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第77話特別相談役3


はい…終わった…


もう周りの反応など分かりきっているが、私は周りを見渡す。


うん…生徒も教師もみんなギョッとした顔をしたかと思ったら私の視線を感じて目を逸らした…


わかりきってたけどさ…


その時だ。


「姉御〜、華音さん〜。おはようございます〜。迎えに行ったのにいないと思ったら〜今日は車で来たんですか〜いいセンスですねー。華音さんの黒いヤツも未亜は好きですけど〜こっちもかっこいいです〜。荷物お持ちしますよ〜」


相変わらず間延びした声…

第二中、二年極悪四天王、桜井未亜…

狂い桜の異名を持つ私の後輩である。


未亜は私の荷物を預かる。


「…おはよう…未亜…ごめん…ちょっといろいろあって頭がガンガンするから助かるよ…」


私は言った。


「無理はよくないですよ〜?姉御の話し方が寝起きの莉奈みたいになってますよ〜?」


「…うん…今日はさすがに屋上で寝るつもり…てか莉奈は?」


「莉奈がこんな時間からいるわけないじゃないですか〜?今頃まだ夢の中ですよ〜?」


そりゃそっか。

そんな当たり前のこと聞くぐらいに私は相当頭が回っていない。


「…そうだよね…あ、西田…ご苦労様、帰っていいよ?」


また90度で余計なことを叫ばれたら堪らないので、私は西田さんにそう言った。


「はい。お気をつけて。いつでも近くで待機しているので、御用があればお呼びください」


西田さんはそう言い残して車を走らせた。




さて、なんか私達の進行方向の生徒の人垣がまるでモーゼのように真っ二つに割れているが、これはいつものことだ。

まあ、普段よりみんなの顔が引き攣っているのは西田さんのせいだろうが…


「姉御〜?辛いならどうです〜?」


「いや…大丈夫だから…」


荷物を持たせてる上に私を背負おうとした未亜に私はさすがに断った。


「美月?別にウチの背中でもいいぞ?」


「いや…屋上までぐらい歩けるよ…」


2人とも心配してくれるのはありがたいが、そんな公然羞恥プレイは冗談じゃない。




その後、ダルい体と痛む頭を引きずりながら屋上までたどりついた私は、先に来ていた屋上メンバーへの挨拶もそこそこに、私専用と化しているソファに倒れ込むのだった。

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