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4月13日その①

 4月11日、見計らったかのように行きしな一緒に登校する。いやここで話しててもクラスで話さん限り根本的に解決してなくて?と提案。乃愛(のあ)、驚いて目を見開く。彼女は頭いいのか馬鹿なのかわからなくなってしまった。


 休み時間、やはり話しかけようとして失敗する乃愛。健康診断の待ち時間にてニアミスし、乃愛の前の席に座る現田(げんだ)さんと会釈すら交わさずに聴力検査を受ける。その日の夜に、私の名前が古村(こむら)ではなく下村(げむら)だったらよかったなどと供述。俺、困惑。


 昼休み、自ら教室を出る俺。簡単な帰結だ。ご飯を買い忘れたのだ。そして食堂の購買に行くと、前に並んでいるのが遠坂(えんさか)だったため、会釈だけ交わした。無論、一言も話していない。


 お昼後の休み時間、話題は実力テストの結果へと移る。クラス中が盛り上がる中、圧倒的な点数を収める姫路という女子生徒を差し置いて、クラス内推定2位の乃愛に人が集中する。人徳の差を背中で感じつつ、俺はペン回しに興じていた。


 放課後、またもすぐに教室を飛び出す俺。理由は明白だ。終礼が長引いたせいでバイトに間に合わなくなるかもしれなかったからだ。この時だけは、乃愛も認めてくれた。


 4月12日、やはり一緒に行きたいからと家を出て数分経って合流する乃愛。勝手にしろよと思いつつ、そのまま学校まで2人で登校。自転車置き場に上がる直前で遠坂に見つかった。気にしない、気にしたら負けだ。


 休み時間、遂に話しかけることに成功する乃愛。しかしおはよーと言った瞬間に近藤(ちかふじ)から声を掛けられてしまった。それはあまりにもタイミングが良かったが、気にしたら負けだ。


 昼休み、今回はちゃんと激安パンを用意した俺。男子で集まって食べることもなくなりぼっち飯を敢行。不満げな乃愛の視線を感じるも、どこ吹く風で対応。


 休み時間、水泳部のミーティングに呼ばれる乃愛。一方俺は、遅ればせながら2-8専用のLINEに招待してもらえた。まだ、俺はクラスの一員としてはギリギリ認められているらしい。良かった。


 そして放課後は自転車ダッシュ。定期事項である。


 4月13に……


「うがががががが!!なんでこうもうまくいかないのよ!!」


 これは夜の、俺がバイトから帰ってきた後の乃愛の発言である。割愛したが、13日もほぼ同じように日々が流れていった。強いて言うなら、遠坂に2人で学校に来ていることを見られなかったと言う点のみが異なっていた。


「自分の人気を恨め、乃愛」

「友一がやる気ないからだ!」


 そんな愚痴を聞きつつ俺は彼女の作った夕飯を美味しそうに食べていた。

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