表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/31

23話 ボス戦

 目の前には長い廊下。天井はかなり高く、一定間隔毎にランプが壁にぶら下がっているが、それ以外の照明はなく、窓もないのでかなり暗い。

 後ろは石レンガの壁。いやこれ石レンガじゃなくて灰色の吸魔結晶石だわ。このレンガ一個で王都郊外に家が建つ。

 床は大理石のブロックの上に赤い絨毯が敷かれている。この感触は恐らく何かの鉱石を繊維化して編まれてる。こんなに赤い鉱石と言えば…まさか日緋色金?いやいやまさか。だとしたらこの絨毯一つで国家予算並みの……うわあ。よく見たらこのランプ、全部聖晶石だ。


【隠しボス:ヴァン 階層:不明】


 声が響く。ヴァン?隠しボス?


「し、師匠、隠しボスですって!都市伝説じゃなかったんですね!」


「とりあえず転移効かないし、行くしか無いか。」


 進むと段々と魔力が濃くなっていく。嫌な予感しかしない。


 出たのは広い大広間。美しい宝石に彩られているが、下品ではなく美しい、天井には上品なシャンデリア。

 その奥に玉座。座っているのは蒼の美しい服を着た、スケルトン。


「来たか。」


 スケルトンが喋る。どうでもいいけどめちゃくちゃイケボ。


「来たのは貴様等で3人目と4人目。少しは暇つぶしになるんだろうな。」


 スケルトンの手元にレイピアが現れる。


 解析しよ。


 名前:ヴァン

 種族:後悔と怨念の骸骨戦王リッチウォーキング

 職業:ダンジョンボス・隠

 年齢:5687

 魔力残量:100%

 魔力総量:∞

 魔法属性:〈氷〉

 状態:〈絶望〉〈後悔〉〈怨念〉

 加護:〈真龍の加護LV4〉

 称号:〈復讐者〉〈宝石の王〉〈過去に囚われた者〉

 備考:切り札〈絶零〉 範囲内の生物を強制停止(30秒)。代償に30秒後意識を100年程失う。


 何だこりゃ。魔力∞ってどういうこと?


「参る。」


 次の瞬間、レイピアが吸い込まれるように心臓を正確に突こうとする。

 ギリギリで槍で受ける。


「はっや。」


「受けるか。面白い。」


「《龍啼》!」


 リルの方から龍の咆哮。同時にスケルトンの頭が粉砕される。

 即再生。


「ふむ。良い。良いぞ。」


「なんだコイツ。ドMか?《戦天ヲ駆ル死神》《禍ツ戦脚》」


 超速に超速を重ねた最高速度。これ以上は足が持たない。


「性癖の話はしておらん。不敬だ。頭が高い。《月面温度・氷柱舞》」


 広間が氷に閉ざされ、大量の氷柱が舞う。

 それに邪魔され鎌は届かず。


「《魔壊》」


 リルの声で氷が崩れていく。


「実力としては黒髪の方が上だが、緑髪は我と相性が悪い。どうするか。」


「《龍骨剣「破刑・壊剣」》」


 リルの両手にに黒い剣。さっきまで持っていた槍を変形したようだ。


「師匠、行きます。」


「OK」


 同時に前衛と後衛を交代。


「暴嵐双剣術・改、破龍ノ旋風。」


 広範囲に嵐のような乱れ斬撃。全てに破壊、龍属性が乗っている。


「《永久白夜之極宙天・帝突連》」


 斬撃を全て突きで打ち消し、同時に氷の剣が大量に出現。不規則に舞う。


「《殲之腕》」


 私の影から大量の腕。氷の剣を掴むと、剣が朽ちていく。


「なっ!?」


「師匠!今です!!お願いします!」



 龍属性の最大の特徴は、他の属性との混じりやすさである。

 炎と混じれば炎龍が、雷と混じれば雷龍が召喚できる。


 なら、固有属性と混じれば?


 その疑問から研究し、作り出したのが、リルが一緒にいる時限定の切り札。



「「《《限定召喚:死滅龍・アギト》》」」


 空中の巨大な魔法陣から眼が四つの黒い龍の頭が出現。


『やれやれ。対価はこの前貰ったしふぉんけーきとやらだ。最低30個。』


「お願いしまぁす!!」


『龍固有魔法、地獄息吹ヘルブレス!!』


「負けるかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!《絶れ……!!」


「《魔法妨害マジックキャンセル》!!」


 あっぶなあ。いま絶零使おうとした!!持っててよかった鑑定眼。


「なっ!?何故切り札がバレている!?」


 黒い閃光がスケルトンに直撃。

 周りの宝石が砕け、美しい欠片が辺りを舞う


 数秒後、閃光が止む。


『ほう。我のブレスを気合で耐えきるとは。まあ我は報酬分の働きはしたぞ。』


 龍の頭が消え、黒焦げになったスケルトンが姿を表す。


「まだだ……まだ我輩は……奴を殺せて……」


「止め。《永久凍土》」


 第三者が私を超える魔力で解かない限り永遠に溶けない氷で氷漬けにし、穴を掘って地中に埋める。

 なんか核が見つからないから多分コイツ無限に再生するんじゃないかと思う。

 あるいはこの宝石の中のどれか一つが核だったり。まあこうすれば流石に復活できないだろう。


「なんか訳ありっぽかったですね。」


「まあ私達には関係ないよ。」


 直後、宝箱が出現。なんか書いてる。


【報酬:武具 ヴァンを倒すなんてすごいなあ。そんな君にとびきりの報酬をあげよう!なんとなんと武器をあげちゃうよ〜。何がいい?なるほど君が使うのは槍かぁ!良いよね槍。じゃあこれにしよう!開けてご覧。きっと驚くから。あ、そっちの君は……剣か槍、いや弓もイケる。すごいね。うーんじゃあ間をとって鎧?いやスピードタイプっぽいからすね当てとかのがいいかな?よし。OK。今度こそあけていーよ!】


 何だこれ。私何にも話してないのにどんどん文字が現れていく。ていうかこれ真龍の意思だよね。こんな性格なの?


 開けてみよ。


 在ったのは青い槍と青いすね当て。念のため鑑定眼で見てみよ。


 名前:未定

 種類:槍

 制作者:石真龍バジリスク

 素材:石真龍の牙、神魔結晶、真氷岩石、災厄魔龍破戦天門番ドラグライドエルダーゲートガーディアン岩将軍ゴーレムヒーローの生え変わり前の角、etc…

 品質:伝説級


 名前:未定

 種類:すね当て

 制作者:石真龍バジリスク

 素材:石真龍の鱗、神聖結晶、壊魔岩石、巨竜巻戦岩兵テンペストエルダーゴーレムの小指、etc…

 品質:伝説級


 ……とんでもな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ