったけれど……まぁ…ね。いや……ほのかに強調されてアレはアレで素晴らしかった。うん。 


 さて、次は何を持ちこんで流行らせよう。

 やはりニーソックスとホットパンツ……いや、ミニスカートだろうか。いやいやいや……ぴっちりTシャツとかもいい。

 暑くなってきたら水鉄砲を中央広場で格安で販売して子供に遊ばせれば……何という事でしょう。濡れ透けチャンスが――


 今後のビジネスプランを考えていると、オバちゃんから鶴来と別れた旨の連絡が入った。俺は少し慌てながら鶴来の車に視線を向け追跡を開始した。


 驚く事に運転中に隠密を使うと事故を起こされそうになる事が多い。なので交通量が多い所では極力使わずに運転しないと逆に危ない目にあう。

 ここ最近は、特訓も兼ねて隠密を使う事が多かったのだが、そのおかげか覚えたての頃と比べると使っても疲れにくくなってきているように感じる。


 鶴来の車を追跡しながら、しっかりとこれからやる最悪な事を考え気を引き締める。

 俺がやる事は非人道的な行い。アイツらを精神的に殺してしまうかもしれない。

 精神的な死というのは、ある意味で肉体的な死と同義かもしれない。そんな事をするつもりだ。


 ……だが、人が苦しんでいるのを楽しむようなヤツらだ。

 自業自得。因果応報。

 人を食い物にするようなヤツらは痛い目を見て当然。正義は俺にある。

 逆に考えれば、散々他人の心を殺したのに命があるだけマシだとも言える。


 怖気おじけづきそうになる度に頭の中で何度も自分を正当化して、やる気を新たにしながら気合を入れ直す。


 鶴来の車は予想通り宗教施設の駐車場に入っていき、俺は隠密を全開にしながら駐車場に入り車を停める。鶴来が俺に気が付いているような素振りはない。


 前回同様に尾行しながらカバンを持って建物内に侵入し、自動施錠の扉も足を差し込んで施錠を阻止して通り抜けると鶴来は前回と同じ部屋に入っていった。


 今回は無理に入る必要もないので、隠密で隠れながら部屋の外で待機する。すると中からいかにも楽しそうな下品な笑い声が聞こえ、抑えきれず、つい舌打ちをする。


 お茶を持ってきた女が部屋から出てくると、やはりオークレバーの入った包みを持っており、はやる気持ちを押さえながら待っていると、やがて女が調理し終えたオークレバーのステーキを持って部屋に入っていった。


 もうすぐだ。


 女が出て行き、部屋からはステーキを食いながら楽しそうに話す声が聞こえる。

 やがて奥の部屋へ移動したのか音が聞こえなくなった。


 俺は睡眠の巻物を用意し隠密を一層強く発動しながら侵入を始める。

 奥の部屋の扉を開くと、勝手に開いた扉にそこに居た全員の注目が集まる、だが隠密を発動している事で存在がぼやけている俺が分かり難いのか全員が呆けた顔をしていた。

 すぐさま睡眠の魔法の巻物を部屋にいる全員に向けて発動する。


 発動と同時に鶴来達や部屋にいる人間は皆、強烈な睡魔に襲われたように、うつらうつらとしながら立っている者は次々と膝を折り、ゆっくりと倒れ込むように崩れ眠りに落ちていった。


 俺は全員が眠ったのを見届け、そして眠りに落ちた薄着の女の子と女の人、合わせて5人を運んで部屋から移動させ、部屋には鶴来達だけが残される。


 前に来た時は繰り広げられる光景に注視してしまってよく観察できていなかったが撮影していた内容を見返す事で部屋の確認はできていた。

 この部屋は情事専用の部屋らしく天井に換気扇はあるけれど窓はない。そして大きなテレビとビデオカメラが設置してある。テレビとカメラの用途はお察しだ。だが都合はいい。


 さて合計8人に睡眠をかけたのだから、一人一人には睡眠の魔法はそんなに強くかかっていないはずだ。目覚めて騒ぎ出す前にさっさと仕事を始めよう。


 まずは『お仕置き要員』をこの部屋に招き入れる。


 俺は部屋の大きなテレビにPCを接続し、そしてアプリを起動した。マスクとゴム手袋をしてからテレビに首を突っ込むとマスクをしているのに悪臭が鼻を突く。


 鼻が曲がりそうな悪臭に耐えながら命令を下す。


「そこの4匹。こっちへ来い。」


 街の下水処理に使われているゾンビが4匹近づいてくる。

 俺の能力『魔物使役』に従って。



--*--*--



 俺は性犯罪者どものお仕置き方法を考えた時、同じ目に合わせてやろうと考えた。


 最初はオークを使って鶴来達を延々と犯させようと考えた。だがそれには問題があった。オークがゲートを超えられるかどうか分からなかったのだ。

 結論から言うとオークがゲートを超える事は不可能。


 アデリーやエイミーに日本からの荷物の受け渡しを手伝ってもらっている時にも『見えない壁に阻まれて日本側に手を入れることが出来なかった』ので、難しいかもしれないと思っていたが、やはり自分の『意思』があるような生き物は通る事が出来ないらしい。


 そこで俺は『意思』の薄そうな存在を考えた。

 ただ使われるだけの存在。

 そして下水道の処理をしているゾンビの事を思いだし、ギルドで調べた。


 奴らは勇者がスカウトしたらしい街に居つく死霊使い(ネクロマンサー)によって、過去山賊だったりした犯罪を犯した者の死体を利用して作られたゾンビらしく、つまり、ただの動く死体。

 下水処理に使われている事からも分かるように、意思なき魔物で道具だ。


 そこで、そいつらが俺の命令を聞くかどうか。そしてゲートを通るかを実験する事にしたのだが……実験の為に初めて『行かない方がいい』と言われていた下水道に出向いた時のショックはあまり思い出したくない。


 結果として、日本の部屋に消臭材を撒きまくる事になったけれど『ゾンビはゲートを無事に通る事ができた』。


 それに俺の命令は能力のおかげか機械的に受け付けてきちんとこなす事もわかり、俺はコイツらを使う事にしたのだ。



--*--*--



 俺にゆっくりと近づいてくるゾンビ達の手をゴム手袋をしている手で掴み、一匹一匹部屋に招き入れ待機させる。4匹が入り、眺めれば下水にまみれた半腐りのゾンビが整列して俺の指示を待っていた。

 最悪の絵面えづらに口の中が少し酸っぱくなる。


 本当に俺が正義を執行していいのか、ここにきて迷い、つい鶴来達に視線を向ける。

 だが、鶴来達は悪臭を感じたのか眉間に皺を寄せているが、その下半身はオークレバーを食べたせいか漲っている。


 俺はそれを見て所業を思いだし。命令を下す。


「1匹は扉の前に立って、この3人が今いる部屋から出ようとしたら出るのを阻止しろ。

 殴ってもいい。でも殺すな。

 他の3匹はこの3人が目が覚めたら俺が『やめろ』と言うまで力ずくでもてなせ。性接待(・・・)でな。」


 我ながら最悪の命令を下し部屋を後にする。



 余談だがゾンビは全員……男だった。


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