必要なのはいくつ?
「じゃあ、秀さんはほうきで掃除してください。……二人もしてくださいね!!」
ミイさんはあんまり指示するタイプじゃないと思っていたけどする方なのかな。
そこらへんのほうきを取ってホコリをはく。しかし、この教室本当に汚いな。いくらはいても綺麗にはならない。
「おーい! 秀、ちょっとこっち来い」
「何ですか?」
「お前良くそんな顔出来るな。とりあえずこの洗剤を見て思う事は何かないか?」
地味に屋上の時の紫亜さんに似てる気がしたがスルーしようか。ていうか、何だろうよく落ちそうとか?そう言う事言えばいいのかな。
「よく落ちそうですね」
「まあ、このネーミングだもんな。そう思ってもおかしくない。だがよく見ろ」
じっと洗剤を見つめてみるが何にも可笑しいとこは無い。まさか何か仕掛けたとか?
「秀。何故いきなり洗剤を振ってるんだ!?」
何にも起こらない……。
「もういい。俺から言ってやる。この洗剤の中で今回使うのは一つだ。……何で? って顔するな。じゃあ秀質問する。ここに台所は有るか?」
「有りませんね」
「風呂は有るか?」
「有りませんね」
「パソコンは紫亜が綺麗にした。さあ、必要な洗剤は幾つ?」
「一つです」
「まあ、一言言おう。お前、よくこの学校入れたな」
ひどい。まあ、たしかにギリギリだったけどさ。
「何言ってんだー」
急に神埼先生がこっちに寄って来た。
「ここの地下に風呂と台所あるぞ」




