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JK無双 終わる世界の救い方   作者: 蒼蟲夕也
●書き下ろしSS
431/433

SS10『夢女子』

■ある夜。雅ヶ丘高校。3年3組の教室内。


 主人公、これまでに手に入れた不思議なアイテムの数々を片付けている。

 そこに、控えめなノックの音が。



主人公「はーい(扉を開ける)」

理津子「……こんばんは、センパイ」

主人公「どうかしました?」

理津子「……その。ええと。お茶、しませんか」



 理津子の手には、たこのけの里(毛の生えたタコを模したチョコレート菓子)を始めとする、様々なおやつの山が。



主人公「構いませんけど。寝る前に食べると太りますよ?」

理津子「(薄く微笑んで)……だいじょうぶ。私、太らない体質だし……」

主人公「ほう。羨ましい」



 主人公、少し意外そうな顔になりながらも、椅子を理津子に勧める。



理津子「……あ、ありがと。センパイ」



 理津子、どうやらとても緊張しているらしい。持ってきたチョコレート菓子の箱を開けられずにいる。

 やがて、だんだんたまらなくなってきて、



理津子「う……ううう……」

主人公「どうかしたんですか?」

理津子「せ、センパイ。あの、その。……この前、センパイと一緒にやってきた娘、いますよね」

主人公「一緒に? (少し首を捻って)ああ、彩葉ちゃんのことですか」

理津子「はい。……それでセンパイ、あの娘とは、どういう関係なんですか?」

主人公「どういう関係か、と言われましても。ただの友達です」

理津子「本当に? それ以上の関係ではない?」

主人公「はあ。……ってか、”それ以上”ってなに?」




■別の教室。


 (フラッシュ)

 布団の上で大の字になっている羽喰彩葉の姿。



彩葉「(近年まれに見るマヌケ面で)ぐーっ、ぐーっ。……ンニャムニャ」




■再び二人がいる教室へ。


理津子「だって……だってその、ペアリング……」

主人公「え」



 主人公、一瞬だけ自身の指輪を見て、



主人公「ああ、これですか? これは、なんというか。そーいうんじゃないんです」

理津子「ひ、一つだけ、聞いてもいいですか?」



 理津子、立ち上がる。



理津子「センパイにとって……、私はその、どういう存在なんですかっ」

主人公「どういう、と、言われましても。親しい後輩の一人、としか」

理津子「その……親しいっていうのは、結婚してもいい感じの親しさですか!?」

主人公「うわ。ちょ。おま」

理津子「センパイったら、なんにも言わないでどこかに行っちゃって。……私、この数日は本当に辛かったんですよ……!」

主人公「は、はあ」

理津子「だからはっきりさせたいんです。センパイの気持ちを」



 主人公、しばし困惑していたようだったが、理津子の手が震えていることに気付く。



理津子「性別なんて、もう関係のない時代が来てる。そうでしょ? 私、聞きました。身体の形をいくらでも変えられる魔法のアイテムがあるって」

主人公「それは……確かにそうですけど」

理津子「も、もし良ければ私、男になります! それなら問題ないでしょ?」

主人公「そ、……そう、なのか?」

理津子「もしセンパイが首を縦に振ってくれれば……私、今日はここから帰らないつもりでいます」

主人公「ええっと、それって」

理津子「今夜は、センパイと寝ます」

主人公「わおわおわおわお」

理津子「センパイ。……応えて下さい。……私じゃ、……ダメですか?」



 主人公、しばらく困惑していたようだったが、やがて意を決したように、理津子の手を握り返す。



主人公「わかりました。いいですよ」

理津子「え」

主人公「やろうぜ。それはそれは濃厚な、レズ・セックスをな……!」



 そして二人は、熱い口づけを交わす。

 理津子、一瞬だけ潤んだ瞳を天井に向け、――そして目をつぶる。



■次の日の朝。同教室内。


 雀がチュンチュンと鳴く声が聞こえる。



主人公「理津子、昨夜は良かったよ……」

理津子「ええ………――







 とある日。

 雅ヶ丘高校の廊下にて。




「おーい、リツ子ぉ」

「…………。なんだよ、リンタローか」

「なんだとはなんだよぉ」

「うっさい。いま忙しいから……」

「あ、そうなの? そんじゃー、用件だけ。俺っちさっき、廊下の隅っこで、こんなもの拾ったんだけど」

「……………そ、そのノートはッ! か、返せ!」

「わあ! 怒ることねーだろ! せっかく拾ってやったのに」

「…………まさか、まさかとは思うけど、中身を見たりとかは……!」

「そりゃ見たよ。だってそれ、名前書いてなかったじゃん」

「……………――!」

「こーいうの、創作台本っていうのか? かなりいろいろ書き込んでるから、きっと持ち主は探してるだろーと思ってさ。中身から推理しよーと思ったのよ。……んで、一通り読んでみて、こう思ったわけ。『この話、とんでもなく理津子に都合が良いようにできてるな』ってさ。だからきっと、これを書いたのは本人じゃねーかって……」

「……ねえ、リンタロー」

「ん?」

「………その話、他の誰かに相談したりした?」

「いんや? みんな忙しそうだったし」

「…………ふーん。…………そっか」

「どうした? そんな、でっかい鉈を取り出したりして――……、おい。……ちょっとまてよ……まじか? それ、マジで振り回すつもりか……ッ。……嘘だろ!?」

「殺す! あんたを殺して! 私も死ぬっ!」

「わああああああああああああ! だ、誰か助けてくれぇ! せ、センパァーイ!」

「その人だけは! 呼ぶなあぁああああああああッ!」


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