第31話「曇らせキャラ?」
それは僕の部屋でアニメを見ていた時の、譲羽のオタク話であった。
「曇らせキャラ、百合葉チャン……似合いそう、だなぁッテ」
「雲らせキャラ……?」
「アニメでちょくちょく、ブームが来るノ。明るく振る舞うキャラのその裏では、みんなを騙す事に葛藤しているキャラとか……そんな感ジ」
「そ、そっか。まあ、そういうキャラも居るね」
ちょっと嫌な予感がしてきたぞ?
「百合葉チャンって、アタシが自殺未遂してもまだ百合ハーレムとか続けちゃう非道系主人公じゃナイ?」
「うっ……。ってかその話、自分で言っちゃう?」
「そして、アタシの依存先でもアル」
「よ、よく分かってるね……」
「ソウ。だから、その罪を背負いつつ、『女の子たちを騙し続けるボク……ッ』って葛藤して欲シイ」
「どんな展開だっ!」
いや分かるけどさ。厨二心そそる展開かもしれないけどさ。オタク的に分かるけどさっ!
「そして、明るくキザに振る舞う裏では不眠症に悩まされて、その手首にはリストカットの痕が……ッ!」
「病んでる! 僕病んでるなそれっ! でもそういうキャラ居るよねっ!」
そしてすごく理解した! 確かに僕のやって来た事にピッタリだ!
「やや……。勘違いしないデネ……。百合葉チャンにリスカして欲しいわけじゃないし、病んで欲しいわけでもナイ」
「あ、ああそう。安心したよ……」
「メンヘラの依存先がメンヘラだと、大変な事になるという通説もアル……」
「自分でメンヘラ言っちゃうのね……」
その辺も、自分で分かってるようでなんだか安心した。いや、安心してる場合ではないけど。
「とにかく、百合葉チャンがそういいキャラ展開になったらオタク的には嬉しいんだケド、なったら大変だから、このまま強いアナタで居テ……?」
「ま、まあ強くはないけど……。病まないようには頑張るよ」
「そういうネ。オタクの思い付き話なのでアッタ」
「そっかぁ。僕が病むのはともかく、ユズの妄想を聞けて何よりだよ」
と、横に座る彼女の頭を撫でる。オタク同士、何かと話の通じる僕らなのであった。
寝れないので書きました。前回に引き続き深夜の思い付きです。
曇らせキャラというのにちょっとハマってまして。最近のブームは2020年秋辺りだったようですが、そんな曇らせ黄金期に大してアニメを見切れて無かったのが悔やまれます……。いや、重いじゃんアレ……。
気になった方は調べてみてください。
病んでる女の子は大好きなので、百合葉ちゃんを曇らせると楽しそうではあるけれど大変だろうなって。やるとしても、短編集で完全別ルートとして書くくらいキッパリ分けて。
自殺未遂からの日常回って変な流れではあるので、どうにか修正したい所ではあるのですが、
展開的にはなかなか切りたくない……。短編集扱いで明るい世界に繋がる違和感。っていう感じでダラダラ続けてます。




