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JK無双 終わる世界の救い方   作者: 蒼蟲夕也
フェイズ2「デスゲームはじめました」
67/433

その66 れーぞくスキル

 アマミヤくんが取り出したのは、一冊のノート。


「こんなこともあろうかと、事前に《隷属》のルールをまとめておいたものです。ご参照ください」


 ノートは、野郎が書いたにしてはずいぶん可愛らしい文字で「れーぞくスキル まとめMEMO」と題されていました。


「どれどれ……」



【れーぞくスキル まとめMEMO】

●《隷属》の発動条件。

 スキルを発動し、人間を”奴隷”化するためには、その人間の頭に、一分以上触れている必要があるゾ☆

 この時、相手は意識が覚醒している状態でなければならないゾ☆

(深く眠っている時などは、効果はないっぽいんDA☆)


●“奴隷”について。

 ”奴隷”と《隷属》スキルを使ったプレイヤーは、いつでもどこでも、念じるだけでテレパシー会話ができるようになるゾ☆

 しかも、”奴隷”となった人間には、自分の命令ならなんでも実行させることができるんDA☆

 ただし、命令が有効な時間は、五分間。

 続けて”奴隷”を支配下に置いておきたい場合は、五分以内にもう一度命令をし直す必要があるゾ☆


●“奴隷”の解放。

 ”奴隷”となった人は、”奴隷使い”の許可を得るか、”奴隷使い”を殺すことで支配から解放されるゾ☆ 

 ”奴隷”だからといって、あんまり酷い扱いをすると、寝こみを襲われて、ジ・エンドってオチにもなりかねないんDA☆


●“奴隷”の強化。

 と、ここまで読むと、”奴隷”には何のメリットもないように思えるけど、”奴隷”になると、いいこともある。

 “奴隷”は、《奴隷使役》スキルによって、強くなれたり、魔法を使えるようになったりするんDA☆


 ”奴隷”の強さは、取得した《奴隷使役》スキルによって変わるゾ☆

 一応ここに、これまで取得した《奴隷使役》スキルの効果を書いておくNE☆


《奴隷使役Ⅰ》……”奴隷”に、《格闘技術(初級)》《自然治癒(弱)》《火系魔法Ⅰ》《水系魔法Ⅰ》を与え、同時に三人までの“奴隷”を使役することが可能になる。

《奴隷使役Ⅱ》……”奴隷”に、《格闘技術(中級)》《自然治癒(中)》《火系魔法Ⅰ》《水系魔法Ⅰ》を与え、同時に五人までの“奴隷”を使役することが可能になる。

《奴隷使役Ⅲ》……”奴隷”に、《格闘技術(中級)》《自然治癒(中)》《皮膚強化》《火系魔法Ⅰ~Ⅱ》《水系魔法Ⅰ~Ⅱ》《性技(初級)》を与え、同時に七人までの“奴隷”を使役することが可能になる。


 《隷属》スキルについては、以上DA☆

 よくわかってくれたかナ☆

 もしまだわからないことがあるなら、いくらでも質問してね!



「え、何この文章。やたらウザい……」

「親しみやすいでしょ?」

「殺意しかわかない……」


 ただまあ、《隷属》スキルについてはよくわかりました。


「連中は悪党ですけど、所詮はにわか組織みたいです。……ただ、トップが結構賢いヤツらしくて。そいつを”奴隷”にして命ずれば、組織を解体するのも難しくないんじゃないかな、と思います」

「なるほど。それはいいんですが、一分も頭に手を添えていないといけないんですか。……少し難しいですね」

「もちろん、そのへんの作戦も万端す」


 万事おまかせあれ、と、ばかりに彼が取り出したのは、長さ三十センチほどの鞭。


「”どれいつかいのムチ”だそうです。最初に、綴里を奴隷にした時に解除した”実績”の報酬です」

「効果は?」

「意識を保ったまま、相手を一分間拘束します。ただ、プレイヤーには無効だそうです」


 なるほど。“奴隷使い”専用のアイテムということですか。


「さらに、もう一つ。連中のアジトに潜入する方法ですけど……」

「潜入?」

「ええ。向こうは不案内ですし、人質は事欠きませんでしょ? しかも、ボスがどこで寝泊まりしてるかもわかりません。……まさか、『メタルギアソリッド』みてーに、ダンボール被ってボスの部屋を見つけ出す訳にもいきませんし」


 言われてみれば、現実味のない作戦でした。


「そこで、心強いアイテムがあるんす……」


 そう言って取り出したるは、一本の杖。

 木製で、握りの部分に彫刻があります。

 どうやらそれは、猫の形をしているようでした。


「これも、実績の報酬アイテム。えっと……いつ手に入ったやつだっけ、綴里?」


 すると、例のごとく、メイド服の少女が機械的に応えます。


「一週間ほど前、猫型の”怪獣”を仕留めたときでございます、ご主人様」

「ああ、そーだったそーだった……ピカピカ~ん!(たぶん、ドラえもんがひみつ道具を出した時の効果音)……“バケネコのつえ”っす。丸一日、自分が望んだ容姿に変化できる力があります。これを使ってもらいます」

「……ん?」


 首を傾げます。


「今の外見で、何か不都合が?」

「言ったでしょう? 連中、女をモノみたいに扱うって」

「はあ」

「そうなると、”戦士”さんの外見だと不都合があります。すぐに捕まっちゃいます」

「ふむ」

「ただ、野郎の使い走りはいつでも募集中みたいっすからね。”ゾンビ”狩りの人員は、どこ行っても人手不足ってことです」

「……ほう」

「ま、ってわけで。……わかるでしょ?」


 わかるでしょ? ……って。


 えっ?


 なんとなく嫌な予感がして、私は、傍らの彩葉ちゃんと視線を合わせます。

 彼女は、ぐっと親指を立てて、


「がんばれねーちゃん! 正義のためだ!」


 力強い(かつ無責任な)お言葉。

 ”奴隷使い”の青年は、にこやかな笑みを浮かべたまま、言います。



「”流浪の戦士”さんには、これで、――男に化けてもらいます」



 私はしばらくの間、ぱくぱくと、口を開けたり閉めたりしていました。


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― 新着の感想 ―
これこいつトップを奴隷にする事で自分だけの戦力を手に入れる気か?あー、そっかあくまでスキルで操るのは親玉でその部下たちは奴隷使いとは何の関係もないから間接的に殺せるのか。 自分の奴隷を使って直接は殺せ…
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