9-9. 予定
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「って事で、今後の予定を決めようか」
「あ、そうでしたね」
「どうするー?」
……とりあえず、僕が今ここに居る目的は『魔王を討伐するため』。
そのためには————
「とりあえず、修行だな。魔王を倒すために力を付けないと」
「それじゃー、テイラーを拠点にして魔物狩りするー?」
「まぁ、それも良いけどよお……」
「草原の魔物では、私達の力じゃ相手にならないかと……」
そうだな。
王都もテイラーも、周りは草原。
そこに現れる魔物はディグラット、プレーリーチキン、カーキウルフの3種類。
……はっきり言って、シンの言った通り僕達の敵じゃない。
「それなら、どっか他のトコ行こうよー! あっ、私たちの村の近くなら、もっと強い魔物がうじゃうじゃ居るかも!」
ほぅ、それは面白そうだな。
確か彼らの故郷は『トリグ村』とかいう辺境の地だ。
王都から北に行った山間の町から、更に北に行った所だとか。
「いや、コース忘れたのか? 修行に出る時に『出来る限り、北の都より遠くで狩りを覚えるように』って言われただろ」
「あっ、そうだったそうだった。まだ北に進むのは早いよねー……」
コースのてへぺろ。
あらま。北に進むのはまだなのな。
「北に進むのはまだ早い、って事ね。じゃ他の所にすっか」
「そうしよー!」
「私達が先生のお供をしているのに、我儘を言ってしまって済みません……」
「いやいや、気にすんな。僕自身も行くとこ決まってないし」
「ありがとうございます」
って事で、『王都より北』案は無しになった。
そんじゃあ……
『王都より西』は、今いるテイラーだ。
『王都より南』は、深い森。魔王軍の領地と化しているので、下手に入ると危険だ。
『王都より東』は……
「なぁ、王都より東には何があるんだ? 僕は『港町がある』としか知らないんだが」
「あぁ、東には『港町・フーリエ』がありますよ」
「王国の東で一番大きい街だもんねー!」
「俺らも行った事は無えけど、魚で有名だって聞いた事はあるぞ」
おぉ、お魚か!
久し振りに食べたくなってきたな。
「ちなみに、そのフーリエの周りに狩り場はあるのか?」
「有りますよ。フーリエの周りは砂漠になっていて、砂漠特有の魔物が居るとか」
「そこの魔物も、ソコソコな強さなんだよねー!」
「あぁ。草原には居なかった、毒持ちの奴とかも居るらしいよな」
成程ね。
毒持ちの魔物か…………。
ん?
「なぁダン。それって、『デザート・スコーピオン』か?」
「あぁ、そうだ。先生よく知ってんな」
「コッチの人じゃないのに、先生詳しいー!」
まぁな。
君達と出会う前に魔物学者を目指してる時期もありましたんでね。
だが、デザート・スコーピオンが居るのか。確か、推奨Lvは『単体でLv.18』。
カーキウルフが『4頭でLv.12』なので、その強さは言わずと知れる。
「そんな奴らが居る所なら、僕達が狩りをして鍛えるには丁度良い所なんじゃないか?」
「そうですね! 魔物も強いですし、砂地は足腰を鍛えるには良いと言いますし」
「じゃあ決定だねー!」
「異論無し!」
「オッケー! じゃあ今度は、『港町・フーリエ』を目指すぞ! そこでまた特訓だ!」
「「「ハイ!」」」
「所で、港町・フーリエにはどうやって行くんだ?」
「えーっとですね……先生、王都の東門は覚えていますか?」
「勿論」
王都に居た頃、僕が毎日狩りをしていた所だ。
君達に出会ったのも、王都東の草原だったもんな。
「東門から、ずーっと街道が伸びてますよね」
「おぅ」
「その道をずぅーっと行けば、やがて草原が砂漠になり、いずれ海が見えます。そして、街道の終点が港町・フーリエですね」
「ほほぅ……」
成程な。
また長い歩き旅になりそうだ……。
「ちなみに、王都からフーリエまではどの位……」
「徒歩11日ですね」
「……やっぱりその位掛かるのか」
王都からテイラーまで歩いた、あの長旅が頭に蘇る。
またアレを繰り返さなきゃ行けないのか……。
「西街道で王都まで戻り、そっから東街道でフーリエへ、って感じか。また大変な長旅になりそうだな……」
単純計算でも、ここテイラーからフーリエまで徒歩21日だ(【加法術Ⅲ】利用:10+11=21)。
丸々3週間じゃんか。
あぁ……。この国に新幹線でも有ればなぁ……。
「あぁ、先生またシンカンセンって言ったー!」
あぁっ、やべっ。
心の声が漏れてたか。
でもまぁ、言ったところで新幹線が現れる訳でも無いし。
うーん……
「乗合馬車もあるとはいえ、王都まででも金貨1枚くらいだしな。まぁ、また歩き旅…………頑張っか」
とりあえず、再びあの苦行になる事を覚悟した。
「おい、シン。ギルドで護衛の依頼を受けりゃ、俺ら馬車に乗って王都に帰れるかもしれないじゃないか?」
「あぁ、そうですねダン」
そんな所に、救いの手が現れた。
「……ちょちょっ、ダン、シン。それマジで!?」
「はい。ギルドに『王都までの護衛』という依頼があれば、私達は馬車に乗って帰れるかもしれません」
「そそっ、ソレだ!!」
念願の馬車に乗って帰れるのか!
ソレを逃さない手はないじゃんか!!
「まぁ、報酬は期待しない方が良いぞ」
報酬? 低くて結構。
早く行けるならそれで十分!
「それと、どの護衛依頼でも良いって訳では無いです。私達の条件に合う依頼が有れば、ですけどね」
……そ、それは、僕達に合う条件のがあるのを祈るだけだ!
「でも良いのー? 報酬、バカみたいに安いよー?」
「あぁ」
僕は報酬目当てじゃないんだよコース。歩き旅を避けられるんならそれで良いんだ!
「その依頼ってのは、冒険者ギルドに行けば受けられるんだな?」
「はい。……まあ飽くまで、依頼が有ればですけどね」
「オッケー! そんじゃあ、明日の朝イチでギルドに行くか!」
「「「ハイ!」」」
ってな訳で、なんとか明日からの予定は決まりました。




