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パイ

こたつに入りたい。


いや違うな。キルとこたつで包まれたい。

下半身をおこたであったかくして上半身をキルにあったかくして欲しい。膝の上に乗せられて抱きつかれるように抱えられて肩に顎乗せられて吐息ASMRを近くで聞きたい。そしてその態勢のまま半日ぐらい一緒に甘々にいちゃらぶしたい。ゆっくりとしながらみかんとかあーんされたい。

ちなみに私はみかんを剥くとき、ティッシュを敷き一個一個並べていく。血液型?ABだよ。


と、いった内容をキルに伝えたのが1分前。

二人でこたつの中に入りうとうとしてるのが今。


「………思ってたのと違う!」

「折角レイを猫にしたから、こたつに入らないとってね」

「猫のきーもち」


キルの手を引きながら誘引する時、こたつに入りたい云々を説明すると、こたつなら猫の一言と共に私の体は猫獣人化した。ねこです、ケモ度レベル1です、よろしくお願いします。


こたつの中に入るのは小学生ぶりだけど、こーゆー軽い密室はいつだって秘密基地気分で少年心をわくわくと刺激してくれる。若干息苦しいけど…あ楽になったな。ランダム部屋きゅん…!


若干思ってたのと違うけど、別に私としてはキルと密着できてればそれでいいわけでして。キルのお腹辺りに位置を合わせ、体を丸めて密着する。キルに当たる猫耳がくすぐったくてぴこぴこしちゃうけど、これが中々ベストポジション。


「うん、最高。三時間ぐらいお昼寝したいからそれまで一緒に寝よー?」

「ん、はいはい。お休み。丸まる姿が本物の猫みたいで可愛いよ」

「…急に可愛いとか言うじゃん?」

「たまには言葉に出さないとね」

「言葉にしなくてもキルの気持ちは伝わってるからいいんだけどね。言葉にされるとやっぱり照れる」

「ふふっ。その赤面はこたつの熱だけじゃないね」

「にゅ…」




(ネタ)に困ったらギルドに行こう。古事記にもそう書いてある。この小説は百合をメインとすると共にギャグをメインにもしているのだ。30話目で明かされる驚愕の真実。


さて。いつも通りギルドカードを使ってお立ち台に転移した私だが、ギルド内はまるで戦争やかくやの騒動が起こっていた。

人々は感情を露わにしながら武器を手にし、敵味方お構いなくその白い武器を投げつけ、戦場でまた一つ白い花が咲き散る。倒された者も収まることない怨嗟で起き上がり、再び武器を手にし、終わりなき戦場に身を投げていく、地獄のような光景が繰り広げられていた。


とどのつまり、パイ投げ祭りをやっていた。


「なんで?????」


ここの人たちはいつも予想を超えてくるなぁ。吞気に言ってる場合じゃないんだよなぁ。


全身骨格標本な人(?)や足先が透明で浮いてる人(?)が舞う戦場で、唯一ボーっとしながらジョッキを傾けている知り合い、熊ちゃんの元へとパイを。弾幕ゲーじゃないんだから。


「はろー熊ちゃん。この騒ぎどしたの?」

「…あぁ、レイちゃん。久しぶりね。見た方がわかりやすいでしょうし、再現VTR見せてあげるわ」

「まほうすごい」


熊ちゃんがついっと指先を動かすと、シル〇ニアファミリーが如くデフォルメされた人形達の寸劇が始まった。音はないけど動きは細かくて、首を傾ける仕草とか貧乏ゆすりしてる仕草とかも再現されている。あら可愛いわね。


ギルド内をせわしなく動く人形達は特におかしな行動をすることもなく、普通に過ごしている様に見える。熊ちゃんだけ人形でも唯一なんか蚊帳の外にいる感があるけどどうしたんだろ。やーいいじめられてやんのー。


待って。何でそんな急にアクション映画みたくスタイリッシュな動きし始めたの。パイ投げに移る前兆全くなかったんだけど。君たちの切り替え早すぎない?情緒不安定かよ。


一時間ぐらいスキップしたのかと思うほど、何の前兆も予備動作もなくパイ投げに入った人形を前に頭を?で埋めていると、人形の姿が搔き消え熊ちゃんが嘆息して呟くように言った。


「以上よ」

「異常だよ」


原因を知りたくて人形劇を見たのに更に疑問が追加されてしまった。こんな頭がおかしい奴らと同郷だなんて私悲しいよ。


「まさかふと思い立った様に言った「パイ投げ祭りしてみてーな」の一言で即こうなるとは、言った本人も思わなかったでしょうね…」

「最初っからそれだけ言ってよ!」


原因は簡単だった。要は何気ない一言が全員のその場のノリと勢いで肥大化してしまったんだろう。とりあえず楽しむっていう刹那的な生き方をしているここの奴らにとって、言い訳が立つなら異世界侵略ですら快楽の為に行う。キルに怒られるからやめなさい。羨ましいけど私は絶対止められてできないんだろうから指くわえて見るだけになっちゃう。


「そんなことより聞いてよレイちゃん…私今、見ての通りハブられてるのよ」

「かわいそう」

「殺すわよ」

「こわい」


熊ちゃんは被っている熊の毛皮を取り、机に叩き付け威嚇してきた。それ君のアイデンティティですけど大丈夫ですか。


「何でかわからないけど、私の性癖がエグいって話が何故か広まってて、視線は痛いし避けられるし…小学生に戻った気分よ」

「悲しい」

「それは別にどうでもいいのよ。けどこのままだと流石にうざったらしいから、どうにかしたいんだけど…何かいい案ない?」

「うーん深刻じゃなさそうだけど、ちょっと真面目に考えてみる」


ふむ…キルにお姉ちゃんとか呼んでみるのはどうだろうか。キルが妹萌え属性を持っているかどうかわからないけど、少なくとも反応は面白そうではある。


いや主人で嫁で姉ってなんだよ。盛ればいいってもんじゃないんだぞ。


「いや、無理そう」

「救いはないのね…」


熊ちゃんは遠い目をしてアルコールを流し込む作業に戻った。


「おっと」


ふと風切り音がしたので、頭をあ下げる、と、流れ弾のパイが飛んできて、後ろの壁を白く汚した。ほほう、つまり宣戦布告じゃな?いいだろう、私もやってやろう。


「おぅら全員死に晒っしゃー!」


「敵の増援を確認!」

「やべぇ魔王の嫁だ!死なない程度に殺せ!」

「スタッフが後で美味しく頂きました!」


机を踏んづけジャンプ。戦場のド真ん中に躍り出て、両手に出現させたパイをみだり投げる。おっあの白い新種のモンスターみたいなのカンガルーちゃんじゃない?全身パイまとわりついてて大変そう。


私に投げられるパイは同じ射線でパイを投げ相殺。飛び散るクリームは手に持つパイで回収し、弾を更に凶大にしていく。そのまま地面に着地───しようとしたけど、地面もパイで酷く滑りそうだからアウト。もちろんそこら辺の人(?)も同じくアウト。となると安全なのは───壁!


エアジャンプで追加で飛んできたパイを振り抜き、更に加速。お返しのパイを投げながら、壁に左足を軸として壁を蹴りつけ、一回転しながらまた中央へ。「バカな!あの技は!」「知っているのか!」「いや知らん!」といった声を聞き流しつつ、ターゲットに狙いを定める。

さっき、私にクロスを組むようにパイは投げられてきた。ここの奴らは仲はいいが、協調性はゼロなのでそんな以心伝心な事はできない。つまり扇動して、私を狙ってきている奴がいる。そう、指揮官は───


「お前かあああああグレネードおおおおおっ!!!」

「あ、どうも」


飛んできたパイを空中でサマーソルトをし、蹴りつけた勢いで唸る回転の黄金エネルギーを生み出す。この一撃に全力を賭し、グレネードを殺る!


果たして、空中で無防備になり、パイを受け白く染まる視界の中に映った者は───身代わりになろうとする護衛を抜け、顔面にまともにパイを受け、覆面を白く染め上げ崩れ落ちるグレネードだった。


っふ…殺りきったぜ…。



「警察だ!開けなさい!えっだれ~とか言う人がいようと関係ありません!ギルド管理権限によりこの場にいる全員に鎮圧を開始します!」

「やべぇギルマスが起きた!」

「横暴だ!我らは自由を要求する!」

「誰か弾ぁ寄越せぇ!俺があいつを落とす!」


やべぇ鎮圧部隊(ギルマス一人)が来た。このお祭り騒ぎもこれで終わりかー。これ片付けどうするんだろうね?私は手伝わないよ面倒だし。


と、そんな事を地面でパイの海に沈みながら思っていると、目の前に人物が立っている事に気付く。何を隠そう、我が嫁である。あっこの自然と見下すような現状でにっこりされてると背徳感が凄い。ぞくそくしちゃう!


「………私を食べて、ってね?」


とりあえずテンプレとして言ってみた。リボン巻いてないしチョコじゃないけどまぁ似たようなもんだしイケるんじゃないだろうか。こーゆーの何て言うんだっけ。レイの活き造り?(猟奇的)


キルは無言でパイに気にすることなく膝を着き、私の脇を抱え座らせると、頬からクリームを舐めとってきた。くすぐったい。


「………」

「えっあの、無言でニコニコされるの割と一番怖いんですけど。ねぇ、怖いんだけど!」


そのまま私をお姫様抱っこで抱え上げ、クリームを消し去り転移する。転移先は勿論寝室だった。




「ふぁっ」


夜が早かったからか、またしても中途半端な時間に目覚めてしまった。ふんっと上体を起こして…えーっと窓々、あ作ってくれるのありがとランダム部屋君。ほらやっぱり真夜中じゃん。


外は月光に照らされ神秘的に森がさざめいていた。空は空で日本の都市部とは違い、満点の星空が輝いていて幻想的である。あの星々の中に私の故郷もあるんだろうか。


「………」


体温が伝わる左側に目をやると、嫁がその端正な顔を晒しながら寝ていた。いや寝てんのかなこれ。多分寝てないけど寝てないって観測するまでは寝てるでしょ。シュレディンガーのキル。

私もなんだけど何も着てないから、毛布からちらりと覗く鎖骨がとてもえっちだ。鎖骨のラインって何でこうえっちなんだろうね。とりあえず肩出てて寒そうだから毛布かけといてあげよう、風邪ひくよ。余談だけど私は風邪ひいたことない。


横になり直して、暫く眠気が戻ってくるまでキルの左手をにぎにぎしてたけど、眠くなるどころか覚醒してきたので寝るのは諦めることにした。

ランダム部屋君にちょっと頼んで、窓を出窓にしてもらい手前に座れるスペースを作ってもらう。そこに膝を抱えて座って、夜風に当たれるように窓を開けてオッケー。裸だからちょっと寒いけど、それもまた風情というもの。

向こうにいたときから、私は眠れない夜はこうして過ごした。あの頃はもっと幼くて、将来とか、死んだらとか。そんな漠然な不安が夜の帳を見てると湧き上がってきたものだ。今もこうして揺らめく木々の影や月の光の元に飛んでいる鳥の影を見ていると、感傷に浸りそうになる。


…夜の風景って、結構自然とクルものあるよね。ちょっと寂しくなってきた。この心に反応してベンガルとか来ないかな。


「物足りなかったかな?」


SF獣は来なかったけど別の獣は来た。後ろからしなだれかかってきて、私の顔を覗き込んで来る嫁は「大丈夫?もう一回しとく?」と寝れないなら気絶させてあげるよと完璧な善意でお断りしたい案を提示してきた。遠慮なく遠慮しときます。


「十分足りてるって。身も心もね。軽くキスしてくれるだけで、私としては一日動けるからね?」


動いてないよね、といいつつもキスはしてくれた。動く理由が現状ないから…。


「幼女時代のレイのリクエストに応えて、夜風を感じながら寝ようか。落ちないようにするから、ハンモックで一緒に寝よう」

「ハンモック!いーよねロマンだよね!たまーに見つけてチャレンジしたときはバランス崩してケガしかけたけど」


キルが指を鳴らすと、屋敷から転移して森の中で開けた場所になった。中央にはハンモックと焚き火がある。モンスターも人も対策されてるだろうし、服がないという点を除けば地球でキャンプに来た感じだ。


「どーん」

「はいはい、暴れない」


腕を広げ待っているキルにダイブ。ハンモックはぐらぐらして悲鳴を上げてる気がしないでもないけど、キルは優しく受け止めてくれた。


はー。素肌で触れ合うのって、普通に気持ちいんだよね。いやえっちな意味じゃなく。露出して気分はあがってるかもしれないけど、今のキルに性欲の感じはしないから多分大丈夫。


「うん、眠くなってきたし、いい夢見れそう。お休み、キル」

「ん…お休み、レイ」


キルの首元に顔をうずめ、目を瞑る。羊を数える必要もなく、愛しい人が傍にいる影響か、私は直ぐに夢の世界へ旅立って行った。

21

「ないっ!30分後会おうキル今日はもう無理ですぅぅぅう!」

裏話だけど、30分後に会おう=開始一分があるので30分後は29分時点、残り一分で見つかるという予定だった。


22

サートラキ関連。本当は何も考えてなかったから貯蔵庫をパズルゲーの倉庫番オチにしようかと思ってた。サートラキなんて本来出す気はなかった。けど酒と言えば天使の分け前ってあったよねって考えからサートラキが生まれた。


23

「どうして!なんで!ありえない!私が何をしたというんですか!」

裏世界ピクニックの小桜のセリフから。


25

序盤の私は夢を~

猿夢。


夏休みの宿題最初にやる人好きだなーショートケーキ苺から食べる人好きだなー!

レイはケーキはスポンジ部分が好き。


26

全体の流れ…とあるTRPG動画より。


27

「何も希望はないから服着なくていいよ」

転天のニコ漫画衣装投票で見かけてくっそ吹いた。


旧スク片足白ニーソうさ耳付き

ラビリビ。


28

「さて…金がないなら、体で払ってもらおうか」

lolのガンプラ。


30

警察だ!開けなさい!えっだれ~とか言う人がいようと関係ありません!

こ こ は 警 察 じ ゃな  い よ ?


ちょっと寂しくなってきた。この心に反応してベンガルとか来ないかな。

私を月まで連れてって より。



25

序盤全部

「投稿した」

「まー?じゃあ私も書き溜めてたの一日遅れだけど投稿しよ」

「はぁん」

「お前のと設定噛み合いそうだから仲良し三人ってしたけど、これ親友二人死んでるさゆ可哀想だな」

「さゆも殺して異世界に送ってあげなきゃ(使命感)」

「完璧な善意で人を殺す妖精止めろ」

「草」

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