表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JK無双 終わる世界の救い方   作者: 蒼蟲夕也
フェイズ2「デスゲームはじめました」
88/433

その87 ”強奪”会議

 本当言うと、すぐに”雅ヶ丘高校”へ帰るつもりだったのですが、


「せっかくなので、みんなでスキルの情報を共有しませんか?」


 という綴里さんの申し出により、その日は航空公園に泊まることに。


 綺麗に清掃されたトレーラーハウスの一室。

 紅茶とお菓子が並んだテーブルを、私と彩葉ちゃん、そして綴里さんの三人が取り囲みます。

 すると綴里さんが、野郎とは思えない可愛らしい字で、私達全員のスキルをノートに書き写していきました。



”流浪の戦士”

レベル:32(スキルはあと5つまで取得可能)

○基本スキル

《剣技(上級)》《パーフェクトメンテナンス》

《自然治癒(強)》《皮膚強化》《骨強化》

《飢餓耐性(強)》

《スキル鑑定》

○魔法系スキル

《火系魔法Ⅰ~Ⅲ》

○ジョブ系スキル

《防御力Ⅴ》《鋼鉄の服》《イージスの盾》

《魔法抵抗Ⅱ》

○共有スキル

《縮地Ⅰ》→”格闘家”

《隷属》《奴隷使役Ⅲ》→”奴隷使い”


”正義の格闘家”

レベル:26

○基本スキル

《格闘技術(上級)》《必殺技Ⅰ~Ⅳ》

《自然治癒(強)》《皮膚強化》《骨強化》

《飢餓耐性(強)》

○魔法系スキル

《火系魔法Ⅰ~Ⅲ》《雷系魔法Ⅰ~Ⅳ》

○ジョブ系スキル

《縮地Ⅱ》《鉄拳》

《怪力Ⅰ》《心眼》

○共有スキル

《防御力Ⅰ》→”戦士”


”邪悪な奴隷使い”

レベル:25(スキルはあと2つまで取得可能)

○基本スキル

《格闘技術(初級)》

《自然治癒(強)》《皮膚強化》《骨強化》

《飢餓耐性(強)》

○魔法スキル

《火系魔法Ⅰ~Ⅱ》《水系魔法Ⅰ》《雷系魔法Ⅰ~Ⅲ》

《治癒魔法Ⅰ~Ⅳ》

○ジョブスキル

《性技(初級)》

備考:《隷属》《奴隷使役Ⅲ》は”戦士”さんに貸出中☆



「……っていうか彩葉ちゃん、いつの間に《火系魔法》なんて取ったんです?」

「ああ、それ? 前にねーちゃんが使ってるの見て、カッコ良かったから」


 彩葉ちゃんって、レベルが上がるとすぐに新たなスキルを取るんですね。

 私はつい溜め込んじゃうタイプなので、このへん、けっこう性格が出ます。


「ちなみに、お年玉は毎年どう使ってます?」

「もちろん、もらった日に使い切るぞ!」


 ですよねー。


「逆に“戦士”さんは慎重でいらっしゃる。五つも残すとは」

「選択肢は常に多く持っていたいのです」


 以前に比べて、自身の戦闘力に大きな不満がない、というのもあります。


「それに私、ラストエリクサーとか最後まで使えない勢ですから」


 ま、彩葉ちゃんを見習って、今後は積極的にスキルを取得していってもいいかもしれませんな。


「では、――本題をば」


 そこで綴里さんが、仕切りなおすように軽く手を打ち合わせました。


「ご相談したいのは、“精霊使い”のスキルの件です」

「ああ……」


 確か、三つまでスキルを”強奪”できるという話でしたよね。


――では、“残酷な精霊使い”から“強奪”するスキルを選択して下さい。

――現状、あなたが取得できるスキルは、以下のものになります。

――1、《狂気(弱)》

――2、《火系魔法Ⅳ》

――3、《治癒魔法Ⅰ》

――4、《精霊使役Ⅰ》

――5、《精霊の気配Ⅰ》


 ふむふむ。


「ええと、とりあえず、《狂気》、《精霊使役》、《精霊の気配》の効果を順番に」


――《狂気(弱)》は、取得により、周囲の魔力を吸収し、自身の攻撃力、防御力に変換することが可能になります。その反面、知能が低下します。

――《精霊使役Ⅰ》は、取得により、《フェアリー》を代表とする低レベルの精霊を使役することが可能になります。

――《精霊の気配Ⅰ》は、取得により、1体までの精霊の気配を曖昧にすることが可能になります。ただしこの効果の強弱は、精霊により異なります。


「へぇー……」


 っていうか、


「……“精霊使い”の人、この《狂気》ってスキル、よく取る気になりましたねー」


 確かに強力なのはわかりますが、デメリットが大きすぎます。

 「知能が低下」って、……いくらなんでも、怖くありません?

 それだけ切羽詰まるような出来事があったということでしょうか。


「でも、チートなんだよな? なんかもったいねーなー」

「じゃ、彩葉ちゃんが取ります?」

「……うーん。やっぱヤだ。のーさんきゅー」


 ですよねー。


 それから、数十分。

 私たちは、幾度か検証と話し合いの末、


・下位互換のスキルを持っていない場合、そのスキルにおける最も低レベルのスキルから取得していくことになる(要するに、メラをすっ飛ばしてメラゾーマから取得するのは無理ってこと)

・一度”強奪”したスキルは、他の”プレイヤー”も同時に取得することができない(例えば、私と彩葉ちゃんが同時に《治癒魔法Ⅰ》を”強奪”することはできない)


 というルールを理解します。

 その上で、


私:《精霊使役Ⅰ》《精霊の気配Ⅰ》(そこから派生した)《フェアリー》

彩葉ちゃん:《治癒魔法Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ》

綴里さん:《治癒魔法Ⅴ》《火系魔法Ⅳ・Ⅴ》


 こんな感じに、それぞれ取得するスキルを決定。


「なんか、いい具合に振り分けできましたね」


 と、綴里さん。

 確かに、話し合いはスムーズに進みました。

 ジャンケンで争うこともなく、それぞれが納得の上でスキルを手に入れた感じです。


――では、スキル効果を反映します。


 ……ふむ。

 ようし。

 ええと……、


「こんにちは、妖精さーん?」


 空に向かって話しかけます。

 返答なし。


「おーい、いたら返事して下さいよぉー。よぉーせぇーさぁーん」


 返答なし。

 うーん、よくわかりませんけど、《フェアリー》を呼び出すには何か条件があるのかも知れません。


「おーい、おーい……フェアリーさん? かもんフェアリー! へい!」


 それでもやはり、返答はありませんでした。


「ねーちゃん、しょうじき、ちょっとばかみたいだぞ」


 彩葉ちゃんにまで、そう言われる始末。


「……むう」


 まあ、いいでしょう。

 そのうち応えてくれると信じて。


「では次に、実績”神域へ到る一歩”の件を……あ、その前に、彩葉ちゃんはこの実績解除してます?」

「うん」

「ってことはやっぱり、『他の“プレイヤー”を殺害すること』が条件だったんですかね」

「そーだろーな。たぶん」


 すると紫髪の少年は、物憂げに腕を組みました。


「……つまるところ、”プレイヤー”を殺し続けることで、私たちは”神域”とやらへ到達できるということでしょうか?」

「わかりません。ただ、あまり真に受けるのも危険な気がします。実績に付けられている名前は……少し冗談めいているというか、シニカルに過ぎる側面がありますから」

「たしかに」「だなー」


 この意見には、綴里さん彩葉ちゃん両名からのご賛同を頂きます。


「とりあえず、報酬を確認しましょう」


――実績”神域へ到る一歩”の報酬を選んで下さい。

――1、“蟲撃(バグ・ショット)

――2、“無敵バッヂ”

――3、“試作型複製機”


「……ふむ」


 よくわかりませんけど、今回もまた『ドラえもん』の道具っぽい感じ?


――“蟲撃”は、弾丸が自動的に補充される、非致死性の拳銃です。

――“無敵バッヂ”は、あらゆる攻撃から装着者を一度だけ守ってくれるバッヂです。

――“試作型複製機”は、実績によって取得できるアイテムを無限に複製することが可能になる機械です。ただし試作型なので、レアリティの高い一部のアイテムは複製できません。また、複製にかかる時間は、アイテム毎に異なります。


 私たちは眼を見合わせます。

 みんなで示し合わせた甲斐があるというものですね。


「私は”蟲撃”を」

「あーし、”無敵バッヂ”にする」

「そしてそれを”試作型複製機”で増やせるか、試してみましょう」


――では、アイテムを支給します。


 すると、私たちの眼の前に、それぞれアイテムが出現しました。


 私の目の前にあるのは、“蟲撃”という、銃……の、ようなもの。

 子供が絵に描くような、玩具のレーザー銃、といった感じのデザインをしていて、口径が妙に広く、少なくとも3センチはあります。


 彩葉ちゃんの前に出現したのは、ピンク色をした、十円玉大のバッヂ。

 バッヂには”無敵”という文字が刻印されています。


 そして、綴里さんの手元に現れたのは、旧式のタイプライターめいたもの。

 上部に台座が備え付けられており、そこにアイテムを載せることで複製できるようでした。


「ふむ……じゃ、”無敵バッヂ”というのを増やしてみましょうか」


 彩葉ちゃんに目配せして、早速それを載せてみます。

 すると……


――かしゃかしゃかしゃ、ちーん!


 という、意味があるんだかないんだかよくわからない音が響いて、“試作型複製機”にタイマーが表示されました。


「十五日と六時間……ですか」


 およそ半月。

 この結果にはちょっとガッカリです。

 まあ、そんなにポンポン増やせるもんじゃないと、ある程度は予想していましたが。


「強力なアイテムほど、複製に時間がかかるんでしょうね。……どう致しましょう?」

「とりあえず、このまま”無敵バッヂ”を増やす方向で」


 どうやらこれ、消耗品みたいですし。

 いずれ、切り札として使えるかも知れません。


「あ、それとこれ、預けときます」


 私は”蟲撃”を綴里さんに差し出します。


「えっ。よろしいのでしょうか」

「ここのコミュニティには武器が足りません。早苗さんたちが使う競技用の弓矢だけでは、ここを守り切れないでしょう?」

「助かります」


 すると綴里さんは、深々と頭を下げました。


「大学の件も含めて、――このご恩はいずれ、必ず」


 別に、見返りを求めてしたことじゃないですけど。


 でもま、なるべく期待せず、それでもちょっとだけ期待しておくことにしますかね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ