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6-4. 招待

翌日。


僕ら4人は王都中央ギルドに向かっていた。

僕の服装は白衣(ロングコート)ナイフ(オバちゃんから貰った)を携帯した、いつも通りの狩りスタイルだ。

シン、コース、ダンもいつも通りの武装状態だ。

まぁ、向かう先は冒険者ギルドだからこれがフォーマルなんじゃないかな?


「……さて、噴水広場に着いたんだけど」

「見当たらねえな」

「オバちゃんは『王城前の噴水広場からすぐ』と言ってましたけどね」



……ギルドが見当たらない。

王都東のギルドなんて直ぐ見つけられたのに。


「適当な冒険者に付いていけばいいんじゃねえか?」

「いや、でもこの混雑の中じゃあ誰かに付いていくのも結構難しいぞ」


現在時刻は朝8時。

王城前の広場は冒険者だけでなく、沢山の人で溢れていた。

荷を山のように積んだ荷車を引く商人。

王城へと入っていく識者。

他の街へと向かうのであろう、大きな馬車。


こんな中で誰かに付いていくのは結構困難だろう。


「しかし、この混雑の中だと迷子になりかねませんね」

「そうだな。学生達は3人ともいるか?」

「……お、そういやコースはどこに――――

「すいませーん、この辺のギルドってどこにありますかー?」


コースが居ない! って思ったら、少し先からコースの声が聞こえた。

その辺の冒険者に場所を聞いているようだ。


「あぁ、ここだよ」


そして、その辺の冒険者はすぐ後ろを指差してそう言った。

後ろにあるのは3階建ての大きな建物。

日本ではよくある大きさのマンションって感じだが、この世界ならば滅多に見ない大きさの建物だ。

そうだな、住宅街の中に7階建てのビルが建っているくらいの存在感だ。


入口も大きく開いているのだが、冒険者があまり入っていく様子が見えない。というか、商人や一般の住民の方が多いな。


「これが中央ギルドですか……」

「デカい建物だ」

「東門のギルドと比にならないな。道理で僕らが見つけられない訳だね」


僕らが想像してたのは、2階建てでイカツい冒険者がゾロゾロと入っていくような、それこそ東門のギルドだった。

こんなデカい3階建てで、非戦闘職の方々がたくさん入っていくようなギルドを僕らは知らない。



その後、コースは礼を言うと走ってこちらへ帰ってきた。


「先生ー、シーン、ダーン! ギルドの場所が分かったよ!」

「おう、良くやったなコース」

「聞こえてましたよ」

「コースの声は良く通るからな」

「エへへッ」


褒められて少し照れるコース。


「よし、じゃあ入ろうか」

「「「はい」」」






中央ギルドに入ったが、中もかなり広いな。


まず入って驚いたのはカウンターの数だ。東門ギルドは5つに対し、ここは全部で9つのカウンターが並んでいる。

1番カウンターは総合受付。

2番カウンターは冒険者登録。

9番カウンターは獲物の買取。

そして3~8番カウンターで『依頼』の登録や引受、完了報告などを受け付けている。


獲物買取カウンターより依頼関係のカウンターが充実しているっていうのは、ここが商人や住民からの依頼メインって感じだからだろう。

各門にはギルドがあるから、王都の外で狩ってきた獲物をここ(中央ギルド)まで持ってくる必要ないしな。


 

「先生の手紙を適当なカウンターに見せれば良いんでしたよね」

「あぁ、そうだな」


という事で、リュックから手紙を出しつつ空いているカウンターに向かう。



……向かっているんだが、カウンターの先にはなんだか見慣れた顔があるんですけど。

肩幅が広く筋骨隆々で、白いタンクトップを来たギルドの職員さん。

まさか……マッチョ兄さん!?


これってデジャヴなのか? それともここに異動したのか?


「先生……あの人って…………」

「おぅ、それ以上言うな。僕も分かってる」

「これも先生の呪いなのか?」


まぁいいや。とりあえずカウンターに行ってしまえ。






「はいどうも。買取ですか…………って、俺の顔になんか付いてる?」

「い、いや……そういう訳じゃないんですけど」


ん? 受け答えがいつものマッチョ兄さんじゃない。

普段なら必ず僕のことを『狂科学者マッドサイエンティストさん』って呼ぶんだけど。


ということは……別人?


「えぇっと……昨日東門でお会いしましたよね?」

「ん? 東門? ……あぁ、それ俺じゃなくて、俺の弟だから」


あぁ、なるほどな。

弟さんか。


「ご兄弟で、とっても似ておられますね」

「ほんとにソックリだねー!」

「おぅ、ありがとな。嬢ちゃんもありがとう。…………ところで、お前さん、狂科学者マッドサイエンティストだろ?」


あぁ、そうだった。

『マッチョ兄さんの呪い』のせいで本題を忘れていた。


「白衣の男と水色ローブの少女魔術師、だな。うちのギルド長から話は聞いてる。一応、手紙とステータスプレートの確認をさせてくれ」

「あ、はい。お願いします」


そう言って手紙を渡し、ステータスプレートを呼び出してカウンターの青い水晶にかざす。

マッチョ兄さん(中央ギルド)は手紙の宛名・差出人欄を軽く確認し、水晶を覗き込む。


「よし、ケースケ・カズハラさんを確認した。はいじゃあギルド長室まで案内するから、付いてきてくれ」


マッチョ兄さん(中央ギルド)は立ち上がり、その辺に居た職員さんにカウンター業務の代わりを頼むと、カウンターの端っこを跳ね上げて僕らを中に通し入れる。


「はい。……あぁ、この二人も連れなんですけど、一緒に良いですか?」

「ん? 問題ないぞ。皆入ってきてくれ」


後ろからシンとダンの安堵の声が聞こえる。

良かったね。心配は杞憂に終わったようで。






ギルドの内部にお邪魔し、階段を2階上がった。

現在、3階の廊下に立っている。


目の前には、他よりも少し大きめな扉がある。

扉の隣には『ギルド長室』の文字。


「(さて、じゃあここがギルド長室だ。用意は良いか?)」

「(うぅ……やっぱり少し緊張しますね)」

「…………」


シンとダンは少し緊張しているようだな。

僕とコースは一度会っているので、そんな事はないが。

寧ろコースは『魔術師の先輩にまた会えるー!』とドキドキが止まらないようで。


「(行くぞ)」


そう言って、マッチョ兄さん(中央ギルド)はドアをノックした。

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『数学嫌いの高校生が数学者になって魔王を倒すまで eˣᴾᴼᴺᴱᴺᵀᴵᴬᴸ

本作の『登場人物紹介』を作りました。
ご興味がありましたら、是非こちらにもお越しください。
 
『数学嫌いの高校生が数学者になって魔王を倒すまで』巻末付録

 
 
 
本作品における数学知識や数式、解釈等には間違いのないよう十分配慮しておりますが、
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小説を愛する皆様の心に、
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そして————数学嫌いの克服を目指す皆様の心に
 
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