八☆【前編】オネエ……これは眠れない!……戦略……。
えんじぇるにて……。
「わたし。カメラを持つと人が変わるのよね〜」
暴君がそんな恐怖の言葉を言い放った直後……。
「こっちにきなっさーい♡あんたたちぃ〜!」
「ひゃぁー!急に柚葉オネエになったぞ!!こわっ!」
「そうなの……私もそれでこの間……コレきなっさーい!って、やがて裸エプロンに……」
「しおん撮る時いつもやし〜」
「あいつにもマイナス要素があったとは……でも……面白すぎだろ。ってことはプラスなのか?もう一つ素敵ポイントを増やしちゃってるのか??」
「あちしこっちのが好き〜」
「見る側としてはそうだろうな」
惨劇の声が響き渡る……
「きゃー何このっこー!良く見たらお人形さんみたいにきゃーわいいじゃなーい♡いいわいいわいいわー♡ファインダーから逃さないわー!うふっ♡頰ずりしたくなっちゃーう!もっとこっち見てー!もっともっともっとよー!」
「おい……あれ……柚葉の仮面を被ったオネエだよな?キャラ崩壊レベルだろコレ」
みうママが意味深に笑みを浮かべながら、
「女の子には誰にでも秘密はあるものよ。ふふっ」
「そうなのか?柊もあんな風になる時あるの?」
「無いですっ!」
「だよな……」
「ちょっとあんた!いいの撮れてるわよー♡次はコレきなっさーい!」
「ちょ、ちょっと!やめ、きゃぁぁぁー!」
「……」
ドン引きのコウ……呆れて口が開きっぱなしの放心状態。
「あああ……惨劇が聞こえる……」
なゆりが記憶を辿りながら不思議そうに答える。
「でもね、撮られてる側は意外と悪い気はしないのよ。普段しおんつんつんしてるから取っ掛かり辛いけど。このしおんはなんか素直というか。親しみやすくて、とにかく可愛いの!」
最後には満面の笑みを見せながらそう告げたなゆり。
「そうか。面白いもんだな。人って」
きっと色々なバランスがある……
容姿や正確は全く変わらないのに好感度や印象はその時の表情一つでも変わる。
同じ発言をしていてもその時の表情や仕草や声色で違う表現になってしまうことだってある。
しおんはそんな表情や声色を媚びるような使い方はしない。
きっと角が立たぬようにへり下ることも無い。
それが故の敷居を高くしてしまっている部分や、突き放してしまうように聞こえる発言が、近寄り難い印象を与えているのだろう。
「はーい!次はあなたよー♡こっちにきなっさーい!」
夢に出て来そうなくらいのディープインパクトだ……
「あの感じのままでみうママにも行ったぞ……」
「おおお。しおんかっこい〜」
「みうママにも終始あのままで行くのか?」
急にヒートアップしたテンションの柚葉が早口で捲したてる。
「ちょっと!あーた!あーたよ!その挑発的な眼差しっ!頂くわー♡逃さないわー!!」
グラマラス且つ、セクシー且つ、大人の色気を持ち合わせた美羽ママ。今の柚葉には格好の餌食だろう。
「そうよ。そう。今度は開いてー……そーう。ふふ……慣れてるわね〜」
「いい〜いいわ〜」
「あれ?なんかえっちな感じになってないよね?」
もじもじしながら答えるなゆり。
「そうなの……この間もしおん、こういう風になって……私……」
「ま、まてー!何されたー!!!」
右手は軽く握りながら口元を隠すように添え、左手はスカートの裾を軽く握り恥ずかしそうに告げるなゆり。変なイタズラされてませんよねぇ……。
瞳孔を開き、血管を浮き出させながら血流を逆流させるかのように必死に答えを待つコウ。
「い、言えないよ……」
「だぁぁぁん!ぎになるぅぅぅ。これは眠れない!おれ眠れなくなっちゃうよ!!」
「それは困るけど……ダメだよ。恥ずかしいもん」
コウは、こんな感じになる柊をもっとずっと見ていたい!と思い、尚且つ柚葉の攻めをイメージし、更に二人とも獣耳メイド姿でのやり取りなのかと……
「あああ……」
己の妄想力の巧みさに力尽き後ろに倒れるコウ。撮影後に二人が仲良くなった理由はそう言うことだったんですかあぁ?
「ダメだ。おれ。何か大切なものを柚葉に奪われた気がしてきた……もう立ち直れない……」
「ええ!桐宮くん!そんなにならなくても大丈夫なのに……んっ、じゃあ……言うね!」
「お、おう」
「……マッサージし合いっこをしただけだよ」
「ど、どどどぉ!どんな!?」
変な終わり方になってしまいすみません。。。笑




