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ラブコメって!パラレルった?コスプレ部☆  作者: フォーシーズンス
 終章 〜【??コス】パラレルワールド編〜
80/102

 二十二☆【前編(上)】犬なの?クマなの?……忘れないよ……。

 終章OP詩   cherry


ついてた頬杖の先に

生まれた溜め息の行方


そこには決まっていつでも君がいた



吹き付けるように過ぎる日常に

新しい芽を出したんだ


期待を吸い込んで伸びて行き

根を張り立ち堪えていた



小さな実をつけたんだ

生まれた奇跡が消えてしまわないように


護ろう cherry




待てなくて食べてみた

そしたらまだ固くって


涙みたいな味が広がる cherry


期待はでもね絶えなくて

恋の魔力に魅せられて


熟す程に柔らかくなれる気がした


赤く…




恋しくて恋しくて

手を延ばしてしまうんだ




もう一度食べてみた

そしたらまだ酸っぱくて


でも少し美味しく思えたりもするんだ


萎まないように包みたくて

でもまだ上手くは出来なくて


涙みたいな味が広がる cherry


それでも君の魅力に照らされていた


好きな程に… 熟れてく… 赤く… 赤く……

 遠い記憶のような……


 眠りについた後に夢で見た一場面ような、曖昧な記憶の中に忘れられない言葉がある……


『あなたの場所を探しなさい……』


 でもきっとそう……これはわたしが幼い頃にママから聞いた言葉……。




 とある日の柚葉邸……。


「失礼しまーす……ホントこの部屋はいっつもなんか気味が悪いのよね。あの本どこだっけ……うーん、どこに片付けたのよ。あんな目立つ本見つからないわけないのに……ん!あった!あ、ああぁ、きゃーっ!!」


 柚葉がとある書斎のような部屋で本を探していた。椅子を踏み台にし高い位置にあった目的の本を手に取った直後に周りの本が二冊落下し、それをキャッチしようとしてバランスを崩し転倒した。尻餅をついた柚葉がお尻を摩りながら、


「いったーい。もう。何なのよ……」


 柚葉は立ち上がろうとするが妙な視線を感じ、じーと見つめてくる可愛らしい存在に気付いた。

 小さなクマのぬいぐるみと仔犬のトイプードルを足して二で割ったような、もこもこでもふもふなものと見つめ合っている柚葉。


「いや……可愛らしいとは思うわよ。でもわたしはもう子供ではないし、いっくらもふもふしていてもそんな誘惑なんかには負けるわけ……」


 完全にフリのような言い回しだが、柚葉が目を逸らしたその瞬間。


「あら?触らないの?」


 柚葉は空耳かと思い、だが誰かがこの状況を覗き見ていてぬいぐるみ風の物に声をあてているのかと思い、周りを見渡している。


「触るんでしょ?」


 次第にイライラの方が勝ってきて、誰が声をあてていようとそうでなかろうと、どうでも良く感じてきたのでその声をスルーし目的を果たそうと自分の用事の続きに取り掛かかる柚葉。


「うわっ!ツンツンしてないで触ってってば!」

「あーもう。わたしは今忙しいの。あなたを構ってる暇はないのよ」

「いやだぁー。折角喋れるようになったのにあんまりだよ」

「そうね。わたしは喋れるようになってもらっても困るわ!一人で遊んでなさい!」

「あー。そんなこと言ってー。なら一人で遊ぶからイイもん!」

「そうね。一人で遊ぶぬいぐるみなんて中々面白いわね……ってぇ!!……」


 柚葉の目の前をテクテクと歩いてちょこんと座り、床に前足で何かを書こうといじけながら遊び始めるぬいぐるみ風な物に固まる柚葉……。


「……あんった!何一人で遊んでるのよ!」

「だってしおんがそうしろって言ったじゃない!」

「あんたに言ったんじゃないわ!」

「だって僕たち以外ここには誰もいないでしょ?」


 呆気にとられている柚葉がこの状況を必至に頭で処理をしようとしているが、全く納得できる答えに辿り着けない。


「あー。わたしきっと疲れてるんだわ……」

「そうだよね。人って色々あるからね。最近忙しかったからじゃない〜?」

「ちょっと……あんたに何がわかるのよ」

「ごめん。今のは流れで適当に答えてみたの!ふふ〜」

「あはは〜ふふ〜じゃないわよ!もういい。今日はもう寝る!」


 現実逃避に走りふて寝を選択した柚葉。部屋に戻るとぬいぐるみ風の物がちょこちょこと歩きながら一緒について来ていた。それを知らんぷりしていた柚葉だが、ベッドに入った瞬間に疲れのせいか直ぐに熟睡に入っていた。


 カーテンから朝の光が漏れ柚葉をくすぐるように照らしていた。その眩さに柚葉は眉間に皺を寄せながらゆっくりと目を開いた。するとわんちゃん風に胸元にちょこんと座わりこっちを凝視している可愛らしい存在に気づいた。


「もー夢オチか〜。びっくりさせないでよ。あんた夢の中で可愛い声で喋ってたわよ。また喋ってみなさいよ」 


 柚葉の問い掛けに全く答えないぬいぐるみ風な物。まばたき一つせず柚葉を見つめ続けている。


「喋らないわね……とりあえず。良かった良かった」


 そう言って起き上がる柚葉。大きく背伸びをし、ベッドから離れ引き続き本を探そうと動き出したが、イヤな視線を感じベッドの方へ視線を向けた。


「うーん……わたしが布団から出た時にあの子の視線がこっちにズレたのかしら……ちょっと!あんたがこっち見てたらなんか集中できないじゃない!」


 柚葉がぬいぐるみを持ち上げると妙な感覚に気付く。


「あら??……あんた。妙にあったかいわね。それにもふもふしてめっちゃきもちーじゃない。う〜ん……もふもふもふもふもふ〜!」


「ピっ!」


 柚葉がぬいぐるみの首元辺りをわしゃわしゃしていると微かに妙な音が聞こえた。


「ん?なんか今、高い音なったような?これ、押したら鳴くタイプかしら?あ。こんなところに攻撃力高めなハンマーを発見!う〜ん……これをこう持って〜。大きく振りかぶって〜」


 柚葉がハンマーを大きく振りかぶりぬいぐるみ風な物の胸あたりを全力で叩こうとしたその時、


「ちょーっ!!それは無理!絶対痛いでしょーっ!」


 そこには冷や汗までかきかなりの焦り顔になり、前足二本でその攻撃を阻止しようと喋り動き出してしまったぬいぐるみが居たのだった……。

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