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JK無双 終わる世界の救い方   作者: 蒼蟲夕也
フェイズ2「デスゲームはじめました」
54/433

その53 戦闘中

――“正義の格闘家”が敵対行動を取っています。

――彼女を殺すか、降伏させてください。


 落ちつけ…………落ちつくんです。

 「素数」を考えて落ちつきましょう。

 「素数」は1と自分の数でしか割ることができない孤独な数字。

 私に勇気を与えては……くれません(混乱中)!


 なんなんですかこの状況!


 “正義”?

 “格闘家”?

 敵対行動?


 知らない言葉のオンパレードです。説明書下さい。


「いくぞー! ――《爆裂・百裂拳》!」


 少女の右手が、金色の波動を放ちます。

 なんか。

 よくわかりませんけど。

 彼女の正面にいるのは、すごく危ない気がしました。

 慌てて横に避けると、


 ずどどどどどどどどど!


 寝床にあった高級羽毛布団が爆散。

 あたりに羽根を撒き散らします。

 よく見えませんでしたが、少女の拳から、妙なエネルギー波のようなものが発生していたような……。

 それに触れると、あんな風に爆発四散してしまうようでした。


「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと! 待ちなさい!」

「はぁああああああ? なによ?」

「なんの理由があって……、私を襲うんです?」

「自分の胸に聞けー! ――《らいげき》……」

「待ったあ!」


 少女は眉をひそめて、私を見ます。


「……まだなんかあんの?」

「戦う前に準備があります」

「準備ぃー?」


 私は、刀の鞘と柄を、紐でしっかりと括りつけました。


「これでよし」

「おめー、何してんの?」

「こうすれば、あなたを殺さずに済みます」

「……む」


 少女の眉が、ひくっと動きました。

 これで、彼女の気持ちが少しでも動いてくれれば。

 そう思ったのですが。


「な、……なめてんのかこらーっ!」


 逆効果だったようでした。


「――《雷撃弾》!」


 少女が唱えると、彼女の手のひらから、十数本の光の紐が生まれます。


 ぞっと、嫌な予感がしました。


「いけー!」


 次の瞬間、ほとんど回避不可能な量の雷撃が、雑貨屋さんの窓を突き破っていきます。


「……くっ」


 そのいくつかを刀で弾くことに集中していると、


「か・ら・のー! ――《餓狼連撃》!」


 いつの間にか、懐に潜りこまれていました。

 腹部に鈍痛。少女の小さな拳が、弾丸のような速度で突き刺さります。

 そのまま、私は雑貨屋さんの二階から真っ逆さまに落下しました。


「……ぐぅ!」

『うごおっ』


 着地点にいた数匹の“ゾンビ”がクッションになったお陰が、はたまた《皮膚強化》と《骨強化》の恩恵か、ダメージはそんなでもありません。


「ごめん、助かりました」


 下敷きになったせいで気の毒な姿と化した“ゾンビ”さんに謝罪。


『おうぅおおおおおおおおお、おおおおおおお……』

(フッ、良いってことよ。怪我はないかい、お嬢さん)

 って言ってる気がします。妄想ですけど。


「…………」


 埃を払って立ち上がり、雑貨屋さんを見上げます。


「はーっはっは! どぉーだぁ!」

「降参するので、もう勘弁してください」


 素直に言いました。


「そんなこと言って、きっとまた悪いことするから、だめー! あと百回殴る!」


 どうやら、何か致命的な行き違いがあるようで。


「はぁ。百回ですか……」


 嫌だなあ。

 こうなったら、やむを得ません。

 私は“奴隷使い”との戦いに備えて、敢えて放置していたレベル上げ作業を、ここで行うことに決めます。


――では、取得するスキルを選んでください。

――1、《必殺剣Ⅰ》

――2、《格闘技術(初級)》

――3、《魔法スキル選択へ》

――4、《ジョブスキル選択へ》

――5、《スキル鑑定》


 雑貨屋さんの一階に飛び込み、身を隠しつつ。


「……とりあえず、ジョブスキルで」


――では、取得するジョブスキルを選んで下さい。

――1、《攻撃力Ⅰ》

――2、《防御力Ⅰ》

――3、《魔法抵抗Ⅰ》


「効果を」


――《攻撃力Ⅰ》を取得すると、あなたが行う全ての攻撃行動の威力を上昇させます。

――《防御力Ⅰ》を取得すると、あなたが受ける全ての攻撃行動の威力を低減します。

――《魔法抵抗Ⅰ》を取得すると、あなたが受ける一部の魔法の効果を低減させます。


 うん、予想通り。多分、《魔法》系のスキルと同じで、説明文が変わらないパターンでしょうね。

 なんにせよ、この場合はあんまり選択肢がありません。

 攻撃系のスキルを取得して、あの子を殺すわけにもいきませんし。

 たしか、前回からレベル、6ほど上がってますよね。

 しょーがない。全部防御系に割り振る作戦でいきますかー。


「《防御力Ⅰ》を。……それと、実績アイテムの選択は後回しにすることってできます?」


――では、取得するスキルを選んでください。

――1、《必殺剣Ⅰ》

――2、《格闘技術(初………


 あ、できるんだ。

 これまで、やる必要もなかったので試してきませんでしたけど。

 今度からは、レベル上げと実績報酬は分けてやろうかな。

 もちろん、この状況を切り抜けたら、の話ですけどね。


 次に取得するのも、もちろんジョブスキル。


――では、取得するジョブスキルを選んでください。

――1、《攻撃力Ⅰ》

――2、《防御力Ⅱ》

――3、《鋼鉄の服》

――4、《魔法抵抗Ⅰ》


 ほう。

 なんか、新たなスキルが。

 とりあえず放置して、《魔法抵抗Ⅰ》をゲット。


――では、取得するジョブスキルを選んで下さい。

――1、《攻撃力Ⅰ》

――2、《防御力Ⅱ》

――3、《鋼鉄の服》

――4、《魔法抵抗Ⅱ》

――5、《口封じ》


「鋼鉄の服と口封じの効果を」


――《鋼鉄の服》を使用すると、一分間、身にまとっている服が鋼鉄の鎧と同様の防御力になります。

――《口封じ》を使用した状態で攻撃を成功させると、数分間、相手の声帯を麻痺させることができます。


 なるほど。一時的な防御力アップと、魔法詠唱封じ、と。

 どっちも、使い勝手は悪くなさそうですね。


 さーて、どう攻略したものかな。


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