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百合ハーレムの作り方  作者: 乃麻カヲル
第3部一章「百合葉たちの繰り返す春」
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第34話「仄香とカンニング」

「いぇーいっ! 71点!」



「アタシは……74……。もっと上を目指したかったケド、悪くナイ……」



「いつもの赤点スレスレから大成長だねっ。おめでとう!」



 これはとあるテストが返却されたあとの放課後。僕がみっちり勉強を教えた結果、仄香と譲羽が世界史で良い点を取ったのだった。



「くっ、私は75点だった……」



 蘭子は眠かったのか、いつも馬鹿にしてる仄香とは接戦状態に。蘭子は超効率主義だから、めんどくさい時は手を抜くのだ。その結果がまさかの70点代で、いつも馬鹿にしてる仄香がすぐ下の点数で動揺が見てとれる。いつもは八割越えだもんね。



「へぇーんっ! さんざんアタシを馬鹿にしてくれちゃったりしたけどぉー? 蘭たんとは4点差ですよぉー? アホなあたしと? 4点しか差がない? これ実質、蘭たんもアホの仲間入りかなぁー?」



 と、これ見よがしに仄香が蘭子を煽る。それを見て蘭子は怪訝な面持ちで鼻を鳴らす。自分はアホ扱いで良いんだね……。



「しかし、仄香が突然高得点……? 妙だな……」



「か、カンニングしてないしっ!」



「自分で言っちゃあ駄目でしょ」



 と、不正行為を疑う蘭子。というか仄香は自分で言っちゃってるけど。いや、カンニングしてないと思うけど。



 今回は僕が数日に渡って綿密に教えた範囲がしっかり出たのだ。しっかり教えて、忘れた頃に復習の繰り返し。だから、僕と彼女たちの頑張りの結果だと、胸を張りたい。教える側としても、努力が実るのは嬉しいものだ。



「フフッ……。アタシは……百合葉ちゃんとマナの共有を行ったから、百合葉ちゃんの思考が読み取れて、実質カンニング状態だった……。あの時の情景が、目に浮カブ……」



「ユズ? 妙な言い方しないでね?」



「百合葉……ヤったのか! 私以外の女と!」



「してないしてない! マナの共有ってか教えただけ! 知識の共有!」



「保健の授業を~?」



「ちがぁ~うっ! 世界史だってば!」



 蘭子と咲姫に疑われる始末。でもあるあるだよね。勉強と称して部屋に籠もってガチ百合する展開は。えっ? 百合漫画だけ? またまた~。



 この子たちは、お互いをそれほど敵とは認識してない割に、僕が他の子とイチャイチャしてると不機嫌になる節がある。あれ? それってハーレムじゃなくない? やはりこのメンバーの敵は僕一人だった?



 まあクソレズなので、みんなの幸せを僕が縛り付けてるという意味では間違ってない。その、せめてもの埋め合わせで僕はみんなを楽しませたいし、困ってる時には全力で助けてあげたいと思う。さて、次はどの教科を教える事になるかなぁ~。



「それならぁ~。今度はわたしが赤点取っちゃおうかなぁ~。保健体育のぉ~」



 はい駄目でした。



「えっ? 咲姫いつも満点でしょ……」



「咲姫ちゃん……保健満点ナノ……? エッッッ……」



「いやいや、咲姫は他の教科も満点取るからね……?」



「ふん。ドスケベ姫め」



「いやいや、蘭子も保健は満点じゃん」



 続けざまに咲姫をフォローしてしまう。なんなら僕は毎回どれかの問題を逃すくらいだ。知識だけで入れてるのと実践的な意味で覚えるのとは訳が違うなぁ。ま、僕は実践が伴ってないからね。実践が伴ってないからね。



「百合葉も保健はだいたい9割越えだから、実質ドスケベ百合葉だよな。仄香より上だろう?」



「確かに! あたしは赤点よりちょい上くらいだもん! ドスケベじゃん!」



「ドスケベ言うなっ! 勉強は真面目だと言ってもらいたいね。仄香はテスト中に寝るから悪いんでしょ」



「保健体育! つまりは健康を勝ち取るのが目的なので! 眠いときには寝るのです!」



「なんたる屁理屈! ってか他のテストでも寝てるじゃん!」



「えへへぇー」



「褒めてないよ?」



 と、相変わらず自由奔放な仄香ちゃんなのであった。



「点数悪い子は放っておいてぇ~。ドスケベ同士ぃ~。二人で保健の授業を教えあいましょうねぇ~」



「はっ? 咲姫、二人きりにさせんが? 私も混ざるが?」



「3Pにすなっ! いや2Pでも駄目だが!」



「じゃあ4Pだね! もうこれ実質百合ゲーなんじゃねっ!?」



「四人プレイの百合ゲーってなんだ! 4……って、誰かハブられてない?」



「えっ? ゆーちゃんハブり?」



「意味がないっ!」



「イヤ違ウ……。総受けの百合葉ちゃんをCPとして、アタシたちプレイヤー4人が好き勝手できるとすれば、実質4Pにナル……ッ」



「ほう。譲羽は天才か? さすが百合ソムリエ」



「エッヘン」



「僕の立場はーッ!?」



 なるほど。コンピューター扱いのキャラなら、僕に拒否権など無かったのだ。それ僕にとって百合なのか?



 僕のためのハーレムのはずが、いつの間にか四人が仲良さそうにしてる。まあ、ハブられるのは心苦しいけど、そういうハーレムの中心者以外同士の百合も好きだなぁと思う、クソレズ百合厨なのであった。

どうしても自給自足の百合が接種したくて、前に残してあったメモから広げていきました。



篭もると籠もる。どっちが合ってるんだろうと思って調べれば、どちらも竜が元になってるから、漢字自体は両方とも良いみたいですね。

ただ、ATOK君では一発変換出来ないのですが、『籠る』が正しい表記みたい。ただ、この漢字だけだと『籠って』になって少し読みにくいし、平仮名の連続も可読性が悪くなるというこだわりがあるので、『籠もる』の表記にしました。

あと、綿密じゃなくて念密の方がしっくりくると思います。よく間違える。



タイトルの通り、定番のカンニングイジり回を書こうとしたら、勢い余って保健の話に……。カヲルさんまーた下ネタに走るー。

しかし、私の高校生の時の世界史も保健体育も赤点だらけなのであった……。これ実質仄香ちゃんなんじゃね?



追伸 ヤったのかと蘭子ちゃんに言われて、(勉強の時には)ヤってないと言い切る百合葉ちゃん。無意識で書きましたが、流石は百合葉ちゃんって感じですよね。

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