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3-9. スキルレベル

活動報告にお知らせを載せました。

申し訳ありませんが、ご理解頂けると幸いです。

目が覚めた。


【減法術Ⅰ】(サブトラクション)を習得した翌日。

時計は朝7時を示している。最近は早起きの習慣がすっかり身についたな。良いことだ。


そして窓からは朝日が射し込んでくる。今日もいい天気だ。

そういえば、ティマクス王国では晴れの日ばっかりだな。

こちらに召喚されてから雨が一度も降っていない。


まぁ、気候の関係ってのもあるだろう。

日本でも『~日連続で雨が降っていません』とかいうニュースは時々聞いてたし、そういう日もあるかもしれない。


そうだな。僕が気にした所でどうしようもないので、そういうもんだと考えておこう。


さて、今日の予定は狩り三昧だ!

筋肉痛は昨日の夕方には無くなり、ステータスプレートの状態欄も普通に戻った。


ってことで早速準備に取り掛かろう。

麻の服の上に白いロングコートを羽織り、リュックから[参考書]、筆記具を取り出して机の上に置く。今日は勉強セットは要らないからな。

そしてリュックを背負い、ナイフを腰に差し、準備完了だ。


あ、あと街を出る前に朝食とポーションを購入しておかないとな。

HPポーションは前回の分がそのまま余っているから、MPポーションを多めに仕入れておこう。


それじゃあ、鍵を掛けて出発!





さて、東門を抜けて王都東の街道を歩いている。


やっぱり朝方は王都から東の港町へと向かう人が多いな。

周りを見回すと、荷物を載せた馬車や冒険者のグループが街道を東へと歩いていく。


しかし、やっぱりロクに防具・武器の装備すらしていない白衣の人間が一人で歩いていると少し浮くな。

人の流れに逆らっていないだけまだマシではあるけれども、少し周りからは注目されるな。視線が痛い。


あー、もうなんで皆こっち見るのかな。

良い方でも悪い方でも有名になるのは面倒ごとが増えるから嫌なんだが。

よし、さっさと街道を外れて東の草原へと入ってしまおう。


さて。振り向けば王都は既に小さくなり、街道の往来の音もだいぶ聞こえなくなってきた辺りまでやって来た。


「よし」


狩猟、始めますか!

まずはあのディグラットからやっていこう。


「オープン・ステータス……【加法術Ⅰ】(アディション)・DEF10、ATK10!」






「チュ…チュゥ………」


…ふぅ、これでディグラット8匹目。

大分ディグラットの倒し方も慣れてきたし、方法が確立できてきたな。


前回は腹や背中をザクっとしていたが、皮が傷だらけになり買取金額も下がってしまった。

という訳で今回は首元をザクっと一撃だ。

狙う場所が小さく、得物であるナイフも結構短いので、グルグル作戦直後にそこをピンポイントで狙うのは結構難しい。


しかし、慣れてしまえば案外楽だ。首元というだけあって頸動脈でも通っているからだろうか、切りつけた後の返り血が激しい。それこそ血抜きが不要になるレベルだ。

そしてその一撃がトドメになることもしばしばだな。


お陰様で僕の顔を含めた全身に血を浴びているし、僕の周辺は真っ赤な草原と化している。鉄の臭いもプンプンしているからか、ディグラットやプレーリーチキンも良く集まるんだよな。


いや、そんな事になる前に移動すれば良いってのは分かってるんだけどさ。

なんか魔物を求めて歩き回るってのも面倒なんだよねー…。


そんなことを考えている内に次の魔物がやって来て、それを倒してまた次がやって来る。その繰り返しだ。


そんな事を考えていると、ふと軽い電子音と共に横長なメッセージウィンドウが現れる。


ピッ



===========

【加法術Ⅰ】(アディション)【加法術Ⅱ】(アディション)にスキルレベルアップしました。

===========



お、スキルレベルアップか。確かに【加法術Ⅰ】(アディション)は習得してからずっと使いまくってたもんな。

今日もDEFとATKの加算に大活躍だったし。MPポーションも前回の2個に対して今回は6個仕入れたので、魔法も心置きなく使えている。


スキルレベルアップに伴い、スキルの呼び方は『アディション』で変わらないものの、ギリシャ文字が『Ⅰ』から『Ⅱ』に変わったようだ。

計算能力も向上しているだろうな。後でどのくらいステータスの加算が出来るか試してみよう。



…さて、スキルレベルが上がった所だし丁度いい。疲労も溜まって来たので少し休むか。

MPも尽きてきたのでMPポーションを1本開けよう。


血の池と化した場所から移動し、周囲に魔物がいないことを確認して草原に座り込む。

MPポーションのコルクを抜き、グビっと飲み干す。


「……フゥーッ!」


そして腕を上に伸ばして深呼吸し、思いっきり全身で伸び。

魔物を簡単に倒せるようになっては来たが、戦いの途中に集中を欠くことは無い。

やはりお互いに命を賭けた戦いだからな。


そういう訳だからか、体力的にも、精神的にも疲れが溜まっていたようだ。

休憩を入れると凄くスッキリする。疲労が抜けていくな。


一度、現状を確認しよう。

リュックの中には、血抜き済みのディグラットが8匹とプレーリーチキンが4匹。成果は良いな。

HPポーションはまだ使っていないので2本、MPポーションは残り3本だ。


改めて自分の全身を眺めてみる。

……白衣は一昨日に散魔剤で洗濯し真っ白になったんだが、今じゃ再び真っ赤っかだ。

しかも今日はディグラットの激しい返り血によって袖、裾、腰はともかく、腕や胸、襟まで赤く染まっている。


……これは街に戻ったら狂科学者マッドサイエンティストと呼ばれること請け合いですな…。

目立つって事は面倒ごとに巻き込まれる元なので嫌なんだが、これはちょっと冒険者をやる上では避けられないな………。


…まぁいい。先の事を考えて気分が少し落ち込んでしまったが、街に帰ってどうなるかは帰る時に考えれば良い。僕が今やるべきことは生活の糧を得ることだ。


そんな事を考えていると、遠くからチキンがてくてくとこちらへやって来るのが見える。

コートの血の臭いに誘われてやって来たのだろうか。


よし、休憩終わりだ。

まだまだ余裕はある。まぁ、死なない程度に頑張りますか。

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『数学嫌いの高校生が数学者になって魔王を倒すまで eˣᴾᴼᴺᴱᴺᵀᴵᴬᴸ

本作の『登場人物紹介』を作りました。
ご興味がありましたら、是非こちらにもお越しください。
 
『数学嫌いの高校生が数学者になって魔王を倒すまで』巻末付録

 
 
 
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小説を愛する皆様の心に、
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そして————数学嫌いの克服を目指す皆様の心に
 
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