T-24 『廻り髪結いは謎をとかない』本文感想
皆様こんにちはこんばんは、遊月奈喩多と申すものでございます! 和風ミステリーっていいですよね……脈絡もないですが『陰陽師』の映画を観たくなりました。
はぁい本文中で好きなところ!!
「(前略)きくのも吉原の女になりんしたなあ」
澄んだ小声は、嬉しそうにも悲しそうにも聞こえた。
ここ!!
めにしゅき!!!
などというと、この「本文で好きなところ! (該当箇所の提示) ここ、めにしゅき!!!」というのが恒例の流れのように見えるかも知れませんが、別にそういうわけではございません。普段は全体的な感想をオタク全開のノリで叫ばせていただいています。ただここの部分に関しては本当に挙げずにはいられなかった。正直ここの部分だけでノーベル書き出し祭り賞ものなのでは?というくらい筆者の心に刺さりんしたなぁ……。いいですよね、あたしこういうの好きなのですよ。
……え。
キェェェェアアアアシャベッタァァァ!!!?
あれ、私、吉原に生きる女たちのヒューマンドラマ読んでませんでしたっけ、え、櫛が……謎解きに関してもこの櫛が知恵を貸してくれていたのさという展開だったとは、この奈喩多の目を以てしても……
ということでお師匠であるりんさんを助けるために夜の吉原を探ることになったたきちゃんのお話となったわけですが、こうなると、たきちゃんが尊敬していたりんさんのうち、どこまでがりんさん自身だったのかというところも読者目線では気になるところ。いやもちろんね、どこかのデルフリンガーよろしく饒舌に喋ってくれる櫛についても気になるわけですが、そもそもりんさんが何を企んでいたのか、そして政次さんの苦しげな顔の意味とは……?
櫛が喋りだした衝撃で危うく流されかけましたが、この物語にはまだ幾重にも謎が張り巡らされているわけです。たきちゃんが謎の櫛と共に見事それらの謎を梳いてみせるのか、期待したいところです。
※ タイトルには「とかない」とあるので、詳かにするというよりは『高らかに公言したり真犯人?をお縄につけるとかはないけれど、何かしらの事情があると知ったたきちゃんが何かしら答えを選ぶ』ことを主題にしたお話なのかも知れませんね。
前書きに引き続き、遊月です。吉原が舞台ということで、どこかお話全体に外界とはどこか違う空気感……そうですね。吉原というのは現実にある場所ではありますが、物語としての性質上、ある種の因習村に近い分類にあるのかも知れません。外界とは違う常識が確かに横たわり、そのなかで基本的には外に出ることのない人々が何やらかんやらする……そういう舞台として吉原という場所はかなり書きやすいのかも知れません。
吉原といえば、筆者も2、3年ほど前に吉原にある……いや、遊郭ではないけれど今でもそういう所があるにはありますからね。平日に暇ができたのでせっかくならばと行ってみたわけです。浅草駅で降りてしばらく周囲を散策したり、まだシャッターの閉まっている仲見世通りを過ぎて浅草寺を参詣してみたりと、賑わいすぎていない早朝の趣を存分に堪能してから、吉原にあるお店のひとつへ足を向けてこれまた堪能したことがありました。
ちなみに休憩中に声優さんの話題になったとき嬢の方が鬼滅に出てるよと言ってくださっていた「ハヤミさん」が彼女と筆者とで食い違っていたのはもうSNSで何度か擦っているので詳しくは言わないのですが、やはり思うのは、どこかに足を伸ばすときはメインの目的地とは別に周囲にもサブ的な目的地を作っておくべきだなということでしたね。
いや、もちろんその日の私が吉原を訪れたのは泡の国目当てだったわけですが、近隣にいくつか神社があったり、お店を出た頃には浅草寺の周りでもいろいろな施設が開いているわけで、そういうところを少し楽しんだりするのも視野に入れて計画しておくべきだったなと思ったわけです。帰宅してからそうした神社の存在を知ったときは思わず畳の上を転げ回りました。行っておくんだったなぁ、行っておくんだったなぁと声を漏らしたものです。
ということで皆様も、どこかへ遠出するときはメインの場所以外にサブ的な目的地もやんわりとでいいので決めておくと後悔のない旅程になるのではないかなという、自分の反省にも似た言葉を添えて、『廻り髪結いは謎をとかない』の感想とさせていただきます。




