二十二☆【中編(下)】犬なの?クマなの?……忘れないよ……。
ラモルとコウ……。
「私、とても喋りづらくて……しおんお願い、変わってくれないかな?」
「ダメよ。がんばりなさい!」
「もう……では本題に入ります。今しおんのバッグに吊るされているぬいぐるみがありますが、なんと、喋るし歩くのです!」
「うそーん。まじで?」
「え〜!みたい〜」
「柊さんが冗談を言うキャラでもないから、ホントっぽいね」
柚葉がバッグから外しラモルに合図する。
「ラモル。今だけ好きに動いていいわよ〜」
ちょこんと座禅を組み始めるラモル。
「わおっ!こいつ……笑いを知ってやがるのか?……」
「きゃわい〜」
「ホントに動いてるし」
「コウ!変なことを教えないでよね」
「え!大丈夫だ。今のところは……」
「ホントにやめてよね」
コウのいたずら心に火がついてしまう。
「おいラモル。なんじゃこりゃー!!って言ってみて」
ラモルがなぜか軽快に真似る。
「な〜んじゃこりゃ〜」
「はは、まじで喋ってる。微妙に違うし、おもろ〜。ワレワレハ、ウチュウジンダって言ってみて」
「われわれは〜うちゅうじんだ〜」
「軽っ!!宇宙から来て初めての地球人との交信の際に、そのテンションは陽気過ぎただろ」
楓と邦正はお腹を抱えながら笑っている。なゆりもそのキュートさに魅了され瞳をキラキラとさせていた。柚葉はラモルの声を誰かに聞かれてないか辺りを気にしてばかりいる。
「コウ。変なこと教えないで。それと他の人にもバレてしまいそうだから今日はラモルのことはここまでにして、それとこのことは絶対に内緒にしてね!」
「そうだよな。こんな可能性を秘めた子をメディアがほっとく訳がないからな。そうだ柚葉!ママのことを調べたいんだろ?」
「うん」
「よし。今日放課後、皆で柚葉邸いこー!」
「え?」
「だって何をすればいいのかわからないんだろ?だから何をすればいいのかを探しに、考えに柚葉邸に行く。そしたらまた理事長がひょこっと出て来そうだから一応、建前上はお勉強会とかにしておけばいんじゃね?」
「お〜!に〜!楽しそ〜!」
「だろ?ラモルとももうちょい皆で遊びたいしな」
「うーん。まあ、それもいいかもしれないわね」
そんなこんなで柚葉邸……。
「楓。どうだった?」
「噴水の水を出したかったし、庭にある木をカットしたかった〜!」
「だろ?おれ達が前に来た時は庭師がいたけどな。今度見つけたら弟子入りさせて下さいって二人で言いに行こうぜ。そして隙を見て噴水の水の出どころを探ればいい」
「だね!さっすがに〜」
「ちょっとコウ!また余計なことしようとしてないかしら?」
「大丈夫!まだ妄想だ」
「まだじゃないわ!」
「もー。二人共やめて〜」
いつも通りことが大きくならないようになゆりがクッションになる。柚葉がラモルに許可を出す。
「はーいラモル。この部屋の中なら自由にしてていいわよ」
「わかった。でも人がいっぱいで緊張するからしおんに抱っこしててもらう」
「フフッ。いいわ」
なゆりが何かを気付いたようだ。まん丸な瞳を輝かせている。
「あー!かわいい〜革の四角いトランク三つ重ねてるんだぁ〜これって収納でしょ?」
「なゆりはよく気付くわね〜ありがと。そうよ。落ち着いた雰囲気になるでしょ?」
「うん。素敵!他にも色合いとか統一感あって凄いよ!」
「柚葉はやっぱ、柚葉だな!」
「それは褒めてるってことでいいのかしら?」
「勿論でございます」
楓が自然にトランクを開けようとしている。
「楓!ダメよ!」
「しおんのケチんぼ〜!」
するとコウが邦正の様子がおかしいことに気づいた。
「てか邦正。女の子の部屋初めてイベント中?」
「やめろよこう!今、変に意識をしないように無になろうと必至なんだから頼むから触れないで〜!」
「大丈夫だ邦正。おれもだっ!!前回は客間だったからな」
「あんた達、変なことしたら……わかってるわよね?」
「「しませんしません」」
柚葉の部屋は普通の女の子の部屋とは多少違うようだ。派手な色使いではなく革や木の茶色と白を上手く使い統一感のある落ち着いた部屋になっている。そしてただただ、いい匂いがする。
「では本題なんだけど。コウ!ちゃんと聞いてる?」
「はい!め、めっちゃ聞いてます!」
「きょろきょろされると気になるからこっち見てなさいよね」
「畏まりました」
柚葉が本気モードで語りだす。コウも邪念を捨て去ろうと意識を集中させスイッチを切り換えた。
更新お待たせ致しました!
少し無理を重ねていましたので、充電期間を頂きました。
活動報告にも書きましたが、以後は最終話に向け多少更新のペースが落ちてしまいそうで事前に報告になります。
勿論、より良い物語になるように精進しますので、これからも宜しくお願いします!




