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番外編 ジーナの勇者への遠い道4  ~お母様の場合~

ジーナさんより強そうな人、二人目のお話です。

番外編 ジーナの勇者への遠い道4

 ~お母様の場合~


 かくして、アルティメットミラーゴーレムの核を新たに5つ手に入れた私とお父様は、速攻でお母様にバレてまたまたしこたま怒られた。

 でも、その怒られ方が少し昨日と違う。


「あなた!ずるいわよ、あなたばっかりこんなにたくさん倒して!

 いいこと、ジーナ。明日の午後は私に付き合いなさい」

 これはもしかして……




 翌日の午後、再び裏庭にいる私。

 そこにお父様を伴って現れるお母様。


「ジーナ、あなたの空間纏の剣にヒントをもらいました。

 私が開発した魔法をアルティメットミラーゴーレムに試します。

 召喚しなさい」

 お母様に命令された。


「でも、お母様……

 アルティメットミラーゴーレムに魔法は反射されるのでは?」

「心配要りません。万一の時の保険も用意しています」と言ってお父様を見るお母様……


 仮に新魔法の効果が無かったときはお父様に任せるつもりのようだ。

「いいのですか、お父様?」私が確認するとお父様はしっかりとうなづいた。

「かまわん。ジーナ、やってくれ」


 両親の望みだ。ここはやるしかない。


 私は三度召喚魔法でアルティメットミラーゴーレムを呼び出す。

 アルティメットミラーゴーレムの頭が魔方陣から浮かんでくる。

 1つ、2つ、3つ、4つ、5つ……、7つ!!


 しまった。昨日よりも魔力を込めすぎた!?

 もしかして、昨日の五体の討伐で、私の魔力そのものが上がった?

 けど、反省は後だ。まずやるべきは……

「ごめんなさい、お母様。魔力を込めすぎました」そう、まずは謝罪からだ。これ基本!


「問題ないわ。私の考えた魔法が上手くいけば数はほとんど関係ない」

 そう言うとお母様は右手と左手にそれぞれ魔力を集中して魔法を行使する。


 あっ、あれは亜空間収納?

 いや、見たことがない新たな空間魔法だ。


「空間断裂!」

 お母様が叫ぶと、お母様の両手から放たれた魔法は真っ黒な常闇の亀裂となって7体のゴーレムの胴体に命中する。


 反射されていない。


 黒い亀裂はそのままゴーレームを通り抜け、空の彼方へ消えた。


 そして……

 7体のゴーレムが上下に二分されて崩れ落ちる……


「凄い」

 私は結果からお母様の魔法の正体を予測できた。

 あれは私の空間纏の魔法剣を魔法だけで更に大規模に再現したものだ。

 将に、『空間破壊』『空間断裂』いや『空間消滅魔法』……


 如何に魔法を反射するミラー系ゴーレムといえど、存在している空間ごと破壊されれば討伐できることを証明した魔法……。

 私の魔法剣を参考にしたと言うが、一瞬で七体のアルティメットミラーゴーレムがご臨終とは……

「ば、バケモノですか……」もはや他の言葉は思いつかなかった。


「うーん、ちょっと魔力消費が大きすぎるわね。

 これだと連発できないわ。

 もっと鍛えないと……」

 そう言って、なぜか左ジャブのシャドウを高速でするお母様……

 止めてくださいお母様。こぶしから衝撃波がでて庭木の小枝を折り飛ばしていますわ……

 それにしても、更に体を鍛えていらしたのね…… 鍛錬は大切ですけど……


 私は、ちょっと魔法剣が使えるようになったと浮かれていた自分を反省した。

 世の中、上には上がいる。

 それにしてもあんな大魔法を昨日今日で開発してしまうとは、なんという天才ですか、お母様は……


 それにしても、お母様がこの魔法を連発できるようになってしまった暁には、私の目標の魔獣の森の制覇はお母様が成し遂げてしまうかも知れない……


 私も鍛えなければ…… それも、お母様以上に……



 勇者への道は遠い……







このお話で、今の流れは一区切りとなります。

次に番外編を書くといたら、ジーナが学園入学前に王都観光する話にしようと思いますが、明日から仕事が……

いつになるか分かりませんが、気長にお待ちください。本編完結済みのため一旦完結設定に戻します。

まだ、未評価の方は評価して頂けると幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] サイキョー主義ですが、突き抜けてるんで読後感が良いです [一言] もう、お父様、お母さま、娘の3人だけで世界征服可能なのでは……?あまり語られてない2人のお兄様も弱いはずもないし。 そん…
[一言] 原作ゲームのように亡くならかったお母様がチート過ぎる。
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