閑話休題③
「私、こんなきついこと言ってたっけ?」
「言ってた!!!ガチで言ってた!!!」
「本当にー?真琴ちゃん誇張してないー?」
「誇張するわけないでしょうが!!それに目撃者もいっぱい居たしね!!」
「そうかあー信じられないなあ」
「……私からしたら、今のあんたののほほんとした感じが信じられないっての。いや、何回も言って悪いけど」
「いや、私もそう思う。何回でも言うよ。話に聞いてる乃愛が、まるで別人に思える。学校での、みんなから愛されてる乃愛とは大違い」
「そんなあーちかちゃん言い過ぎだよう」
「だからって照れるな!うざったいから」
「真琴ちゃん厳しいなあ」
「……………」
「ん?どうしたの?ちかちゃん」
「え?」
「今ちょっとぼーっとしてたよね?何考えてたの?」
「いや、乃愛はいつから、今みたいな乃愛になったのかなって」
「…………」
「………たしかに気になる」
「でしょ?塚原さん」
「真琴で良い。同い年なんだし気ぃ使わないで。それより、あんたいつからそんな風になったの?やっぱりあれ?ここに出入りするようになってから?」
「!?!?!?!?」
「うーん、それもあると思うけど、多分年齢を重ねたからってのも大きいと思うよ」
「というと?」
「例えばさ、ちかちゃん」
「え?あ、うん」
「今何考えてたの?」
「……何でもない」
「まあいいか。ちかちゃんだって、小学校の頃に比べたら多少性格とか変わったでしょ?私、ちかちゃんの小学校時代あんまりわかんないけど」
「私の?野球少女だったなあ。毎日毎日男の子に混じって泥んこになってたし、成長が早くてそこらの男子より背も大きかったし、髪も短かったから男みたいって言われてたかな?」
「へぇーそうなんだ」
「真琴ちゃん、これでも私野球部マネだからね」
「いや、今の雰囲気はなんか、子供の頃からギターとか弾いてそうな感じだったから」
「それ、髪の毛の色だけ見て言ってない?」
「そうかも笑」
「ま、そういうことだよちかちゃん。女の子って中学生を過ぎたら結構おとなしくなって、言い方はあんまり良くないけど女の子らしくなっていくじゃん。私もそんな感じで、徐々に今みたいになっていったのよ」
「じゃあさ、聞きたいんだけどさ……」
「ん?」
「そんなちょっとわがままなお嬢様がさ、どうしてこんなところで暮らしているの?」
「……………」
「乃愛、あの話」
「!?!?」
「もう少ししたら教えてあげな」
「…………わかった」




