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ドラゴンになってものんびり過ごしたい~動物達と気ままにスローライフ~  作者: かいものトカゲ
三章 ビジネスショッピング
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71.イタチの住処にお邪魔することになりました

「ボスー! 大丈夫っすかー!?」



 倒れたイタチのエリアボスの元に集まってくるイタチ達。

 だが不思議な事にそのイタチ達の表情には悲愴感はなく、むしろ微笑みを浮かべている。

 なんで微笑んでいるんだ、このイタチ達?


 イタチ達に見守られながら、イタチのボスはゆっくりと起き上がった。



「ドラゴンさんとの戦い、どうだったっすか!? 楽しめたっすか!?」

「ああ、最高だよ。こんなに楽しめた戦いは久しぶりだ。ありがとな、お前達」

「ボスが楽しめたみたいで何よりっす!」



 イタチのボスもそう言っては微笑みを浮かべていた。

 本当にイタチって戦いが好きなんだな。

 全力を使い果たしてもうヘトヘトだろうに嬉しそうにするなんてさ。


 イタチのボスは仲間のイタチと話をしていたのだが、途中で気を失って倒れてしまった。

 どうやら相当疲労がたまっていたらしい。

 その様子を見ていた俺もそれは同様で、いつの間にかその場で倒れて気を失ってしまった。



~~~~~



 しばらくして俺は目を覚ます。

 辺りを見渡すと、どうやら俺は洞窟みたいな場所にいるように見受けられた。


 薄暗く、ひんやりとした空間。

 そんな空間に水色に光っているキノコが所々に生えていて、それが明かりになっているようだ。



「エンラ、目が覚めた?」



 この声は―――コクリだな。

 声がした方を見ると、そこには俺を心配そうにみつめるコクリの姿があった。



「コクリか。どうやら俺は長く眠っていたらしいな。心配かけてすまない」

「エンラが目覚めて安心したわ。結構無理していた様子だったってキュビカから聞いたから」

「ハハ……確かに相当無理はしていたかもな。全身ボロボロで、魔力も枯渇していたしさ」



 蒸気を我慢して攻撃を続けたから体中が蒸気のダメージを受けていたし、熱風吐息で全てのエネルギーを使い切ってしまった。

 だからもうあの場から歩く事はできなかったし、そのまま気絶してしまったもんな。



「そういえばここってどこなんだ? コクリがここまで運んでくれたのか?」

「ここはイタチの住処みたいよ。ここまで運んでくれたのもイタチ達なの」



 イタチの住処か。

 道理で見た事のない場所にいるとは思ったわ。

 でも俺がこんな所にいて大丈夫なんだろうか?

 一応イタチのボスと戦った相手なんだけどな、俺は。

 まあイタチ達のあの様子を見れば俺は恨まれてないみたいだし、多分大丈夫か。



「コクリはどうしてここにいるんだ? 俺の家の中で休んでいたはずだろ?」

「実はエンラが突然家から出て行った時、私はエンラを追いかけていたの。そうしたらいきなりイタチのボスと戦って倒れるエンラを見ることになったからビックリしたわ……」

「まあ俺もまさか戦うハメになるとは思わなかったよ。戦うつもりなんてなかったんだけどな」

「ふふっ、エンラから戦いを挑むなんて事はないということは分かっているわ。きっとイタチさんが何らかの方法でエンラを戦わせるように仕向けたんでしょうね」



 本当、俺を戦わせるためだけにキュビカ達の領域に奇襲をしかけるなんてイタチは思い切った事をしてくれるもんだ。

 ボスのイタチも大概だが、手下のイタチもどうかしていると思う。

 ボスがやられているのにニヤニヤした表情をするって普通はないだろ。

 感性が根本的に俺とは違うんだろうな。



「あっ……ボスー! ドラゴンさんが目覚めたみたいっすよ!」



 遠くの方からそう声が聞こえてきた。

 どうやらイタチが起きている俺の様子を見たらしい。

 ボスを呼びに行ったという事は、ボスはもう目覚めているっていうことか。


 しばらくその場で待っていると、俺の近くにやってくるイタチの姿が現れた。



「おっ、本当に起きたみたいだな。ドラゴンさん、体はもう治ったのか?」

「いや、まだダメージは残っているな。エリアボス様の攻撃はやはり強烈だったよ」

「そうか……もし治っているようならもう一勝負といきたかったんだが、残念だ」

「えっ!? また戦うつもりだったのか!? もう勘弁してくれよ!? あんな戦いが続いたら体がいくつあっても持たないから!」

「ハハ、冗談だ。さすがにそう連続して戦いなんてできる訳ないことはオレだって分かっているさ」



 そう言ったイタチは言葉とは裏腹に残念そうな顔をしていた。

 イタチの奴……本当は戦いたかったんだな。

 全く、どれだけ戦いが好きなんだか。



「そういえばここまで運んできてくれたのはエリアボスさんの仲間達なんだよな? すまないな、手間をかけちまって」

「いや、こちらの都合でドラゴンさんを傷つけちまったんだ。それ位はして当然の事さ。傷が治るまでここでゆっくりとしていくといい」

「ありがとう。あまり動けそうもないし、お言葉に甘えてもう少しここでゆっくりさせてもらうとするよ」

「そうしていくといい。もうすぐ日が暮れる。食事も用意しているし、用意できたらまた呼びにくるからここで待ってな」



 言葉を交わすとイタチはどこかへと行ってしまった。

 もうすぐ日が暮れる、か。

 イタチと戦う前は昼前だったはずだから、結構長い間、俺は気絶していたのかもしれないな。


 俺は結局この日はイタチの好意に甘えて食事をもらったり、寝床を借りて休むことに。

 ちなみにイタチ達は魚を食べるようで、夕食には魚を焼いたものや凍らせたものなどが出てきた。

 凍らせたものを食べるってどうかと思ったが、サクサクとした食感で意外といける味だった。


 そして次の日の朝。

 俺はイタチ達と別れ、自分の住処に帰ることに。



「世話になったな、水刃さん。おかげでだいぶ回復できた」

「気にするな。それより近いうちにまた勝負しようぜ。今度は絶対に負けないからな!」

「うーん。まあ気が向いたら、な」



 気絶するほどの戦いなんて出来ればもうしたくないんだけどな。

 でも戦闘好きなイタチの事だし、相手しないでいるとまた何やらかすか分からない。

 時々はイタチと戦ってやるとするか。

 ただし今度は全力ではなく、戯れる程度でな。

 模擬戦のような雰囲気で出来るのであれば、俺としても技の練習が出来るし、良い感じになると思うんだ。



 こうして俺はコクリと一緒にイタチの元を去っていった。

 現在俺とコクリはイタチの領域にいる。

 イタチの領域はキュビカの領域の北東に位置するようなので、俺達は南西方向に移動する事になるな。


 イタチの領域は湿地帯が広がっていて、地面がぬかるんでいる。

 だがキュビカの領域に入った途端、地質が変わり、ぬかるんでいない固い地面となり、背丈の高い木々などが見受けられるようになった。

 今回は空白の地を通らずに、キュビカとイタチのエリアが直接隣接した所を通ったからその差が明らかに現れている所を見た感じだ。


 エリアボスってエリアボス自身の力も凄いけど、それ以上に環境を変える力がある所が凄いよな。

 俺もフィールドクリエイトで一時的にならば環境を作る事は出来るが、ほんの短時間しか維持できないしさ。

 ずっと長い間、広範囲の土地に影響を及ぼせるって本当に凄いことだと思う。

 それを考えると、キュビカもイタチの水刃も凄い奴らなんだな……

 本当はもっと尊敬するべき相手なのかもしれない。



「エンラー、メシじゃ。早くメシを食わせるのじゃー!」



 前言撤回。

 やっぱりキュビカはキュビカだったみたいだ。

 食べ物に夢中になりすぎなければキュビカも尊敬の対象になるんだろうけどな。

 でもそうなったらそれはキュビカではないな。

 良くも悪くもそれを含めてのキュビカなんだろうな、うん。


 俺が住処に帰ってきたのを見た途端、じたばたと暴れるキュビカ。

 俺がいない間、しばらくおにぎりとか食べられなかったから食べ物への執着が酷いことになっているようだ。


 あれっ?

 そういえば今、キュビカにウェイトチェンジをかけてないよな、俺?

 気を失ってからというもの、キュビカにかけていたウェイトチェンジは解けたはずなんだが。

 それなのにキュビカの奴、自力で移動できているよな。



「キュビカさん、自力で移動できるようになったんだな。凄いじゃないか!」

「全然食べてないんじゃから痩せるのは当然じゃろうが!? とにかく早くメシをよこすのじゃ、エンラ!」



 これ以上待たせたら俺がキュビカにどうかされそうだな。

 早く食べ物を出してあげるとしようか。



********

四十五日目:残金1260326B

収入:なし

支出:なし

収支;+0B

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