404.しょうがない
うちのシゴデキ(笑)こと、真理たんが、城でテロが行われることを事前に察知した。
さすがは、ピンチの時「以外」は役に立たない女だ。
「でも、海理ちゃんがヤバい奴は事前に弾いてるんじゃなかったっけ?」
魔族の息が掛かっているような、悪巧みをする貴族は、受付の段階で間引いているはずなのだが。
「それでもテロが起きちゃうのって、なんで?」
『どうやら、時間経過で発動する呪いが、事前に仕込まれていたようですね』
なるほど……って。
「呪いが掛かってるなら、事前にわかるもんじゃないの?」
『海理がやっていたのは、害意や敵意を事前に察知・選別する作業でした。今、呪いが掛かっている連中は、我らに敵意を向けていない一般人ですからね。弾くのは難しいです』
……なるほど。そこまで厳密にやろうとすると、何も問題ない一般人まで弾いちゃうことになるもんね。
「どうすっかね……」
『むっふっふ♡ お困りのようですなぁ……!』
真理たんが、なんかやる気をみなぎらせていた……。
「早く自分を頼って欲しい!」という欲求が、全身から滲み出ている……。
まあ、ウザいけど、この子に頼るのが一番だ。
「真理たん」
『しょうがないですねーーーーーーーーーーーーーーーーーー! もーーーーーーーーーーーーーーーーー! しょうがないですねーーーーーーーーーーーーーー!』
……なぜ二回も言ったんでしょうね……。




