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カメラを探して奪い取れ!
「あれ? 紫亜取らなくて良いの?」
「うん。写真より映像の方が良いから」
「どこにカメラがある!」
顔を隠すのをやめて空き教室の隅々まで探す。
在処は俺も知らない。
「紫亜何処にあるんだ」
もう探すのに疲れた瑠宇が降参して紫亜にカメラの在処を尋ねる。
「それを言ったらカメラを奪って逃走するでしょう? だめ」
「お願いです。教えてください!」
ついに瑠宇が正座し始める始末だ。
「仕方ないな。奪わないでよ」
「はい」
紫亜はため息をついて仕方ないと言わんばかりの表情をした。
するとリボンのとこを指差した。
よーく見ると超小型のカメラ付いていた。
道理で見つかんないわけだ。
「よっしゃ! これは頂いていく!」
瑠宇の手が素早く動きカメラを奪い取り鞄を持って帰って行った。
「ウソツキ……」
と同時に紫亜に黒いオーラが漂い始めた。
近くにいるだけで寒気がした。




