08.【絵師】雨音AKIRA ▷【作者】志茂塚 ゆり
★絵師情報★
絵師:雨音AKIRA
描きやすい性別 :男でも女でも男装でも女装でもなんでもござれ。
描きやすい年齢 :どの年代でもOK
描きにくい人物:特になし。
描けない人物:特になし。
何かあれば:ラフ画の段階で確認していただければ、修正に応じます。
※ホラーが苦手ですので、ホラー作品以外でお願いします。
★キャラクター依頼内容★
【部門】上級チャレンジ部門
【絵師】雨音AKIRA
【作者】志茂塚ゆり
【出演作品】月下のアトリエ
【作品URL】https://book1.adouzi.eu.org/n7906ez/
【ジャンル】ハイファンタジー
【名前】ジークフリート・ヴィルヘルムス
【性別】男
【種族、人種】人間
【年齢】19歳
【身長】170~175cmくらい
【体重】70kgくらい
【髪型・髪色】赤毛の癖っ毛。全体的にウェーブがかかっています。
【目つき・目の色】丸い目。血潮の覗くような赤です。
【肌の色】ドイツ系白人の特徴があり、やや日焼けをしています。
【体型】ゴリマッチョというほどではありませんが、筋肉質
【服装】黒のタートルネックのプルオーバーの上に、革鎧を着用しています。
【表情】人懐っこい笑顔。あるいは、意志の強さを感じさせるような真剣な表情。
【性格】裏表がなく、さっぱりとした性格。
粗野な面もありますが、心根のまっすぐな好青年です。
【その他】16歳のときに故郷を土砂崩れで失って以来、傭兵稼業で逞しく生き抜いてきた青年です。イメージカラーは赤。
Mission complete!
★絵師コメント★(文:雨音AKIRA)
志茂塚ゆり様の作品のキャラを描かせていただくことになった、雨音AKIRAです。
実は以前からこの『月下のアトリエ』は読ませていただいておりました。なのでキャラもばっちりわかってるし、何なら描きたいシーンもあったりして。
依頼されるのは二人のヒロインのどちらかか、もしくはヒーローかなぁ……なんて思ってたら、ジークでした!うん、ある意味彼もヒーローですね!
作中では彼が出てくると、なんだか安心感があるというか。そんなキャラのイメージでした。物語の中でちょっと辛いシーンとかあったりしても、ジークがいてくれるとなんか少し心が救われるような気がするんですよ。周囲を明るくしてくれるようなそんな青年です。
優しい好青年ということで、動物にお昼を分けてあげている構図にしました。背景は森の中にでもしようかな。
ラフ画は直しを全然せずにあっという間に完成。なんかジークってものすごく描きやすい。
今回の塗りは厚塗りにしようと思います。とりあえずラフの線画の下にベースの色を彩色。
ラフの線画は新たに引き直さず、本番描きで修正しつつ使用します。
線画と下色のレイヤーを合成。上に別のレイヤーを乗算で重ねて影色を塗ります。
おおざっぱにこんな色かなってのを置いたらこれも下のレイヤーと合成。この色を元に塗り込みを開始します。
顔を先に完成させました。顔が決まるとモチベーションあがりますね。
また見てわかる通り、ラフのレイヤーをそのまま使って描きなおしてます。線画をトレースしてアニメ塗りするよりも、こっちのやり方の方がラフの雰囲気を残せるような気がする今日この頃。
人物がほぼ塗り終わりました。
マントの裏側は別レイヤーになっているので、今は非表示状態。
背景の下塗り。小動物にお昼ご飯を分けてあげているので、森の中のイメージ。ちょっと画面が重めだけど、木洩れ日とか入るとまた雰囲気変わるので、配置と配色確認。
ちなみに最初はリスを描いてたんだけど、木も茶色だし、キャラの鎧も茶色で色が被りまくってるので、白い小鳥にしました。
光と影の効果を入れました。この陰影を参考にして背景を塗りこんでいきます。
一番手前の木を塗り込みました。蔦が這うといい感じになりますね。
ただちょっとこの時点でキャラの位置のバランスが悪いことが気になりました。視線が画面の右側にあるからか、全体的に右寄りな感じ。小鳥も右側だし。
キャラを少し左下にずらしました。左に持ってくることで左右のバランスが取れ、下よりになったことで安定感が増してます。穏やかな場面の絵なので、こうした安定感のある構図があってる気がしますね。
背景の足りない部分を描きこんで、小鳥も描きこみました。
レイヤーのコピーを結合して仕上げていきます。
結合したレイヤーをガウスぼかしでぼかして、さらに複製。1枚はソフトライトで合成。もう一枚は少し色を薄くしたかったのでスクリーンで重ねました。
これで一応完成。
色味を変えたバージョンの加工もしてみる。
夕焼けのグラデーションをソフトライトで重ねてます。これはこれでかっちょイイですね。
更にグラデーションマップのレイヤーを作って、夕焼けのグラデーションのレイヤーにクリッピング。普通の重ね方と違って、夕焼けのグラデーションの変化をベースにしているので、画面の左上、真ん中、右下で色に変化が付いてるはず。
こんな感じ。色味の変化が面白いですね。あと赤が鮮やかになりました。
ノーマルのと比べるとよくわかるかな。
トリミングバージョン
小鳥に愛される青年。
と、ちょっとここで少し色が薄くなり過ぎたような気がするので、明度の調整をしました。みてみんにアップすると若干色味が違って見えるので、アップしてから気が付くっていう……。
↓①明度調整分
↓②明度調整分(色味調整)
↓③明度調整分 (トリミング)
↓④明度調整分(色味調整・トリミング)
↓⑤明度調整分(トリミング2)
↓⑥明度調整分(色味調整・トリミング2)
何とか完成いたしました!
線画のラフを描いてた時は水彩っぽいのにしよ~と思ってたんですけど、そこから約2か月が経過して厚塗りに急遽変更。他の部門のイラストが線画引いてアニメ塗りの手順だったので、なんかとってもいつもの厚塗りがしたい気分だったのでw
手法としては拙作の挿絵の塗り方と同じなので慣れたもの。塗るのが楽しい革鎧を厚塗りできて満足です。背景の森は作画本を片手に頑張りました。木洩れ日の表現って難しいですね。結局最終的には明るめにしてしまいましたし。仕上げでごまかした部分もあるので、その点は今後の課題かな。
志茂塚ゆり様☆大切なキャラを描かせていただき、本当にありがとうございました!
★作者コメント&作品紹介★(文:志茂塚ゆり)
このたび雨音AKIRA様に素晴らしいイラストを描いていただきました、志茂塚ゆりです。
雨音様とは、前回の第四回イラスト交換企画で、雨音様の代表作「薔薇騎士物語」のキャルメ王女と男装の騎士アトレーユさんを描かせて頂いたご縁もあり、お陰様でご依頼しやすかったです。
本作「月下のアトリエ」は昔ながらの剣と魔法のファンタジーで、今回描いて頂いたジークという青年は、主要登場人物四人組のうちの一人。
天災により故郷と家族を失って以来、傭兵稼業の腕一本で生き抜いてきた逞しい青年ですが、悲しい過去を背負っているとは感じさせない朗らかさと優しさを併せ持っています。
雨音様はファンタジックな装備のデザインセンスがピカイチで、特に前衛職の装備品をとても丁寧に描かれる印象が強かったので、こちらとしてはご依頼キャラはジーク一択でした。
雨音様の方では、主人公アミュウ、彼女の相方の聖輝、あるいはもう一人のヒロインであるナタリアを描くことを想定していらっしゃったと後から伺って、「ごめんなさい!」と思うと同時に、それぞれどんなイメージを持ってくださったんだろうとわくわくしました。
ところが、現金なものですが、完成したジークのイラストを拝見して、申し訳ないと感じていた気持ちが吹っ飛びました。
木漏れ日の降り注ぐ中、小鳥たちにパンを分け与え、微笑む青年。
小鳥たちを見守る目線の優しいことといったら……
大剣を備えた物々しい装備とは打って変わって、とても平和で穏やかな絵に、心が洗われます。
おとぎ話の挿絵のように、完璧な一瞬を切り取って永遠にしたかのようです。
ラフの段階では、小さなお客さんはリスでしたが、完成画では小鳥たちとなっていました。
小鳥の白色が木漏れ日を受けて輝き、全体の明るい印象を強めていますね。
明るくはありますが、こっくりとした厚塗りが、リッチで奥行きある重厚感も演出していて、とても贅沢です。
背景も、木の幹の複雑な模様は葉の一枚一枚、森の奥や下生えまで細かく描き込まれていて、一体どれだけの時間をかけてくださったのでしょうか……
木々の中にジークの皮鎧が溶け込み、木漏れ日を優しく反射して、本当に美しいです。
ジークという青年は主人公パーティの中で切り込み隊長役なのですが、彼を取り上げていただく際、彼のまっすぐで心優しい内面に着目いただき、このように穏やかな絵に仕上げてくださったのがとても嬉しいです。
雨音様、素晴らしい絵を描いてくださり、本当にありがとうございました!
今後ともどうぞお付き合いいただきますよう、改めてよろしくお願いいたします。




