表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JK無双 終わる世界の救い方   作者: 蒼蟲夕也
フェイズ2「デスゲームはじめました」
49/433

その48 れっつくっきんぐ

 それでも、即座に行動を起こすわけにはいきませんでした。


 色々考えたんですけども、“邪悪な奴隷使い”ってきっと、幻聴さんが言っていた“称号”ってやつですよね。

 あれから、試しに幻聴さんに確認してみたんですけど、


「幻聴さん幻聴さん。私の称号はなーに?」


――あなたの現在の称号は、“流浪の戦士”です。


 だそうで。

 そこでもう一度情報を吟味したところ、この“称号”っていうのは、


 カルマ+職業


 の組み合わせで決定されるんじゃないかって気づいたんです。


 となると、私がこれから相手にしなければならない人は、


 カルマ……悪

 ジョブ……奴隷使い


 ということにならないでしょうか? 


 どういう条件でカルマが“悪”になるかはさておき、問題は“フェイズ1終了”のアナウンスが鳴った時点で、相手は既に“奴隷使い”というジョブを取得していたということです。


 計算してみたんですが、ジョブチェンジが可能な「規定のレベル」って、15みたいですね。


 つまり、“邪悪な奴隷使い”は、少なくともレベル15以上の能力を持つ相手だということです。


 交渉するにしても、戦うにしても、同等かそれ以上の戦力は手に入れておきたいところ。

 もちろん、このまま放置して“クエスト失敗”になるのも危険です。


 できるだけ急いでレベルを上げる。

 その後、西に向かう。


 これが、当面の目的になりそうでした。


 現状、一番効率よくレベル上げができるのは、人助けを行うことですが。

 これ、親切を他人に押し付けても、あんまり意味ないみたいなんですよねー。

 この辺、いまいち判定が曖昧で、よくわかりません。


 ただ、以前銃火器をここに持ち込んだ際、レベルが上がった経験があります。

 つまり、私の持っているものを誰かに譲渡することでも、レベル上げの足しになるのかも。


 ちらりと、教室の隅っこでゴミみたいに立てかけてある“てつのつるぎ”を見ます。

 それに、手に入れたばかりの“ガントレット”。

 あと、邪魔以外の何者でもない、“肉焼きセット”。

 ついでに、“ニンジャのふく”。


 ……誰にプレゼントするのがいいかな。



 誰かいないかと思ってフラフラしていると、大きな声が廊下に響きました。


「お前……ふざけてんのかッ!」


 おやおや?

 穏やかじゃないですね。


「なんだ? コースケ、なんで怒ってんだ?」


 二人の声には聞き覚えが。


 康介くんと林太郎くんでした。

 彼らを取り囲む形で、十数人の“雅ヶ丘高校”生徒が集まってきています。


「どうもこうもないだろ……! あいつは、勇雄を殺したんだぞ!」


 「勇雄を殺した」というワードに被害妄想が反応し、ちょっとだけドキっとします。

 ですが、話題はそういう方面のやつではないらしく。


「別にいーじゃん。誰も強制してねーし」


 ぽかんとした表情なのは、林太郎くん。


「そういう問題じゃねえ! あの豚野郎は焼く! 焼いて“ゾンビ”どもの餌にしてやる!」

「“ゾンビ”は豚肉とか食わねえじゃん。そんな当たり前のことも忘れちまったか?」

「うるさい!」


 振り上げた康介くんの手を、ぱっと掴みます。


「ええと、なんのお話です?」

「せ、センパイ……」


 康介くんの眉が八の字になりました。

 林太郎くんの方は、平然とした表情のまま、言います。


「いやあ。あの豚の“怪獣”いるじゃないっすか。あれ、食おうと思って」

「……ふむ」

「なんの理由ででっかくなったかは知らんけど、豚肉は豚肉っしょ? きっと食えますよ」

「一理ありますね」


 実を言うと“狩人の肉焼きセット”を手に入れた時、私も考えたことでした。


 あれ、結構デカいですし。

 食べ甲斐がありそうだと思いません?


「ただ、どんな病気を持ってるかわからないところが怖いですけど」

「だから、試食するのは俺っちと、あと何人かだけっす。でも、解体すんのに手がかかりそうなんで。何人か手ぇ借りれないかな、っつって」

「手伝います。そして私も食べます」


 言うと、康介くんは私の正気を疑うように声を上げました。


「せ、センパイ……それって……」

「いいじゃないですか。少なくとも、最初にタコとかイカ食った人よりかは気持ち的にマシでしょう」

「そ、そういう問題ですか……?」


 私はというと、都合よく“肉焼きセット”を有効活用できそうなので、ちょっとごきげんです。

 しかもこれ、きっと人助け判定になりますよ。魔力の補給にもなります。

 いやはや、運がいい。


「れっつくっきんぐ」


 ってわけで、“邪悪な奴隷使い”さんとやら。


 もうちょっとだけ待っててくださいね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ