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番外編 ジーナの勇者への遠い道3  ~お父様の場合~

本編読み返してて、思ったんですが、ジーナより強い人間が領地にはゴロゴロいる設定が、番外編ではジーナ最強みたいになっているように読めてしまうので、お父様の話を追加してみました。よかったら読んでいってください

番外編 ジーナの勇者への遠い道3

 ~お父様の場合~


 私がアルティメットミラーゴーレム三体を召喚して剣の錆びにした日の翌日、いつも忙しく仕事をしているか魔物を討伐しているお父様が珍しく伯爵邸に日も高いうちに帰ってきた。


「ジーナ、聞いたところによると召喚魔法でアルティメットミラーゴーレムを呼び出すことに成功したそうじゃないか」

 お父様はどこか嬉しそうな様子で魔法剣の練習をしていた私に声をかけてきた。


「はい、昨日習得したばかりの召喚魔法を使ったところ一体だけ召喚する予定だったアルティメットミラーゴーレムを、間違って三体も召喚してしまいました」


「やはり事実だったか……

 素晴らしい。

 ジーナ、ちょっと今ここでアルティメットミラーゴーレムを召喚してくれないか」

「はっ!?」

 私は思わず変な声を出してしまう。


「お父様、それは無茶です。

 アルティメットミラーゴーレムはかなり強いので、召喚主である私の言うことを聞きません。

 伯爵家の庭に災害級の魔物を召喚してしまえば、昨日以上に私がお母様から怒られてしまいます」


「大丈夫だ、ジーナ。

 責任は全て私が取る。私もアルティメットミラーゴーレムと戦いたいのだ。

 頼むジーナ。召喚してくれ」


 あのお父様が私に頭を下げてお願いしてきた。これは望みを叶えるしかないだろう。

「もう……、どうなっても知りませんよ、お父様。

 それにお母様から怒られるのもお父様だけにしてくださいね!」

 私はそう言うと召喚魔法を実行する。


「いや、一人で怒られるとか、それはちょっと……」

 と、お父様が小声でぼそぼそ言っているが、聞こえないふりをする。


 昨日と同じように魔力で魔方陣を描いて、昨日と同じようにアルティメットミラーゴーレムを意識し、そして召喚する。


 魔方陣から徐々にアルティメットミラーゴーレムの頭が現れ、その数は1つ、2つ、3つ、4つ……


 しまった。五体も召喚してしまった。昨日に引き続き魔力の込めすぎだ……


「お父様!ごめんなさい。召喚しすぎました」

 私は速攻でお父様に謝った。




「問題ない。任せろ」

 お父様はそう言うと左手を前に出しゴーレムの足下に初級の土魔法を行使して凹凸を作り、ゴーレムたちのバランスを崩させる。

 そしてすかさず抜剣し、目にもとまらぬ早さでゴーレムたちの間を駆け抜けた。


 私の目でも追いきれないスピードだ。どれだけ身体強化しているんだろう……


 チンっと納刀するお父様。

 瞬間、五体のゴーレムに無数の剣閃のあとが筋となって現れ、ゴーレムは全てバラバラとなった。


 お兄様の剣をはじき、魔法を全て受け付けないゴーレムを、物理力だけで五体も粉みじんにしてしまったお父様……。バケモノですか……。

 というか、空間纏の魔法剣で勇者に近づいたと思っていた私は、このお父様を以てしても討伐し切れていない魔物の森の驚異を再認識した。


「ふっ、鍛えたかいがあったな」呟くお父様……

 もしかして、アルティメットミラーゴーレムを想定して鍛えていたのですか……

 それにしても規格外すぎる。

 私が倒したときより二体も多いのに、殲滅時間は私以下……


 勇者への道は遠い……








ここまで読んで頂いてありがとうございます。

時間があれば、次はお母様かお兄様の話を追加するかも知れません。

そのときはまた読んで頂けると嬉しく思います。

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