トラップエリアは厳しい
植物エリアは好戦的な魔物が少ない。
いつでも戦闘ができるよう戦闘態勢をいつでも整えてはいるが、襲い掛かってくるような魔物が少なかった。
むしろ、可愛らしい植物の魔物たちが近づいてきては、微笑んで見送ってくれるというなんというか、期待外れ感がすごかった。
ワグマは可愛いと声を上げ、何体かテイムしていたしな。
「かわいいですねぇー。ホワイトリリー……」
「本性を現したらものっそい怖い顔だったりしてな」
「やめてください! ……なりませんよね?」
「知らねえよ……」
私たちは次の階層に登っていく。
次の階層に上ると、そこは魔物がいなかったが、なんというか、トラップタワーっていう感じでハンマーが揺れていたり、平均台のような感じで狭い一本の足場があったり。
魔物が出ない分幸いといったところだが、こんなトラップタワーはさすがに厳しいだろう。
「トラップばかりですね……。無事に行けるでしょうか」
「ここで死んでもそこまで痛手じゃねえし、さくさく進んでいこうぜ」
私は一本橋に足を乗せる。
バランスを崩すと横にある剣山に体を貫かれそうだ。剣山に貫かれた瞬間に、私たちは死ぬであろう。
私はバランス感覚はいいほうだが、ワグマは……。
「平均台って最後まで渡り切った記憶がないんですよね」
「まじで不安しかねえなお前……」
「走っていったほうが早く着くのでは?」
「そういう考えでいると絶対落ちるぞ」
「そういうもの……おっとっと」
と、ワグマが落ちそうになっていた。
「ワグマは立ってねえで座ってずるずる移動したほうがいいな」
「で、ですね。幸い、座っても剣山には触れなさそうですし……。座ってゆっくりいきます」
ワグマは座って手で体を引っ張って移動を始める。
が、多分それを許してくれるのかは謎だが。
私はワグマのペースに合わせて平均台を歩き進めていくと、突然天井が開いたかと思いきや、その天井からハンマーのようなものが落ちてくる。
やっぱこういう古典的なのあるよな。私はとりあえずハンマーをぶん殴り威力を相殺。だがしかし、ハンマーは再び揺れ始め、私たちを突き落とそうとしてきたのだった。
「ワグマ、立て!」
「ど、どど、どうやって立てばいいんですか!?」
「知らん!」
「知らんじゃないです! でも立たなければこのハンマーは回避できませんよね!? どどど、どうしましょう!」
思わぬところでピンチになった。
引き返そうにも結構歩いたので距離がある。ワグマはこの平均台に再び立てないという。どうしたものか。私は何とか行けそうだが、ワグマがな……。
「しょうがねえ、私が支えてやるから立て」
私は手を差し伸べる。
ワグマは私の手を取り、なんとか立ち上がった。が、問題はこのハンマー。私はもう一度ハンマーを止める。
「いまだ、いくぞ」
「は、はい!」
私たちは速足でハンマーを通り過ぎたのだった。
だがしかし……。だがしかし、このようなトラップがこの先にもあるとなると厳しいな。ワグマは歩いて移動が難しいしな……。




