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ぼんのーせいさん

負けました。うっそだろお前(素)。


いや、まさか負けるとは…。


あれだよ。私のステータスがラスボスを余裕で倒せるレベルだったら、相手はカンストして装備整えてスキル上げて戦略考えて挑む裏ボスだったってだけで…。うん、慢心だね。


で、負けた私の現状何だけど。あっ戦闘描写はカットです。

負けた時気絶させられて今目を覚ましたんだよね。


目を明けると美少女がいた。


フードから覗く整った顔はそこらのアイドル顔負けで、起きていれば冷徹な雰囲気を与えそうな印象だけど、口を半開きにして寝ている今はあどけない印象を与えている。

横になっていて頬に掛かる髪は綺麗な白髪で、手を枕にし眠る姿はどこか天使の姿を彷彿とさせた。


見惚れる事暫し。

私のドストライクな美少女に思わず何でこうなったかどうでもよくなっていた私だが、もうちょっと近く見ようぐへへと試みて気付いた。


手に手錠のような形の光がが付いていて拘束されている事を。あっ今気づいたけどなんか今いるとこベットっぽい。

ん?というか私の服装もワンピースになってる…裸見られたこれ?ってまぁいまはいいのだよそんなこと!


「………?????…っ!」


取り敢えず力ずくで外そうとしたけどビクともしない。続いてまぢゅつ的な何かでも試みたけどやはり外れない。ちなみに私が言うまぢゅつ的な何かは主にKIAI。


それでもどうにか外そうとガチャガチャしていると、隣の美少女が身動きをした。やっば起きたのかな。

咄嗟に私が父さん直伝の寝たふりを決行し、大人しくし目を閉じじっとする。


美少女は覚醒したらしく、半身を起こし「んんー」と伸びをする声と雰囲気を感じた。

続いて半身を起こしたまま微睡む雰囲気。

そして私の胸に密着する形で再び寝転んでき、ったぁ!?


そんな大きくない私の胸には美少女の吐息の温もりが強く感じられる。焦り慌て戸惑いのせいかドキの胸ヶが止まらない。ワンチャン私の鼓動の音聞こえてるんじゃないかな。


心拍数が200を越えてそうな私に対し美少女の雰囲気はリラックスそのものだ。何か私だけ盛ってるのバカらしくなってきたんだけど。でもこの胸のトキメキは止まらないの。


…よし。嫌われては無さそうだしもうちょっと役得してみよう。私の目の前に立ってみな。セクハラするぜ?


心拍数200を維持したまま私はそんな煩悩に想い至った。安心してください。いつものテンションです。心拍数って英語でなんて言ったっけ。BPM?びーとぱうんどます?


私はさも寝じろきをする風を装いつつ、もっと美少女と密着を試みる。


顔は美少女の綺麗な後頭部の白髪に当て、逆に美少女の顔には胸を押し付け、脚は抱きつくように絡ませる。

やばい、完璧だ。全身全霊で美少女を感じれる。私が神か。れいちゃん万歳。


と、自分の天才ぶりに頭のなかで自画自賛をしつつも美少女の髪を匂ってると、美少女顔を動かし上を向いたわぁ。これ多分目ぇ開けたら目線あう奴ですよ。目と目があう~的な。絶対開けない。


「起きてるよね?」


絶対目ぇ開けないぞ…っ!


「そんなに体動かさないように強張っちゃ疲れると思うんだけど」


必要な犠牲です。


「あぁ。流石にあの格好じゃ寝るに向かないから勝手に着替えさせてもらったよ」


制服であー疲れたっで帰ってすぐベットに倒れこんで寝るのを全否定された。

というか流れからしてこの人があの赤目きらーんで服中二な黒い人なんだ…。となると私が勝てない相手だね。もう無理な気がするけどやっぱりここは寝たふりでやりすごさせてもらおう。


「バストは80ぐらいだったかな?」

「べすとねあっ!?」


美少女の情け容赦無い口撃(こうげき)によって私の寝たふり作戦はものの見事に即破綻した。べすとねあってなんだろう。


羞恥と驚愕から美少女から飛ぶように離れると、壁に当たりそうになった。なんだこの壁水色なんだけど…。


美少女は体を起こし女の子座りをして、微笑を浮かべながら私を見ていた。


「いい反応するね。あぁ、僕はキル。同性だからそこらへんは安心していいよ」


女の子であることは私の類い稀なる美少女センサーが反応してたのでわかってます。にしてもキルちゃんか…若干怖い名前してるなぁ。


「よっと」

「わわっ!?」


キルってどう考えてもkillだよねって思案していると、突然キルちゃんに両足を引っ張られた。

仰向けで寝る体制になった私のお腹に手をつき、私の腰にキルちゃんが跨ぐように座られた。見下げられるってぞくぞくします。


「さて、と。一応この世界を守ろうと管理している僕にとって、君みたいな特異な存在は許してはいけないんだよ」


拘束された腕を上に上げさせたられながら、キルちゃんは顔を近づけつつそう言う。垂れるキルの白髪が頬にかかってくすぐったい。


「でも僕は無駄な処分は好まないし、君に何でもするから助けてって言われたしね」

「言ってないです」


言ってないです。


「だから僕は、自分の欲望、君の欲望上手く折り合わせて」


顎クイされて更に顔を近づけてきたキルちゃんと無理やり目線を合わせられる。

キルちゃんは楽しそうに。嬉しそうに。満たされたように笑っていた。


「君を僕のお嫁さん兼、奴隷として迎え入れよう」






その日、私の初めては失われた。


何でもするとは言ってないですもたないからやめて助けてへるぷ!

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