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ドラゴンになってものんびり過ごしたい~動物達と気ままにスローライフ~  作者: かいものトカゲ
四章 ウィンターショッピング
92/357

92.かまくらをみんなで作ってみました

 翌日。

 天気は晴れではあるが、相変わらずの肌寒さ。

 外に置いておいた温度計を見ればー3℃を指していた。

 うん、寒すぎるな。


 外には相変わらず雪が積もっている。

 多分深い所だと二、三十センチは積もっているのではないだろうか。

 俺の家の周辺だけは雪が解けているからか、あまり積もってないけどさ。

 これだけ積もっていれば何かしら作れそうだな。

 まだ朝早い段階なので、誰も起きていないし、暇だからちょっと雪だるまでも作ってみるか。



 ごろごろごろ。

 ごろごろごろ。

 ごろごろごろごろごろごろ。



 うん、思いのほか楽しいぞ、これ。

 それに雪をコロコロ転がしていると、雪がくっついて雪かき代わりにもなるから一石二鳥じゃないか?

 とにかく、もっと雪を転がしてみよう。



 ごろごろごろ。

 ごろごろごろ。



 うん、土台はこれ位でいいかな。

 次は頭部分を作ろうか。



 ごろごろごろ。

 ごろごろごろ。

 ごろごろごろごろごろごろ。



 はい、後はこれを土台の上に乗せてっと。

 その辺にある木の枝や何かの殻みたいなものを使って雪だるまの手や顔を作って……

 オッケー、完成だ!


 俺の背丈ほどある巨大雪だるまさんの出来上がり!

 俺の背丈は多分5メートルほどあるだろうから、見る人が見たら相当巨大な雪だるまになっていると思う。

 今の体だからこそ出来る事だよな、これって。

 いやー、結構楽しかったわ。



 雪だるまを作ったおかげで家の周囲の雪はだいぶなくなったな。

 だけどまだまだ雪はそこら中に積もっている。

 なら、今度はあれを作ってみるか。


 それから俺はちょっとしたスペースのある場所に雪を集め始める。

 するとその途中で俺に声をかけてくる者が。



「お父さん、早起きだねー。何してるの?」

「カトカか。俺は今、"かまくら"というものを作っていて忙しいんだ。雪合戦はまた今度な」

「"かまくら"ってなーに?」

「そうだな……簡単にいえば雪でできた家みたいなものだな。俺もちゃんと作った事はないが、結構中は暖かいらしいぞ」

「へぇ、そうなんだ。面白そう! 僕も一緒に手伝ってもいい?」

「ああ、もちろん構わないぞ。それならこの辺りに雪をたくさん集めてくれると助かる」

「うん、分かった!」



 それからはカトカと二人でひたすら雪集め。

 ちなみに俺は時々スプラッシュの魔法を使い、集めた雪に水を含ませてバシバシと叩く。

 そうする事でかまくらを構成する雪をカッチカチに固めるのだ。


 途中でキュビカの獲物の売却、朝食、昼食などを挟みつつも、一心不乱にかまくらを作り続ける俺とカトカ。

 雪が不足してきたら雪がまだ残っている場所まで歩いて雪をかき集めてくる。

 ちなみにかまくら作りを見ていた他の仲間達も興味を持ったようで、途中から雪運びを手伝ってくれるようになった。


 さて、雪がだいぶ積み上がったら、今度は穴を開ける作業だ。

 幸い俺には鋭い爪があるので、爪を使ってどんどん穴を開けていく。

 カッチカチに固めていた雪は思いのほか固くて冷たいので、結構キツいんだな、これが。


 時々凍傷を起こさないように、ファイアで体を暖めたりしつつ、作業を進めていく。

 その作業は日が暮れる頃まで続いたが、ついに―――



「うん、これ位でいいだろう」



 かまくらの穴の中を綺麗に整備し終わった俺はその場で腰を下ろした。


 出来上がったのは一般的なドーム状のかまくらである。

 ただ、俺がそのままのサイズで入れるほどの大きさなので、サイズは桁違いに大きいものではあるが。

 周囲の雪はほとんど全て使い果たすほどの力作を作り上げるというのはなかなかに達成感があるな。

 みんなが雪集めを手伝ってくれて、俺の負担はだいぶ減っていたにも関わらず、丸一日かかるんだもんな。

 そりゃ達成感もひとしおだわ。



「お父さん、もう中に入ってもいい?」

「ああ、大丈夫だぞ。もう完成したからな」

「そうなの? なら私も入るわよ?」

「わらわも入るが構わぬな?」

「オレも入っていいっすか?」

「もちろんだ。みんな入ってきていいぞ! ただ、ゆっくりと押し合わずにな!」



 それからかまくらの中にぞろぞろと入ってくる仲間達。

 今回はかなり頑張っただけあって、かまくらはみんなが入りきるには十分の広さが確保されていた。

 俺の家よりも少しだけ狭いが、それでも十分だろう。



 せっかく一生懸命作ったかまくらなので、しばらくこのかまくらの中で過ごす事に。

 家から持ってきたランタンをかまくらの中で使って灯りを灯す。

 ほのかな明かりがかまくらの中を包み込み、なんだか幻想的な光景だよな、これは。

 普段はあまり灯りをつけないが、今回ばかりは特別だ。

 もう少しこのままロマンチックな雰囲気を味わっていたいものだな。



「エンラ、ちょっと良いか?」

「ん? 何だ、キュビカさん?」

「実は先ほどシロカからの手紙を受け取ってな。その内容によれば、明後日お主を迎えに来るらしい」



 ああ、そういえばシロカが自分のエリアを案内してくれるみたいな話をしてたっけ。

 だけど結構急な話だよな。

 てっきり俺の気が向いたらふらっと訪ねるみたいな事を想像していたというのに。

 まあ、別にいいんだけど。



「なるほどな。でもあのシロカさんの事だ。明後日と言っておいて、実は明日来るとかあるんじゃないか?」

「いや、それはないじゃろう。どうやら向こうは向こうでエンラを受け入れる為の準備で忙しいみたいじゃ。明日というのも結構頑張って早くした場合のようじゃの」



 ふーん。

 なら本当に明後日に来そうだな。

 それなら明日はゆっくりと過ごす事にするか。

 今日は一日中かまくら作りで疲れちまったからな。


 それからはしばらくかまくらでくつろいだ後、自分の家に戻って寝る事にした。

 かまくらの中は外気に比べれば暖かいが、家ほど寒さをしのげるわけじゃないからな。

 他のみんなも同じ考えだったようで、みんな俺の家の中に入ってきた。


 うん。

 せっかく作ったけど、かまくらはまあちょっとした休憩所として使う位にとどめておくか。

 この時期は暖かく過ごすのが一番だからな。

 体冷えるの嫌だしさ。



 そういえば俺の仲間達はみんな平然といつも通りに行動しているが、冬眠はしないんだろうか?

 その辺りの事情に詳しそうなキュビカにちょっと聞いてみるか。



「なあ、キュビカさん。ちょっと聞きたい事があるんだが、いいか?」

「ん? なんじゃ、言ってみい」

「俺の仲間達って冬眠してないけど、普通動物達って冬眠するもんじゃないのか? 店に来ていた動物達もみんな冬眠していたようだし」



 俺がそう言うと、うーむとキュビカは考え出し、そしてしばらく経つと口を開いた。



「そうじゃの。多分冬眠する必要がないからじゃろうな」

「というと?」

「わらわの土地の動物達が冬眠する意味は二つある。一つは外出を避けることで寒さから身を守る事。もう一つは活動しないことで食料の消費を抑える事じゃ。わらわ達は日頃から暖かい場所にいる事が出来るからそこまで体に負担がかからぬ上、食料に困る事もないからの」

「なるほどな……でも暖かい場所にいる事が出来るとはいっても、外に出たらみんな一緒だろ?」

「それはそうじゃが……まあ、体が冷えたら暖かい場所に戻れば良い話じゃし、少なからず活動する理由にはなっていると思うのじゃがな」



 なるほど。

 キュビカの言う事も一理あるな。

 とにかく、みんなが生きていく上で無理させてないのであれば良いんだけどな、俺にとっては。

 本当は冬眠したいのに出来ないとかさ。

 そういうのはかわいそうだろ、うん。


 まあドラゴンが冬眠する動物かどうかは分からないが、俺自身も全く日頃の活動に支障は出てないし、案外何とかなるのかもしれないな。

 一応みんなの事を少し気にかける程度にとどめておくとするか。



********

六十九日目:残金5368850B

収入:キュビカ達の獲物69000B

支出:朝食など25000B

収支;+44000B

********

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