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私の白い結婚  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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焦れ焦れ度が深まる

 フィオナの勘は、本当にすごいと思う。

 ベルナードの方は間違いなく、偶然だと思うけれど。


 激甘になってしまったライルとキスをしそうになった瞬間。


 部屋には二人の訪問者がやって来た。


 フィオナは「そろそろ昼食のために身支度を整えませんか」と声を掛けてくれた。


 ベルナードは「あるじ、専用ラウンジにいると思ったら、お姿がなく。もしやこちらでしょうか」とやって来たのだ。


 当然だが、あと一歩のキスはお預けになる。


 これは……ライルにとっても、私にとっても。

 二人して焦れ焦れ度が深まることになる。


 深まった私の心境は、こんな状態。


 甘々新婚溺愛旦那様モードだったのだから、キスぐらいしてもいいのでは……!?

 それに高級娼館に足を運んだ理由。

 だんだん知るのが怖くなってきた。

 だって娼婦ではなく、男娼と会っていた可能性だってあるのだから。

 むしろもう、知らなくてもいいかも!という心境になっていた。


 一方のライルは……。


「……はぁ。入団してから初めて、職務放棄したくなりました」


 昼食を終え、国王陛下との謁見があるのに。

 真剣そのものの表情でそんなことを言い出したので、ベルナードが青ざめた。


「主、どこか具合でも悪いのですか!? いついかなる時でも職務のことしか頭になかった主から、職務放棄なんて言葉が出てくるとは……一体全体昼食の前に、何があったのですか!?」


 ベルナードが私を見る。

 特別なことは何もしていない。ただ、ちょっと本音を漏らし、膝枕をしたら……。


「ベルナード、君が代わりに国王陛下と」

「なりません! もうこうなったら馬車に押し込んで連れて行きます!」


 ドタバタでライルはベルナードと共に馬車に押し込まれ、宮殿へと向かい出発となった。


 この様子を見たフィオナは、大変満足そうな顔をしている。

 そして部屋に戻り、ソファに座った私に告げたのだ。


「若奥様、時は熟しました。若旦那様は、今日から宮殿敷地内にある騎士団宿舎で寝泊まりとなります。ですが絶対に、夕食を若奥様と食べるため、戻って来るでしょう。その時です。食後、もう少し話したいと、ホテル内の庭園もしくは温室で散歩をする。もしくはお部屋にお招きしてもいいでしょう。そこで高級娼館に行った理由を聞き、白い結婚の件を尋ねるのです!」


 これを言われた時は、遂に……!と安堵する自分がいた。

 これ以上の焦れ焦れは、私自身も耐えられないと思っていたからだ。


 結局、私は恋愛慣れしているわけではない。

 ライルから溺愛を向けられたら、あえなく陥落してしまう。

 焦らすことができたと思っても、気づけば立場逆転してばかり。


 だが、今日でその焦れ焦れから解放される……!


 そう思ったものの。


「ね、フィオナ。焦れ焦れ状態のライルから聞きたかったことを聞き出せたら、その後は……どうなるのかしら?」


「それは若奥様次第かと思います。高級娼館に行った理由、白い結婚である理由。どちらも納得できるのでしたら、そのまま若旦那様を受け入れればいいと思います。納得できないものであれば、まずは奥様に相談するのがいいかと。奥様は若奥様を気に入っていますから、きっと味方になり、アドバイスをくれると思います」


 そこで私は午前中のライルの様子を踏まえ、フィオナに打ち明ける。

 ライルは私のことを好きなのかもしれない。だが騎士団で過ごした時間が長く、性の対象が同性なのではないかと話すと……。


「そ、それは……。もしそうであるならば……。でもきっと若旦那様なら、両刀使いになれると思います! 間違いなく若奥様を好きだと思うので、遅かれ早かれ、女性に対しても体が反応するようになるかと」


 フィオナのアドバイスを踏まえれば、脱・白い結婚の可能性も出てくる。

 そうなって欲しいと思いながら、ライルが戻るのを待つことにした。


 ◇


 ライルが戻るのをただ待つわけにはいかない。


 時間があるので、護衛の騎士を連れ、まずは絶賛準備中のタウンハウスを見に行くことにした。


「フィオナ、ライルに渡された地図だと、この辺りにあるはずよ」

「そうですよね……」


 フィオナは私から地図を受け取り、それを眺め、馬車の窓から外の様子を見ると……。


「もしかすると、これであっているかもしれません」

「!?」

「若奥様はグランドホテルのこと、覚えていますか?」


 グランドホテル。有名なホテルだった。


「覚えているわ。王都で一時、大人気だったわよね。建物もお洒落で、内装も素敵で。レストランも人気で、宿泊客以外もよく利用していたと聞いているわ。有名なケーキ屋も、テナントで入っていたはずよ」


「そうですよね。でも多角経営に挑戦し、いろいろな事業に手を出したところ、とんでもない赤字を作り……。グランドホテルは抵当物件として、売りに出されましたよね」


 そこでハッとする。

 ライルの地図が示す場所は、まさにグランドホテルがあった場所だ。


「若奥様、これはすごいことですよ! 王都を象徴する建物だったグランドホテルを買い取り、タウンハウスにするなんて! 公爵邸より巨大かもしれません」


 まさにそう思う。しかも王都の一等地。

 間違いなくライルの名は、王都で知れ渡ると思った。


 せっかく目立たない領地を手に入れ、社交界で存在感が薄い私と結婚し、貴族社会に翻弄されることなく、生きていけそうなのに。


 どうしてタウンハウスでいきなり目立つようなことをしたのかしら?


 そんなことを思っていると、旧グランドホテルの正面入り口に到着した。

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