401.強くなった子フェンリル
フェルマァ&子フェンリルたちが、なんか人間に成れるようになった。
改めて……彼らを見る。
フェルマァは、まあいつも通りだ。あんま変わらない。
ふぇる太。赤髪、やんちゃそうな顔つき。八重歯が特徴的だ。見た目は小学校中学年くらいかな?
鼻頭に絆創膏とか似合いそう。
「姉ちゃん姉ちゃん、あそぼあそぼ!」
「これからパーティだから、あとでねあとでね」
「うぉおおん! あそぼーぜー!」
……見た目は人間なんだけど、中身はまるきり犬だった。可愛い。
「あおぉおん! おねえちゃんおねえちゃんっ!」
続いてふぇる子。こっちは、短髪の青髪。外見年齢はやっぱり小学校中学年くらいだろう。
こっちも八重歯がキラリと輝いてる。活発そうなつり目をしていた。
「見てて見ててっ!」
ふぇる子が右手を差し出す。
手のひらに氷が出現する。
これは……彼女が氷神フェンリルだからできることだ。
「で、こっち!」
「うぉ! 火も出せるようになったんだ」
「そー! あたし、熱を操ってることに気付いたのっ! 天才だから!」
「なるほど……」
熱を奪い氷を作り、奪った熱で火を作る。氷と火、二つの力を自在に操れるようになったわけか……。
「って、ふぇる子も髪の毛が赤くなってない?」
「そう。なんかねー、熱を奪うと、髪の毛が赤くなっちゃうの。ふぇる太とかぶるからやなんだけどねー!」
かぶるのいやなんだ……。
で、最後はふぇる美。
こっちも小学校中学年くらいの外見。アメジストのように美しい紫の髪の毛。そして……大人しそうな見た目をしてる。
「ふぇる美はなにかできるようになった?」
「……人の姿に変身できるくらい。あとは、磁力操作ができるようになった」
「磁力……」
ふぇる太とふぇる子が「「あそぼぉ!」」と私にくっついてくる。
ふぇる美はそんな二人の肩に触れる。
ジジジッ、と二人の体に電気が纏う。
ふぇる美は私から離れた場所に立つ。すると……。
「うぁああああ!」
「ひっぱられるぅうううう!」
ふぇる太たちが、ふぇる美のほうへと引き寄せられていく。
バチンッ! と二人がふぇる美にくっついた。なるほど、磁力を二人に付与したんだね。
「みんなどんどん強くなるなぁ……」
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