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ドラゴンになってものんびり過ごしたい~動物達と気ままにスローライフ~  作者: かいものトカゲ
三章 ビジネスショッピング
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74.二人の遠足をこっそり覗いてみました

「ユニ、待たせたな。これを持っていくといいぞ」



 そう言って俺はユニにお弁当と水筒の入ったかばんを首にかけてあげた。



「これに何が入っているんだな?」

「これにはお弁当と水筒が入っているんだ。お弁当というものの中に食べ物が入っていて、水筒というものには水が入ってる。こうやって使うんだぞ」



 俺はユニのかばんから水筒の使い方を教えてあげて、お弁当は蓋をとって中身を食べるものだと伝えた。

 もちろん蓋の取り方を教えても、まだ中身は見せていない。

 中身は食べる時のお楽しみにしてほしいからな。



「ちょっと難しそうなんだな……」

「そうかもしれないな。多分コリスの方が手先は器用だろうから、細かい所はコリスにやってもらうと良いかもしれない」

「……そうなんだな。そこはコリスを頼ることにするんだな!」



 人には向き不向きがあるからな。

 助け合える間柄にあるのなら、苦手な事を自分一人でやろうとしなくても良いのだ。



「ありがとう、エンラさん。そろそろ時間だからオイラ、ちょっと出かけてくるんだな!」

「ああ、気を付けて出かけるんだぞ!」



 ユニはそう言うと俺の家から出て行った。

 うん、喜んでくれたようで何よりだな。

 後は無事に遠足を楽しんでくれることを祈るばかりだ。





 ……そわそわ。

 ……そわそわ。



「エンラ……エンラ!」

「な、なんだ!? どうしたんだ、キュビカさん!?」

「どうしたって、こちらが聞きたいわい。さっきからずっとうろうろ歩きまわりよって」

「あ、ああ、すまないな。ちょっと考え事をしていてな」

「エンラ、もしかしてユニちゃんの事が気になっているんじゃない? 私、さっきユニちゃんがどこかへ出かけて行った所を見かけたもの」



 さすがはコクリ。

 何でもお見通しだな。



「そうなんだ。実はコクリが言う通り、出かけて行ったユニの事が心配になってな」

「ユニちゃん、随分と楽しそうな表情をしていたわね。どこかへ遊びに行く所なのかしら?」

「そうらしいぞ。実はコリスと遠足に出かけるらしいんだ」

「遠足、か……場所は分かっておるのか?」

「場所までは聞いていない。そんなに遠くはないと思うんだがな」



 いくらユニと一緒とはいえ、あまりに遠くに行くのならばカリスが遠足に反対するだろう。

 カリスはしっかり者だし、コリスを危険な目にあわせる事を認めるとは思わないからな。

 それを考えれば近場にちょっと出かける程度の事だとは思うのだが……



「遠くないと言ってもやはり危険な事には変わりないじゃろう。それは薄々お主も感じ取るのではないのか?」

「うっ……確かにそうだな」

「なら、見守ってやるべきではないのかの? この辺りの事はわらわがしっかり守っておくから留守は安心せい」

「そうか……そうだよな。よし、決めた! じゃあキュビカさん、ここの事は任せたぞ! コクリ、ユニの場所は分かるか?」

「ええ、ばっちりよ」

「なら、今すぐユニを追いかけるぞ!」



 いくら近場とはいえ、強敵に襲われないとも限らないからな。

 何かあってからではもう遅いのだ。

 急いでユニ達の所に向かわなければ。


 俺は会話を終えると、コクリと一緒に急いで外へと出て行った。




 嗅覚の鋭いコクリは迷う事なく進んでいく。

 俺はそんなコクリを信じてそのままついて行く。

 そしてそんな感じで進む事数分―――



「エンラ。ほら、あそこにいるわよ」



 ひそひそ声でそう言ってくるコクリ。

 コクリが示す先を見るとそこには辺りをキョロキョロ見渡すユニの姿が。

 あの様子だとまだコリスは来ていないようだな。


 さて、では今のうちにサイズチェンジをかけて目立たないようにしておくか。

 今のサイズではいくらこっそり動こうとしても目立ってしまうからな。


 ということで、俺は自身にサイズチェンジをかけ、米粒大の大きさまで体を小さくした。

 すると目の前に現れるのは巨大なコクリ。

 今の俺はコクリの鼻先ほどの大きさもないから、相対的にコクリが巨大になったように見えるんだよな。



「ふふっ、エンラったら小さくてかわいいわね」

「かわいい、か。なんだかあんまり嬉しい言葉じゃないな……。とりあえずここまで小さくすればさすがにユニ達も気付かないだろ」

「そうね。せっかくのユニちゃんとコリスちゃんの二人旅なんだもの。そうやって邪魔しないようにこっそり見守ってあげるといいわよね」



 そうだよな。

 ユニとコリスはとても仲が良いみたいだし、二人で話したいこともあるだろう。

 それを俺が盗み聞きするような形になるのはちょっと気まずいが……

 あ、安全な為だから仕方ないんだ。

 うん。



「あ、コリスちゃんがこちらに近付いてくるみたい。それじゃ私はユニちゃん達に気付かれないように一旦帰るわね。植物の世話もしないといけないし。ユニちゃん達の事、頼んだわよ!」

「ああ、協力してくれてありがとな、コクリ。助かったよ」



 コクリはそう言うとササッと住処の方へと戻っていった。

 音も立てずに移動するその様はまさに狩人といった所か。

 俺と出会う前のコクリってどんな感じだったんだろうなぁ。

 氷狼のエリア出身とか言っていたから、そこで多くの獲物を狩っていたんだろうか?


 そんな感じで物思いにふけっていると、ガサゴソという音が聞こえてきた。

 そしてその音がする方を見ると、茂みからは一匹のリスが現れた。



「おうまさん、お待たせしたんだよぉ……」

「コリス、そんなことないんだな。オイラもちょうど今来た所なんだな。それじゃ出発するんだな!」



 待ち合わせでよくある、実際は待っているのに全然待っていない発言か。

 ユニも気の利いたセリフをいうものなんだな。


 言葉を交わした後、ユニとコリスはどこかへと歩みを進め始めたので、俺もこっそりついていくことにした。



 森を歩きながらも、ユニとコリスは話をしているようだ。

 二人はどんな会話をしているんだろうな?

 ちょっと聞いてみるか。



「カリス兄ちゃんったら、やっぱり行かないでくれってうるさかったんだよぉ……だからなかなか出発できなかったんだよぉ」

「カリスはきっとコリスの事を大切に思ってくれているんだな。だからひきとめようとしているんだな」

「分かってるけどぉ……でももうちょっと私とユニちゃんを信じてくれてもいいと思うんだよぉ。だって近くのお花畑に行くだけなんだよぉ?」

「うーん、まあ確かに花畑まではそんなに距離がないから、心配し過ぎな気もしてくるんだな」

「おうまさんもそう思うよねぇ? 私、お兄ちゃんのそういう所があまり好きじゃないのぉ。クリス兄ちゃんなら好きにするといいと言ってくれるのに」



 ふーん、なるほどな。

 コリスはカリスをお節介に思っているようだ。

 俺からしてみたら、妹思いの優しいお兄ちゃんだと思うんだけどな。

 実際に思われている本人からすれば、過保護だと感じているのかもしれない。


 その点、クリスは寛容そうだ。

 食いしん坊だけど、意外とやるときはやる奴だもんな。

 コリスが病で危機に陥った時に自ら俺の幻術魔法の実験台を名乗り出てくれたしさ。


 でもだからといってクリスが良くて、カリスが悪いという訳にはならないだろう。

 カリスがいて、クリスがいて、そしてコリスがいる。

 その三人が一緒にいるから上手くいっている所もあると思うんだよな。



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四十六日目:残金1197326B

収入:なし

支出:バッグ500B

収支;ー500B

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