上級職を見つけたい
デネブと戦うためにコロシアムに移動することになった。
デネブは大剣を取り出した。ものすごくごつい大剣。これで戦ってきたのだという。大剣はその重さから隙が生まれやすく扱いにくいが……。
油断ならないなこれは。
「では、始めようではないか!」
と、大剣をぶん回して攻撃してくるデネブ。
私はのけぞって躱した。そのところに大剣をたたきつけてくる。くそ、対応が早いな。だがしかし、私もそれ相応の対応をせねばなるまい。
私は剣を拳で殴ってはじく。そして、そのまま腕につかみかかり、顔面に膝蹴りを食らわせた。
「ぐふぁ!」
私はそのまま地面にたたきつける。
そして、かかと落としを食らわせようとするが剣で防がれたのだった。だがしかし、甘い。私の真骨頂は力押しというものだ。
もう一度かかと落とし。辛そうな声が聞こえる。
「なんていう力……! さすがに力負けしそうだ!」
「ふんっ!」
私は鬼神スキルを発動させ、もう一発。
すると、大剣がはじかれ無防備となるデネブ。私は顔面をつかみ、思い切りぶん殴った。さすがに鬼神スキルが発動された攻撃は耐えきれなかったのか一撃で沈んだのだった。
私の勝ちで終わった。だがしかし、対応力はものすごくあった。
「っし、勝ち!」
「負けた! やはり強い! こちらも力で押そうと思っていたが無理だったな!」
「そりゃこのゲームでは基本脳筋だからな。なめんな」
「恐れ入った。貴殿が1位だという理由も納得できるものだ。また、やろう! 協力できるところは協力しようではないか!」
と、手を差し出してきた。私も握手を交わす。が。
「お前暑苦しいし……」
「はーっはぁ! 暑苦しいというのは誉め言葉ですな!」
「……」
「俺らもどうしようもないすよ?」
「あきらめろ。それがうちのリーダーだ」
「暑苦しいのはきついよねぇー」
こういう暑苦しい系の人種苦手なんだよな。
「ちょうどいいですね。あの、あなたたち、いい防具工房知りませんか?」
「防具? ああ、あるぜ」
「俺らのいつも御用達の工房ありやす!」
「そこはこういう衣服系の防具とかって作っておりますか?」
「作ってるよぉ。むしろそっちのほうがメインなくらいだねぇ」
「案内しようか? こっからそう遠くもないし、私たちの紹介なら作ってもらえるはずだよ」
「ではお願いします」
と、ワグマがアルタイルについていっていた。
防具か。私も結構レベル上がってこそいるのに防具とか前々期にしていなかったな。私もそろそろ買い替えるべきだろうか?
いや、それよりはまず職業だよな。上級職じゃないから早く上級職にするか、違う職業にするか。もうプレイ初めて半年ぐらいは経過してるし、いつまでも下級職ってわけにもいかないしな。
「上級職、みつけっかぁ」
めんどくせえけど。




