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Neither Nor〜友人にも恋人にもなれない2人の物語〜  作者: 春槻航真
とあるクラスの海色ダイアリー
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竹川和の大願

 最近どうしても考えてしまうことがある。答えが出ない問答に、ふとため息のカウントが増えていく。女子高生とは悩みの権化である。私こと竹川和(ちくかわのどか)とてその例外ではなかった。


 はあ、どうやったら会長と恋仲になれるんだろう


 あのすらっと長い脚とか、どんな化粧水を使っても表現できないであろうピチピチの肌とか、何のトリートメントを使っているのか土下座してご教授いただきたいほど艶やかな髪とか、最っ高に美しい顔とか、全部全部私のものにしたい。


 と、思ったがそれは難しいことは私とてわかっている。百合なんて一部の豚男がブヒブヒ言っているだけで、世間的にはまだまだ傍流もいい所だ。無理やり私と付き合うなんて、そんなの強制させるのは違う。


 そう、あくまで一番見たいのは会長の笑顔。古村乃愛(こむらのあ)のとびっきりの笑顔だ。


 しかし、しかしだ。私は少しだけずるいことを考えていた。もしや彼女が男と結ばれなかったら、万に一つの確率で私を選んでくれるんじゃないか??と。


 うんうん、ありえるありえる。もしもそうなったら御御足をすりすりと頬擦りして乳頭を愛撫して発せられた声を堪能して髪の毛の柔らかい匂いを嗅ぎつつキスをしてそしてそしてぐへへへ……おっと、またよだれが垂れてしまう。


 なので私は考えたのだ。古村乃愛を、男の魔の手から遠ざけるために尽力するのだ。


 しかしながらあんなに魅力的な会長だ。周りには囀るクソ男がたくさん寄ってくる。しかしそのほとんどは払う余地などない。そこは貞操観念がしっかりしている会長、チャラい適当な男は自ら振ってくださるのだ。


 しかし、中には少しずつ距離を詰めようとしてくる真面目なボーイもいるのだ。そういうのは、無論排除、そして排除なのだ。それは全て、私が会長と結ばれるために……


 ここで一つ、最近ワーニングな人物がいることを告げよう。そう、新倉(にいくら)友一だ。


 当初は取るに足らないモブDくらいだと思っていた。しかしよくよく思い返せば会長と2人きりで話している時間が結構ある。しかも彼と話すときの会長は……なんかこう……雰囲気がふんわりとしていた。


 いつものようなクールビューティーとは違う、ほんのり毛布に包まれた家庭的な会長。そんな表情を引き出しているモブ男。


 ほっとけるわけねえよなああああああああおいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!


 しかしながら私とて足先まで鬼ではない。一方的に引き離すのではなく、もっとハッピーに疎遠にさせようと思う。


 その鍵となるのはそう、近藤憐(ちかふじれん)だ。


 多分この場において、ううん、藤が丘高校女子生徒の中で、私が唯一知っている。


 ちかちゃんの気持ちについて。


 少なくとも、誰かに話してなければのことだが、そんな吹聴するような内容でもない。


 つまり、ちかちゃんと友一をくっつけて、私が会長とくっつくのだ。素晴らしい案だろう!?!?そうすれば誰も悲しい気持ちにならない。私も幸せみんな幸せ。そのためにもちかちゃんには頑張ってもらわないと!!!


 こうして、ちかちゃんにも謎アシストが追加されることになったのだった。

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