21-4-25『貧乏令嬢の花婿探し~なぜか、悪役令嬢に溺愛されるなんて聞いてませんけど!?~』タイあら感想
皆様こんにちはこんばんは、遊月奈喩多と申すものでございます!
さぁて、今回のお話は?
……てやんよ。
大好きな子爵領のみんなのために、貴公子を婿に迎えてやんよ!! そう意気込むアーシェ・エトワルの前に現れたのは、この世界が【なんとか魔法学園】という、選択肢を誤ると滅亡エンドの待つ乙女ゲームの世界で、アーシェがその鍵を握る主人公であると語る公爵令嬢・イザベラ。
イザベラは言うのでした。
「つまり、あなたはわたくしとずっと一緒にいる運命なのですわ」と……。
これは、本編を読むまではどんなジャンルかすら判断しかねるというか、どんなジャンルにも変わりそうなあらすじですね! タイトルに登場するのはイザベラさんなので、アーシェのヒロインはイザベラになるのか、それとも一応最初から目を付けていて本物も作中に登場するレオン王子になるのか……はたまた他の「攻略対象」たちなのか……!?
運命を知っていそうなイザベラの立ち回りが気になるお年頃な私としては、本編を待ちたくなってしまいますね!
前書きに引き続き、遊月です。今回のお話は百合になるのかどうなのか、世界は滅亡するのかどうなのか、そしてイザベラの持つ知識はどれほどなのか……いろいろ考えたくなるお話でしたね!
今回のお話でほんのり百合要素を感じた(筆者の百合センサーは過敏なので、多少こじつける程度のことは平気でします、気を付けてください)ので、個人的に好きな百合の話でもしましょうか。
古今東西様々な英雄たち(厳密にいうと少し違うのですが、長くなるので英雄たちと呼びます)を味方に付け、未来を取り戻したり世界を取り戻そうとしたりするソーシャルゲームがあるのですが、主人公たち一行が訪れた妖精の国で、私は見てしまったんですね……「これを推さずに何を推す」と言わざるをえない百合をね。
その国に住む妖精たちは、それぞれ「己の生きる目的」とでも呼べる、ある種の業のようなものがありました。そのなかに『誰よりも輝きを放ち愛されること』がそれに該当する妖精(仮にAとします)がいるのですが、Aはあるとき、泥沼のような場所からひとつの命を拾い上げます。それはその地で眠る竜の屍の一部(だったかな……確かそんなもの)が自我とも呼べないほどの意識を持ったような存在だったのですが、Aに拾い上げられたことで彼女を模してなんとまぁ愛らしい見た目の妖精(仮にMとします)になり、それ以来MはAと共に生き、親しく交わることになります。
元々は竜だったこともあってかMはいろいろと優秀だったので、すぐにその国の女王直属の騎士になるのですが(これにもいろいろ理由はありますが、割愛します)、それはそれとしてその心はAのものでした。なのでAのお願いはなんでも聞くし、Aの笑顔のためなら望まないことにも手を染めるわけです。そしてあるとき、MがAから受けた「お願い」は、妖精の国におけるひとつの氏族の鏖殺。心を軋ませながらもMはそれを完遂します──全てはAからの愛情を受けたいがために。結果としてそれは裏切られてしまうわけなのですが(「思うことすら汚らわしい」は、あのエピソード屈指の名言でした)、そのあとですね。たとえ愛されていなかろうと、Aが愛しているのは自分自身だけであるとわかっていても、Mの心は既にどうしようもないほどAへの愛で埋め尽くされていたのでした。
「わかってる……愛されてないコトなんてわかってる……! それでも……それでも僕は、きみを愛している……。愛しているんだ、オーロラ…………」
このだいぶ悲しい独白、作中ではひとりの少年の性癖を壊し、画面の外側で物語を俯瞰している我々プレイヤーの心さえもわっしょいわっしょい祭りだ祭りだオロメリュ祭り、見ろよ真っ赤な日が昇る、倅よ一番舟を漕げ……させたわけなのですが、もちろんこれだけで終わりじゃあありません!
その後何やかんやあって妖精の国は壊滅するのですが、その間際、上へ下への大騒ぎの最中にAのもとへ駆けつけるM。どう足掻いても終わりは避けられないと悟り、せめて愛するものと共に妖精としての命を終えようと考えていた彼女に、Aは「外の世界へ逃げよう」と言いました。しかしMにはわかっていたのでした──Aは外の世界ではきっと生きられぬ、外の世界に出てしまえばAの内面はすぐに見透かされ、『誰よりも輝きを放ち愛される』という存在目的など到底果たされず、嘆きのなかで朽ちていくことになると、Mにはわかっていたのです。
結果として、MはAを殺めました。それはそれまでの恨み辛みなどではなく、あくまでAへの愛ゆえのこと。たとえ自分が自分でなくなろうとも、Aへの愛を貫く覚悟ゆえの決断だったのです(Aを殺めたら妖精ではいられなくなり、自我があるのか怪しい竜に戻りました)。
と、ここまでなら一方通行の悲恋で終わるじゃないですか、しかしここで終わらないのが……すぅ、(呼吸しかできなくなりました)
その頃主人公たちも何やかんやあって大変なことになっていたのですが、そんなところを救うかのように主人公たちの飲み込まれそうだったものを断ち切って飛び去っていく飛竜。そんな飛竜を見つめながら、まだ微かに息のあったAがひとり呟くんですね。
「無垢とは、ああいう愚か者のことを言うの」
「消えろ、消えろ……高く、どこまでも高く」
はい、ありがとうございます。この台詞だけで筆者ときたらご飯5杯頂けるくらいの尊さを感じてしまい、やはり祭りだ祭りだ、オロメリュ祭り……という心地になってしまいました。双方向のクソデカ感情矢印……オタクが大好きなものです。更に、AはMの素を拾い上げるまでは、何かしたときの「ごっつええやつやん」「ふぅん、やるやん」という評価にだけ心動かされていたのが、Mを拾い上げたときだけはその行為そのものに感じ入ったという述懐も入っていて……こんなの最高ですよね。
あと準公式みたいな立ち位置のコミックスでも、Mの無垢な美しさに触れてしまったがために自身のなかの翳りみたいなものを自覚してしまったAの苦悩めいた感情の一端を窺い知れる話があったりしました。「誰よりも輝きを放ち愛される」妖精が、すぐ身近に自分よりも美しい存在がいることに果たしていつまで耐えられたのか……いろいろ考えちゃうと、双方に向けられる感情の丈がたまりませんねとなりますね。
ちなみにそのシナリオが配信された後このMはガチャ排出キャラとして実装され、引き当てた彼女が主人公にデレているのを見たとき……恐らくこのとき唯一、いわゆる寝取られに苦手意識を持つ人たちの気持ちが理解できたような気がしました。後にも先にも「こんな寝取られ……あんまりだよ!」と喚いたのはこのときだけです。あの有名なキーボードクラ●シャーもかくやという勢いで心が暴れてしまいましたね……などという些末な小話を挟みつつ。
以上、『貧乏令嬢の花婿探し~なぜか、悪役令嬢に溺愛されるなんて聞いてませんけど!?~』のタイあら感想でした!
追記
筆者は主人公にデレるMを見て深い嘆きの森に引きこもるような心持ちでしたが、世の中にきっといるであろうぐだメリュ好きな方々を否定する気はありません。何を好きになるかは自由なのです、誰かの地雷は誰かの主食、誰かの地雷は誰かの救いなのです。
ぐだメリュも、オロメリュも、あるんですよ!!!




