表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/41

サブタイ考えるの面倒になってきた

朝の遅めに起きて(昼ともいう)ワガママなご飯(おやき、今川焼、御座候)を食べた後。


「眠い…なーんか異常に眠い…スナイパーおばあちゃんのスリープダーツ並みにすぐ寝そう…」


どうも今朝は睡眠が足りなかったらしい。おかしいな。いつも通り記憶はないけど大体いつもと同じ時間に意識無くなったと思うんだけど…疲れが溜まってたのかな?


別に予定があるわけでもあるまいし、今日は二度寝するかー。えっクエスト?大丈夫だよこの世界の時間軸かなーり適当だから。都合のいいように世界は動くさー。


というわけで昼寝しましょう。


「キールー添い寝してー」

「いいよ」


いいらしい。うちの嫁は私に甘いなぁ。


キルと手を繋いで転移。実はドアを使わなくても部屋移動は可能なのだ。

跳んできたふかふかのベットにダイブし沈み丸まりながら目をつむる。この一瞬でのび〇君並みの速度で眠り始めた私に、毛布を掛け背中をトントンと叩く感触。

こーゆー時は優しい笑顔で良妻なんだよなぁーと薄っすら思いつつも、私は眠りに落ちた。



………あー?真っ白な空間、なんかふわふわしたこの感覚…夢か。明晰夢ですね。

私は、夢をみていました。

昔から私は夢をみている時に、たまに自分は今、夢をみているんだと自覚する事がありました。この時もそうです。

はい。


こっちに来てからは毎日昼まで寝る(気絶)っていう中々贅沢で自堕落な時間の使い方してるけど、気絶=深い眠りって考えなので、夢を見ることは少ない。

キルの事しか頭にない状態でぷつんと電源が切れるように意識が落ち、何か凄い刷り込みされたけどその記憶が全てリセットされたような感覚で起きる、の繰り返しだ。多分これやばいと思うんですけど。


というわけで明晰夢は本当に久しぶり。さーて今回はどんな内容かなっと。


お?おー?…何かもやもやしたものが集まって人の形に…女の子に…いや見覚えあるな。いや見覚えはないな。けど何か魂でわかる。君私の数少ない親友が内一人じゃん。


やっほ久しぶり。元気してた?えーっと…あれ名前なんだっけ君?

あー待って待って!流石に親友の名前ぐらいはちゃんと覚えてるはずだよ!小中高殆どのクラスメイトの名前忘れてるしなんなら今の担任の名前も覚えてないけど親友の名前ぐらいは…っ!


えっ?自分も忘れたの?というか君も異世界行ったの?へー異世界って人材不足なのかな。身内で一緒の境遇の人がいるとは…。世界は狭いねぇ。いや、この場合異世界は狭いねぇ、か?それも何か違う気がするけど…まいいや。


いやまいいやじゃねぇわ。えっ何君も死んだの?まーじで?私たちの故郷(ふるさと)愛と平和のジャパニーズだよ?私みたいに事故ならともかく…いや私みたいな事故も珍しいけど…通り魔?物騒だなぁ。集団登校しなきゃならないじゃん。


死んだの消化できた?私は最初それどころじゃなかったから大丈夫だったけど…。

…あー。それなりに良い目覚めだったんだね。私とか異世界スタートと同時に星になったよ。比喩抜きで。…いやうん、色々あったんだよ…。


…とりあえず話すのに不便だから適当に仮の名前でも…おん?新しい名前付けてもらったの?──?へーいい名前だね。じゃあ君ははーちゃんだ!


で、はーちゃんよ。名前を付けられたってどういうことか深く聞いてもいいですか?まさかはーちゃんも奴隷に…えっ?メイド?あっうん。普通そうだよね。いきなり奴隷とかハードモードにはなりませんよね…。


どう?今幸せ?…そっか。よかったよかった。私?私かー…。私も幸せだよ。幸せな事に間違いはない。うん。まぁ死んだんだしこれ以上望むのもアレかもしれないけど…。うん、そうだねぇ。


…確かに。私達は一応こうして再開できたっちゃ出来たけどねぇ…。


…まぁ大丈夫だよ。さーちゃんは強い子だ。幸いなのか私たちは行方不明とかじゃなくて、死んだってはっきりしてるんだから、ちゃんと時間を掛けて自分で消化してくれるよ。


…ふふっ、そうだね。さーちゃん素でボクっ娘してるもんなぁ。私とかはーちゃんよりも異世界転移して主人公やりそうなキャラだったよね。それもハーレム系の。


…いやー間違いなく逆ハーになるね。男はないよ。気づいてなかった?私達くっつかなかったけど、全員性癖一緒だったよ?…そう、女の子が好き。…いや百合の話題でかなり盛り上がってたんだから気づきなよ。一般女子なら多分百合よか薔薇で盛り上がるよ。知らんけど。


…そーそー。人の事より自分の事考えんの。あっちはあっちでうまくやるよ。さーちゃんは私達の中で一番コミュ力高かったしね。


………………。


…んー?まぁそうだね。ご主人様だね。そんなに主従はしっかりじゃないよ?…いやいや、私だってちゃんと立場弁えて媚びる事もありますよ。嘘じゃないって。


…そっか。こっちよりかは対等そうだね。ラブラブなら良かったよ。


…どーなのって言われても…。まぁ、うん。普通に愛してもらってるよ。重いぐらいね。


…うん、そうだね。


…私も、ご主人様の事が、キルが───大好きで、愛してて、二度と離れたくないと思ってるよ。


だから、安心して、そっちも幸せになってね、──。



「ふぁっ!!!」

「…?」


怖い夢とか、痛い夢とか、そういう嫌な夢。それを見た時、はっと急に起き、意識が起き抜けにも関わらず鮮明になるような感覚と共に目を覚ました。覚醒と同時に身を起こし、毛布の恩恵を受けれなくなった上半身が肌寒い。


息を吐き自分を無理やり落ち着かしてから周囲を見ると、すぐ隣に寝転ぶキルが本から視線を外し、不思議そうな表情で私を見ていた。何気にレアな表情である。


なんか引っかかる夢を見ていたんだよな…もう忘れたんだけど結構重要そうな夢なはず…。少なくとも冷や汗かいてないし嫌な夢ではないでしょ。


…まいいや重要そうならそのうち思い出すでしょ。


今度は大きく深呼吸をし、脱力してベットに倒れる。

本を持つキルの手を取り、頭に持っていくと、キルは苦笑しながら撫で始めてくれた。


思い出せない、けど頭に強く残っている、さっきの夢をあやふやだけど形にしていく。


そう、私は、キルを───




「と、いうわけでそんな素敵なメンツでクエスト受ける事になったんだ」


じゃあ各々一時間後、準備と恋人家族との別れをしてきて───解散!というと、皆異議を唱える事無くクールに片手(前足)を上げて別れていった。癖が奴隷とか孤児出身の設定並みに強いくせに聞き分けが良くて助かる。


クエストに関しては

「実は俺様にはなぁ…前から目ぇ付けてた依頼があるンだ」

「グレネード!」

「あっ自分も機会があればというクエストがあったんですよ」

というわけらしいので、三人が持ってきた中で投票する事にした。いい加減グレネード君の翻訳機が欲しいなって切に思います。


薄暗いコンクリの部屋の中、立方体とY軸X軸それぞれ90度曲がった立方体が組み合わさったようなのがふわふわ浮いてるのを覆うガラスに背を預け、座っているキルの隣に三角座りで並んでいる。…わかりにくい人は金平糖を大きくしてふわふわさせてね。


膝に頬を付けキルが何か作業してるのを見守りながらそんな報告をすると、キルは「いいパーティーじゃないか」と優しく微笑んでくれた。続く「似た者同士だとやりやすいだろうしね」という言葉は聞かなかったことにする。

いやぁ、あんな癖が強い変人ばかり集まったパーティーを纏めるのは大変だなぁ!それも常識人の義務か!はっはっはっ!


「まだ何受けるかは決まってないけど、失敗はしないでしょ多分。初仕事が失敗だと後々自信が付きにくくなるからね。最初は三つの中で簡単なのを選ぶつもりー」

「それでいいと思うよ。地球ギルドの人達がどれほどの戦力なのかは僕も把握してないけど、弱くはないはずだしね」


キューッ…キュッキュキュッキュー…。


たわいのない話をしながらも、キルは手を動かし続ける。

キルが手に魔力を纏わし動かすたびに、背を付けてるガラスの中の立方体以下略が不規則に動き光り脈動して、電子機器のような音を立てる。強弱する光で見えづらい嫁の顔は普段見ない真剣なものだった。


「…今何してるのー?」

「んー…お仕事だね。主に異世界産がこっちでも問題なく生きれるようにって調節かな」

「ふぉーん…わぷっ」


会話の基本は話しやすい事から。回答に詰まることがない答えやすい質問をし、そこから会話を広げていきましょう。

だからと言って真剣に仕事してる最中に話しかけるなよ私。


そんなかまってオーラを察したのか、キルは横で覗き見ていた私を持ち上げ、三角座りしている股の間に入れて抱え込むようにしてきた。


仕事内容はよく見えるようになったけど(なお内容はわからない)背後からのプレッシャーも強まった。


初出勤一時間なんだから狼になるのは止めてね…?

猛獣を襲わないようにするにはどうしますか?そうだね、お腹いっぱいにさせることだね。…私じゃないか。(絶望)


「…そんなに身構えなくても、今はしないよ」

「今は」

「据え膳食わぬはって言うじゃないか」

「私から言い寄って無いじゃん!?」

「僕から言い寄ってるだろう?」


えぇいその怪しい触り方をやめろぉ!喉を撫でるな変な気分になる!

ほら仕事!まだ終わってないんでしょ!あー私やることちゃんとやってる人が好きだなー夏休みの宿題最初にやる人好きだなーショートケーキ苺から食べる人好きだなー!


顎クイからのキスを対価に、なんとか体は許してもらった。っく、私がキルより身長が高ければ…っ!




一時間後。キスされた後は健全にかるーくにゃんにゃん戯れて、時間になったのでギルドカードぽちってお立ち台に転移してきた。服装は作業着。紺色のね。


何でさっきのシーン描写入れたんだろうね書く事決めてから書けって最近決意しただろ私。


はい。


集合場所というかさっき解散した場所には、既に三人とも揃っていて、誰が一番死んだフリが上手か大会をしていた。宇宙服男はバイザーの下側に穴を開け、上に向かうにつれひび割れが広がっているという本気度で挑んでいる。直せるのそれ。

血の汚れに関しては魔法でなんとかなるから気にしてない。


「優勝…カンガルーかな。顔が唯一見えてるから一番わかりやすい」

「そう?私は見た目軍人なグレネードがいい味出してると思うんだけど」

「宇宙服も捨てがたい。壊れたバイザー。物言わぬ骸。最近殺されたと暗示する赤い流血…。間接的な表現が素晴らしい」


通りかかりのライオン着ぐるみお姉さんとブーメランパンツボディビルダーと評価開始。

最終的に乱入してきた世紀末モヒカンが優勝した。もう君見た目からしてやられ役だから優勝だよ。


「はい。じゃー打ち合わせしてクエストいきたいと思うんだけど…持ってきたクエスト表を出してくださーい」


虚空から茶色い羊皮紙を取り出す宇宙服男。マガジンポーチから丁寧に折られた羊皮紙を取り出すグレネード君。お腹の袋から羊皮紙を取り出すカンガ───いやお前そこ子供入れるところ!


ではでは、どれが一番良さそうかな。討伐かな~採取かな~。気になるタイトル(クエスト名)はー?


『生命創造樹林にて報告が上がっている屋敷の探索』

『生命創造樹林で発見された屋敷の偵察』

『生命創造樹林中央にあるとされる屋敷の調査』


おうお前らちょっとそこ並べ。


「何なの?リーダーをいびりたいの?初っ端から不穏な空気作りたいの?そろいもそろって何でこれ持ってきたの?」

「まぁ待て嬢ちゃん。落ち着け落ち着け。最初に言っとくが別に仕込んだんじゃねぇ、たまたまだ」

「嘘を吐くな!」

「昔っからある依頼なんだよこれ。屋敷が見つかってから30年ほどらしいが、近づこうとすると尋常じゃない気配がするらしく調査が進まねぇんだ。ただでさえ生命創造樹林は高難易度だしな。あと野郎三人共、顔は知っていたが一時間前がほぼ初対面だ」

「自分メスです。メスのカンガルーです」

「らしいぞ。男二人女二人(?)バランスいいパーティーじゃないか」


えぇ…。

困惑とドン引きの表情を宇宙服男に向けるとやれやれといった感じで肩を竦められた。

グレネード君は宇宙服男のセリフ中に、仲良しアピールをしようとしたのかカンガルーと肩を組んでノリノリだったが、性別判明と共に土下座に移行してた。シャイかよ。


「…これ、そんな受けたい奴なの?はじめてのくえすとでそんな高難易度マップ行きたくないんだけど」

「埋めてないマップが後そこだけなんだよ」

「コンプ勢だったか…」


マップは隅々まで明るくする。宝箱は全部開ける。図鑑も全部埋める。

私もそうしないと落ち着かない性分です。


「嬢ちゃんこそ、んな行きたく理由でもあんのか?俺は嬢ちゃんがいるからいざとなったらキルさんが助けに来てくれるだろって打算だが」

「私を保険代わりにしないでくれる?いや、ここ私の実家っていうかキルのお屋敷」


初めてのお散歩のとき、確かキルがそう言ってた気がする。ここはフォブナーリンドの生命創造樹林だーって。よくわかんない名前だねってディスった記憶がある。


私が嫌そうに言った文の意味を咀嚼しているのか、宇宙服男が腕を組み沈黙する。冷静に考え始めたんだし、流石に恐怖の象徴みたいなキルのお膝元に行くとかの結論には落ち着かないでしょ。


「…つまり安全にマッピングできるって事だな!よっし行くぞぉおらぁ!」


ふぁっきん!


「リーダーを差し置いてっというか一人で決めていくんじゃない!このパーティーは民主主義を採用していますグレネード君とカンガルーちゃんは!?」

「OK,Let's go」

「自分はいいですよ」

「味方が…いない…?」



「そういえば皆、何て呼べばいいのか指定ある?」

「宇宙服」

「グレネード」

「カンガルー」

「君たち本当にそれでいいのかおい」


マジで言ってる?今後地の文も一生それになっちゃうよ?第二の人生の名前紹介しなくて本当にいいの?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ