112話 ピョン次郎と博士
今日もいい天気だ。
遠くの空にクジラが見える。
「おはようございます、左様」
スキンヘッドのウサ耳。
朝から衝撃のビジュアルだな。
さっきまでの肌色一色気分が一気にぶっ飛ぶよ。
「おはようございます、相良さん」
「レイラ様とナルディスナ様から、左様の補佐を行うようにとの命を受けましたので」
レイラさん、ナディ何してくれてるの?
ウサ耳スキンヘッドを眺めながら日々を過ごせと!?
「よろしくお願いいたします」
「よろしくお願いします、相良さん」
……?
なんか微妙に不満そう?
「左様、できればピョン次郎とお呼びいただければ」
この人なに言ってるの?
落ち着いた良い声でピョン次郎とか言わないで下さい。
「奥方様や他の皆様はピョン次郎と」
みんなで何してくれてるの!?
いかついウサ耳はやしたスキンヘッドのおっさんに向かって、日常的にピョン次郎さんとか本気か!?
「左様?」
俺か?
俺がおかしいのか?
「いえ、わかりました。検討はさせていただきます」
「わかりました。よろしくお願いいたします」
「話は変わりますが、パーシーさんを探しているのですが」
「パーシー様ですか? 工房の方にいらっしゃるはずです」
工房、パーシー、ルル、レーブ。
混ぜるな危険、以外の言葉が出てこないな。
「わかりました、ありがとうございます」
「それと左様、そのようにかしこまった口調はお止めください。あなたは私の仕えるお方なのですから」
「わかった」
「よろしくお願いいたします」
しかし、相良さんは。
「ピョン次郎です」
「え?」
「ピョン次郎です、左様」
俺の頭の中に駄目だし!?
俺声に出してないよな?
怖ええよ、相良さん。
「ピョン次郎ですよ、左様」
……。
「そうですね、ピョン次郎さん」
凄い素敵な笑顔が来ました!
ウサ耳スキンヘッドの素敵な笑顔。
なんか色々処理しきれなくて酔いそうだよ。
「おはようございます、パーシーさん」
「おはようございます、村長さん」
何で白衣着てるんだよ。
「む? これかですか? これはルル君が是非にといってきたので着用しているんですよ」
ルルさんの趣味ですか。
それで呼び名は博士ですか?
「私に何かご用でしたか?」
「はい、博士。ではなくパーシーさん」
「ハカセ?」
「いえ、気にしないで下さい」
「昨日ルル君にも同じように言われたのですが、ハカセとはどういう意味ですか?」
なんか食いついてきた。
「いえ、大したことではありませんよ。それよりもですね」
「いえいえ、まずはそのハカセという言葉について教えて下さい」
食いついて離れない。
説明しろと言われても、どう説明すりゃいいんだよ。
学位の話か?
ロボットアニメの話か?
「左様、私の方からご説明しましょうか?」
「できるのか、ピョン次郎さん」
「お任せください」
「よろしくたのむ」
「パーシー様、わが主人に代わってご説明を」
「おお、よろしくお願いします。えーと」
「ピョン次郎と申します」
「それではピョン次郎さんよろしくお願いいたします」
パーシーさんも気にしないのか。
ピョン次郎さんの名前。
流石異世界だな!




