24話 新装備
これらがとんでもないのは、すごい素材を使っているからでも、品質が伝説級だからでもない。ここからだ。
槍が、
特性:・素材吸収 取り込んだ素材(物理的体積1000cm3以内)の魔力量✕10、込められる魔力容量が増幅する。(素材は随時変更可能)
・絶対存在 阿呆みたいに硬い。仮に壊れても指を鳴らせば完璧に直った状態で手元に現れる。
・変身:腕輪 腕輪に変身する。魔力を込めれば槍に戻り、込めるのを止めれば変身する。
・知性 知性を持ち、思考する。
・念話 《念話》が可能。
この5つ。
特性というのは魔法武具が稀に持つ能力のようなものだ。例えば前にも話したが、母上の刀は魔力喰い。本田君の剣の特性はそれぞれ光魔力と闇魔力である。
普通は1つでもあれば十分業物である。
魔力容量というのは、単純な魔力を込められる量のことである。武器に魔力を込めれば込めるほど硬く、鋭く、魔術の威力も上がるのは基本だが、無限に魔力を込められる訳ではない。一定以上の魔力量を込めると武器は壊れる。これはそれを増幅させるというものだ。よって例えばこの槍に真龍の爪でも入れようものなら、込められる魔力は計り知れない。
そして絶対存在。見たまんま。イカれてる。もしこれがゲームで、これ持ってるプレイヤーがいたら即運営に通報する。それくらいチート。
そしてすね当てが、
特性:・神速 足の筋肉に常時強化魔法(神位)
・時空歩法 壁や天井、込める魔力の質によっては空中や次元の狭間、時間の隙間すら走ることができる。
・神堅 常時硬化魔法(神位)
・知性 知性を持ち、思考する。
・念話 《念話》が可能。
この5つ。
まあまあヤバい。時空歩法に関しては意味不明。
魔力の質というのは魔力の密度のことだ。魔力は、魔力容量には限界があっても密度には理論上限界はない。
そして魔力の密度が上がれば魔力量が増えるのと同義。ホムラ隊長とかの天割の威力の秘密は、彼女が魔力密度を上げるのが天才だということだ。
神速は普通に良い。単純に足が速くなる。常時っていうのがイカれてるな。
神堅はまあ絶対存在ほどではないにしろ、かなりの高性能。バジリスクさん何てもん作ってんすか。
「これヤバイよ。」
「例の魔眼ですか。どんなものなんですか?」
見たままを話す。
「い、今のボス、そんなにヤバかったんですか?」
「まあ、切り札があまりにもチートだからね。上位龍召喚がなきゃ負けてたろうし。まあ相性良かったっていうのもあったけど。」
「まあではありがたくもらっておきますか。」
装備する。軽っ。
「…じゃあ、進もうか。」
いつの間にかポータルが現れている。赤い。ん?なんか天井に黒いポータルがある。
「あれ、なんだろう。」
「え、どれですか?」
見えてない?何でだろう。めちゃくちゃ嫌な予感するけど、行ってみたい。ていうかあれ、未完成だ。
えーここをこうして、あれここ、何年前の理論使ってるんだ?これじゃ繋がらないでしょ。
こっちのこれをこうして…あ、これ時間かかるな。
「持って帰ろう。《巨大収納》」
天井の岩ごと持って帰る。他にも宝石をいくつか貰っとこ。
「じゃあ行こうか。」
「?はい。」
◆◇◆◇
でた先は1789階層だった。即転移。転移する直前、なんか大量の手が私の首を締めようとしてた。
地上。何だったんださっきの手は。罠?だとしたらあそこ攻略出来るの?
「びっくりしたあ。なんですかさっきの手。」
「RPGやってたのが突然ホラーゲームになっただけだよ。」
「なんですかそれ。」
「あとでやらせてあげる。」
「結局嵐玉取れなかったのでもう一回入って良いですか?」
「ああ、代わりにこれでも良いと思うけど。」
取り出したのは部屋から貰ってきた宝石。神風石といい、この大きさなら売れば2億Gはくだらないだろう。
「うわ。あの部屋から盗ってきたんですか。あんまり売るの控えてくださいね。市場が混乱しかねないんで。」
「売らないよ。自分用。」
「それはそれで贅沢ですけどね。じゃあ、《武具生成:篭手》。」
この魔法は文字通り、武具を生成する魔法。生まれながらの才能がないと使えない。私は無理。
ちなみにリアはそういう才能がないと使えない魔法はほぼ全て使える。天才にもほどがある。
ちなみにこれは魔力密度や本人の技量、あとは運で左右される。
「出来ました。」
うわかっこよ。見た目は本人の想像如何だから、リアは芸術のセンスもいいようだ。
「それにしてもこれだけの業物に名前無しはあれだなあ。君はどんなのが良いと思う?」
「…」
「なんで念話しないんでしょうね。」
「できるはずなんだけどなあ。」
もうちょい深くまで解析眼かけてみよ。やりすぎると頭痛くなるけど。
硬度:4000…もっと深く………制作日…………状態……………………好物…………………………趣味……………………………魔力伝導率…………………………性格、これだ
性格:人見知り
………なるほど。




