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20話 パトロール

 それにしても彼女、強かったな〜♪

 訓練メニューもキツめのはずなのに普通にこなすし、黒髪蒼目の結構かわいい美少女だ。私ほどじゃないけど。

 かなり深く人間に偽装してるけど、ほんのり悪魔の香りがするんだよね。もしほんとに悪魔なら契約したいな。

 あの目も何かあるっぽいし、切り札もあれだけじゃ無さそうだし。


 ん?誰か見てる?ああ陛下か。あの人いつも監視してるのかな?だとしたら相当やばいな。

 何をしてるかって?パトロール中さ。訓練時間外は基本暇だからね。

 サインか。今日はこれで37枚目。まだ午前中なのに。人気者は大変だね。

 美少女と二人でぶらつくのもいいねえ。癒やしだ。こないだの氾濫は出張中で参戦できなかったし、こういうイベントが無いと暇で暇でしょうがない。平和すぎて。

 事件もフウリ先輩のおかげ(せい)で何も起こらないし、王都周辺には魔物もあんまでないし、出ても狩り過ぎたら冒険者の仕事を奪うことになるし。

 サボってライくんといちゃついて来ようかな。いやこの娘見てるのも癒やされるしいっか。


「ねえエリリアちゃん。」


「あ、エリで良いですよ。」


「じゃあエリちゃん。なんか面白いことして♪」


「え?」


 我ながらウザい上司の絡み過ぎるけど、悩んでるエリちゃんも可愛いから良し!


「じゃあ、《召喚:クロスケ》」


「にゃ!」


「え、神。」


「え?」


 出てきたのは多分黒猫又の召喚獣。かわいい。美少女と黒猫のコントラストとか神。

 ていうかこの子強くね?この子上位だな。上位精霊獣?まさか精霊姫獣じゃないよね。


「黒猫又だね。その子はどこで?」


「ああこの子は昔家の近くで怪我してたのを保護して……」


「王城の近くにその子を怪我させれる奴なんて居る?騎士団は精霊に攻撃する理由は無いし……」


「いえそっちじゃなくて【暗黒】の…………あ。」


「ん?」


「いえ何でもないです。忘れてください。」


 なるほどなるほど。まああの両親的に実の子じゃないこと周知の事実だけど、暗黒出身だったか。

 だとしたら悪魔である可能性が高まったな。まあ深く詮索はしないけど。


「かわいいねその子。クロスケって言うの?」


「はい。親友です。」


「ふふーんにゃ!」


 いちいちかわいいな。ていうか喋れるんだ。語尾「にゃ」なんだ。かわよ。


「そういえば何でエリちゃんは騎士に?」


「それはまあ、面白そうだからですね。」


「どういうこと?」


「だって、戦闘以外娯楽なんて相当無いじゃないですか。まあ単純に憧れっていうのもありましたけど、強い人と戦うにはまず自分が強くならないと。」


「ははは。面白いね。戦闘は普通娯楽とは言わないと思うんだけど。」


「じゃあ他に娯楽ってなんですか?」


「読書とか……恋とか……チェスとか……うーん確かにあんまり思いつかないかも。」


「読書に関しては私は必要ないというか……物語は読みますけど、魔術理論についてはほとんど理解してますし、医学や数学などに関しては私の右に出る者は居ませんし。」


「へ〜。659431×4598223÷3=?」


「1010736930371」


「速。正解は……《並列思考》《高速演算》………合ってるね。」


「(まあ私は上位悪魔だから結構人間より頭いいけどそれでもかなり)頭いいほうですから。」


「これは頭いいで済ませていい問題じゃない気がするけど……まあいいか。」


「あと恋バナは昔から無縁ですね。同年代だと(前世合わせたら)かなり年下に思えるし、そもそも男性とあまり接しませんし。あと父上が自分より強くないと認めないとか言ってるんで。」


「そんなのライくんか創造神、あとは傲慢のルシファーとかぐらいじゃない?頑張れば私もイケるかも♪」


「やですよそんな錚々たるメンバー。」


「四大神も勝てる可能性はあるね。まあ神様達はあんまり人を愛することは無いけど。」


「あとチェスは(前世も合わせて)人生で負けたことありません。王国参謀長にも勝ちましたよ。」


「頭脳も化け物だねえ。逆にできないことって何?」


「うーん……料理は苦手ですけど、あとは空気を読むこととか、我慢することが苦手かもしれませんね。」


「ふーん。あ、そういえば来月、大会があるの知ってる?」


「大会ですか?ああ。あの騎士王決定戦。いっつも団長が優勝じゃないですか。」


「それはそうだけど、その前に新人戦があるから。エリちゃんが出れるのはそっちだよ。」


「新人戦?なんですかそれ。」


「文字通り新人のみの勝ち抜きトーナメント。普通はこの戦いを見て隊に新人をスカウトするものだけど今期は中々に逸材揃いだったから。入団即入隊が3人もいるなんて初めてだよ。」


「私と本田とリルですね。」


「リルちゃんってエリちゃんが育てたんでしょ?しかもあの娘〈龍〉〈破壊〉とか激レアじゃん。まあフウリ先輩の隊に行っちゃったけど。」


「あの子より順位上の人もいた気がするんですが。」


「筆記が微妙だったからね。まあ極論馬鹿でも強けりゃいい。命令違反とかするなら別だけど。君は天才で強いっていう完璧物件だったから倍率高かったんだよね。」


「褒めても何も出ませんよ。」


「ははは。エリちゃんも出場したら?案外楽しいかもよ。」


「まあ、良いですけど。暇ですし。」


 ◆◇◆◇


 今日は休暇。前までは魔物の大量発生とかで忙しかったのに氾濫後はピタリと止み、前までの騎士団の忙しさは全く無い。何しよっかな。


「師匠〜!」


「あ、リル。どうしたの?」


「ダンジョン行きませんか?」


「ダンジョン?」

ブックマークが増えてる。うれし。

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