私は好きだぜ
アルテミスを襲っていた男は木の枝が突き刺さり、ひるむ。
私はそのまま近づき、男を膝蹴り。もちろんトゲ武装している。
「アルテミス、全身全霊で逃げろ」
「……わかった。すまない」
「気にすんな」
目の前には私をつぶそうとしている人たちが大勢いた。
ワグマたちもすぐに追いついてきたのか、ワグマたちもその中にいる。人数はざっと20くらいか。全員潰していたらきりがねえ。
だがしかしまぁ、こいつらは私たちをつぶすためだけに結束しているようにも思える。
「烏合の衆ごときが私を倒せるかよ」
「どうだかな? 塵も積もれば山となるっていうだろ。俺らが束になったら勝てるかもしれねえぜ?」
「勝てる? 勝てるねぇ」
私は一人の男の顔面をつかみ、膝蹴り。
今の私はすでにウォーミングアップがすんでんだ。体はホットだぜ。
「いいよ。やろうか」
「気を付けてください。彼女は戦いになると本領を発揮しますから」
「おう! 仲間の情報をどんどんくれやワグマさんよぉ!」
「勝つためですから仕方ありませんね」
「じゃあ、私はまずワグマを狙えばいいんだな」
私は一気に距離を詰める。
「させないよ!」
「邪魔」
私はオイリを裏拳で殴り飛ばす。
ワグマの髪をつかみ、顔面に拳を与えた。ワグマはすぐにキルされ、オイリとともに消えていく。
「数人はアルテミスを追え!」
「わかった!」
「そんなこと私が許すと思うかよ」
私はアルテミスを追おうとしている人たちを足止めしようとすると、目の前に剣が突き付けられる。
「悪いが通すわけにはいかないな」
「邪魔すんじゃねえよ」
私は蹴り飛ばし、追跡者を追う。
私はすぐに追いつき、さっきの奴から奪った剣をぶん投げた。頭に突き刺さり、キル。ペアだった奴も消えていく。
「私を止めるんじゃなかったのかてめえら! 多勢で挑んでおいてこの程度か? 笑わせんな!」
「手を止めるな! いくら強くても疲労は蓄積されるはずだ! 疲れたら判断力も戦闘力も鈍るはずだ!」
「ドーパミンどばどば出てるから今の私は止まらねえよ」
私を止めるためにこの人数。
実にいいじゃん。多勢に無勢のほうが燃えるもんよ。
「あの、私も何となくついてきましたけどさすがにやりすぎじゃないですか?」
「おいおい、ピーチ。てめえも仲間だろゼーレの。なら、ゼーレの強さは知っているはずだぜ」
「知ってますが……。さすがに一人をこの人数で相手するのは……」
「そうでもしねえと勝てねえんだろ? ハンデだよ。私とお前らとの」
人数さなんて関係ないけどな。
私はどんどん敵をなぎ倒していく。残ったのは二組のペア。ピーチ、ラプラスペアとリーダー格の男のみ。
「これでお前らだけだ」
「ククク……。だからいったじゃない。ゼーレに勝つ未来が視えていないと……」
「ちょっと怖いですよ。鬼のような強さですね。誰も攻撃を与えられていません」
「くそ……。止めるのはもう無理じゃねえか……」
男はそう言いながらもあきらめずに剣を握っている。
剣を振りかぶり、まっすぐ振り下ろす。私は剣の横を思いきりぶん殴り、剣を飛ばす。そして、肩をつかんで思いっきり頭突きを食らわせた。
頭突きされひるんだ男。私は全力で振り回し、ピーチたちのほうにぶん投げる。
「悪いが、ピーチに狙撃とかされたらきつくなるからな。今のうちにキルさせてもらうぜ」
「隙が無いですね……。すぐ狙撃しようと思っていたんですが。あの大混戦の時も私の狙撃の銃弾、躱してましたよね……」
「撃ってくることはわかってたからな。音を聞き分けりゃなんとかなるだろ。発砲音はするんだしな。サイレンサー着けることをおすすめするぜ」
「魔導銃にそんな便利なものないです」
なるほど。発砲音は隠せないわけか。
「では、ひと思いにどうぞ」
「おお、潔いな。そういうの、私は好きだぜ」
「……す!? ああ、いえ、そういう意味ではないですよね。はい」
「そういうい……あ、そういう意味じゃねえからな!」
く、あの百合漫画が頭に浮かんできたじゃねえかよ。




