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ドラゴンになってものんびり過ごしたい~動物達と気ままにスローライフ~  作者: かいものトカゲ
三章 ビジネスショッピング
49/357

49.リス達に通貨について教えてみました

 現在、食べ物は女神ショッピングで頼むか、自然に実っている物を取って食べて生きている状態だ。

 ただ、果たしてそれでいいのか?

 もしもの話だが、女神ショッピングが急に使えなくなったらどうするのか?

 その事を考えるととても恐ろしいのだ。


 そういった時も対応できるように、備蓄をしていく必要があるだろう。

 その一環として、農業をしていこうかと考えている。

 ただあるものを消費し続けるのではなく、自ら生産し、それを消費するのだ。


 農業であれば、べつに戦闘能力は必要ない。

 故にカトカでもやり方を覚えればできる仕事なのだ。

 まあカトカは手先が器用ではないから相当苦労はすることになるだろうけど。


 でも結局やり方を覚えてもらう為には当然教える人が必要な訳で。

 そしてその教える人は俺がやるしかない訳だが―――俺、全く農業の知識持ってないんだよな。

 農業って結構シビアな世界とは聞くから本当にできるのか不安だわ……


 くよくよ考えていても仕方ない。

 とにかくできる事から始めようか。

 とりあえず、何を植えるかから決めないとな。

 今の季節は多分秋だから―――



@@@@@@@@ 


 どの秋に植える植物の種をお買い求めですか?

 残り所持金 6926576B


おすすめ順 67件中5件表示


 タマネギの種(10粒入り)   10B 

 ニンニクの種(10粒入り)   10B 

 キャベツの種(10粒入り)   10B 

 ホウレンソウの種(10粒入り) 10B 

 ルッコラの種(10粒入り)   10B 


@@@@@@@@



 結構あるんだな。

 ただあまりたくさんの植物を育てるのもどうかと思うので、三種類位にしておくか。

 という事で、俺はタマネギ、ニンニク、キャベツを購入する事にした。

 それとタマネギの育て方などの本も、肥料なども一緒に購入。

 本を見ながら必要そうな物を判断し、農業に必要なもの一式を購入する為に、結局合わせて5000Bほど使う事になった。



「カトカはこれを育ててくれ」



 俺はそう言ってカトカの近くの地面に三種類の種を置いた。



「これは何なの、お父さん?」

「これはな、タマネギ、ニンニク、キャベツという植物の種なんだ。これを植えて頑張って育てると大きな野菜になるんだぞ」

「へー、そうなんだ」



 そう言って興味深そうな目で種を見つめるカトカ。

 するとその様子を遠くから見つめる目が。



「何か面白そうな事をやっているんだな」

「おっ、ユニか。ユニもカトカと一緒に働くか?」

「働く……? うん、働くんだな。みんな頑張ってるからオイラも頑張るんだな!」

「いい心意気だ。ならこれからどうすればいいのか教えるからよーく聞いておけよ?」



 そう言った俺は購入した本を見ながら何をすれば良いのかを伝えた。

 ちなみにコクリも興味を持ったようで、カトカとユニと合わせて三人で植物栽培を行う事に。

 こうして俺の指示にしたがって動く三人。

 だが、互いにことばが通じないからか、連携はうまくとれず、作業はなかなか進まない。

 何か連携を取る良い方法があればいいんだけどな……

 そうだ!



「ユニ、確かお前は自分の幻術魔法にかかった生物とであれば会話が出来るんだったよな?」

「う、うん、そうなんだな」

「例えばだけどさ、コクリとカトカに互いの言葉が通じ合うという設定の幻術をかける事は出来るか? そうすればユニと他の二人はもちろん、コクリとカトカも会話可能になると思うんだが?」

「えっ、幻術魔法!? それはちょっと、うーん……」



 ユニはうーんとうなっている。

 どうやらあまり気が進まないようだ。


 まあそりゃそうだよな。

 今までユニにとっては幻術魔法は忌み嫌う存在だったんだしさ。

 そんな幻術魔法をまた使ってくれと言われて戸惑うのは当然だろう。



「ユニが躊躇するのも分かる。幻術魔法はとても危険な物だからな。かつてユニを傷つけたようにさ」

「………………」

「でもさ、幻術魔法って使い方次第だと思うんだ。例えば俺がユニに幻術魔法をかけた時あったよな? あの時、何を感じた?」

「食べ物がいっぱいで……幸せを感じたんだな……」

「だろ? 幻術魔法は必ずしも悪い物ではないんだ。使い方によっては人に幸せをもたらすことも出来る。そして今のユニにはそうするだけの力がある」

「今のオイラに……幸せにする力が……」

「だからさ、一回試してみてくれないかな? うまくいかなかったら俺がフォローするからさ」

「……うん、分かった。やってみるんだな!」



 ユニは恐る恐るコクリとカトカに幻術魔法をかけた。

 だけど、コクリとカトカは幻術魔法を受けても何てことのないような表情をしていた。

 でも鑑定鏡で確認すると、二人とも幻視(小)になっていたので、幻術魔法自体は効いているようだ。



「二人とも、オイラの声が分かるんだな?」

「あっ、分かるわ! 凄いわね、ユニ!」

「僕も分かるよー」

「上手くいったみたいで何よりなんだな! 後はコクリとカトカが話せるようなイメージを送るからちょっと待っているんだな」



 それから少ししてユニがブツブツつぶやく。

 するとコクリとカトカに何らかの変化があったようで、コクリとカトカが互いに言葉を交わすことが出来ていた!

 どうやらこのユニの幻術魔法をうまく使う事で、この三人の間で連携が取れそうだ。

 まあ体に負担がかかるだろうから、出来れば日本語で会話が出来るといいんだが、出来ないことを考えても仕方ないしな。


 無理しないようにとだけみんなに伝えて、俺は三人が種植えをしている様子をじっくりと眺めていた。

 三人とも手が使えないから種とかは口にくわえる事になるのだが……

 うん、そうやって頑張っているみんなの姿を見るのも微笑ましい。

 いつの間にか俺も自然と種植えを手伝っていた。

 みんなで一緒に何かをするって結構楽しいものだな。

 癒されるわ。



 種を植え終わり、後は水をあげるだけになった。

 だが、ここに水がある訳ではないので、水は川から取ってくる必要がある。

 飲み水は女神ショッピングで買えばいいかもしれないが、植物を育てるには大量の水が必要だからな。


 俺は先程まとめて購入した中にあったジョウロを取り出した。

 そしてそれをみんなにそれぞれ渡す。



「エンラ、これは何なの?」

「これはジョウロっていうんだ。これを川に沈めると中に水が入る。水を入れたら、それをここまで運んで、こう傾けると水をあげられるって訳だ」

「ふーん、なるほど。植物を育てるにはそうやって水をあげればいいのね」

「それなら早速水を汲みに行こうよ、コクリお姉ちゃん!」

「オイラも一緒に行くんだなー」

「ちょっとちょっと、みんなで行くんじゃなくて、誰かここを見張ってる必要があるでしょ? ここが荒らされたらどうするのよ!?」

「うー、そうだよね……」

「確かにそれは怖いんだな……」



 コクリに注意されてしょんぼりする二人。

 すっかりコクリは二人のお姉さんになっているみたいだな。

 というか、なんでカトカはコクリをお姉さん扱いしているんだ!?

 コクリがお姉さんなら俺はお兄さんになるだろ。

 年齢的にもカトカと大差ない訳だしさ。

 なんか納得いかないなー。

 まあ別にいいんだけど。



「俺がここで見ているから三人とも一緒に行ってきたらどうだ?」

「えっ、いいの、任せちゃって?」

「ああ、いいぞ。その代わりもたもたするなよ」

「分かってるわ。なら二人とも、さっさと水を汲みに行くわよ!」

「「はーい!」」



 そう言って三人はジョウロの取っ手を口にくわえながら川の方へ向かって行った。



(ふう、これで一段落といった所か)



 俺はその場に座って一息ついた。

 辺りを見渡せば、小さめなテントに、これから出来るであろう畑。

 まだまだ改善の余地はありそうだな。

 特に水を近くにひいてこれると便利になるだろう。

 川から水を近くまで引っ張ってきて運ぶ手間を省ければ、飲料や植物にあげる水の確保が格段に楽になるもんな。


 あと使える土地が狭いからもう少し開拓した方がいいかもしれない。

 少し木を切ったりして使える土地を広げれば、建物などを建てる余地ができるもんな。

 今は仲間にキュビカもいるし、大抵の相手には対抗できるだろうから、こそこそ隠れながら暮らす必要性も少ないだろうし。

 まあ少しずつやれる事からやっていくとするか。



「おーい、エンラさーん!」



 声がかけられた方に振り向くと、そこにはカリスがいた。

 あとカリスの他にも1、2、3、4、5匹……って、ええっ!?

 何でこんなにリスがいるんだぁ!?



「今回はやけに人数が多いな」

「あっ、実はですね……おにぎりをみんなにあげたら、もっとおにぎりが食べたいって。今までエンラさんの事を怖がっていたみんなだけど、前にエンラさんがコリスを救ってくれた事で警戒心は薄れたし、あと余りにおにぎりを食べたい事から付いてきた奴がいるって訳なんだ」

「ふーん、なるほどな」



 俺はリス達を見渡す。

 カリス、クリス、コリスの他にも五匹のリスがいるみたいだな。

 俺が視線をそのリスに向けると、ビクッと身体を震わせ、足をガタガタ震わせている。

 そんなに怖がらなくても何もしないんだけどな……



「木の実を持っているみたいだが、おにぎりとの交換でいいか?」

「ああ、お願いしてもいいか!?」

「もちろんだ。ただちょっとやり方が変わったんだ。ちょっとこれを見てみてくれ」



 俺はそう言って女神倉庫から女神通貨の銀貨1枚を呼び出した。



「これは通貨というものだ。これからはカリス達が持ってきたものをこれと交換する。そしてこの通貨とおにぎりを交換するんだ」

「ふーん? でもそれって結局は木の実とおにぎりを交換するのと変わらなくないか?」

「その場合はそうだな。でもこれの良さは、必ずしも全部をおにぎりに変えなくてもいい事だ。例えば木の実を10個持ってきたけどおにぎりは3個だけでいいという時。その時はおにぎりを3個分だけもらって、残り7個分はまた後日もらう事が出来るんだ」

「なるほど。後に持ち越しができるという訳か。それは便利かもしれないな!」



 カリスは納得したようだが、他のリス達は首をかしげている。

 クリスに至っては俺の方を見てよだれをたらしているし……

 絶対話聞いてないだろ。


 ちょっと話が難しかったかな?

 まあカリスが説明してくれているみたいだし、多分大丈夫だろう。

 カリスが説明し終わると、他のリスもうなづいてこちらの方を見てきたしさ。



「今回はどうする? みんなおにぎりに変えるか?」

「そうだな。今回はあるだけ全部をおにぎりにしてくれ。それが目的だからな!」

「よし、分かった。じゃあ早速交換な」



 俺は木の実を受け取ると銀貨を1枚渡す。

 そしてリスから銀貨を受け取り、俺はリスにおにぎりを渡した。

 なんか無駄に一手間かけているようだが、こうした方が、お金の使い方が分かるのではないかと思うのだ。


 リス達はその場でおにぎりを食べ始めたのだが、その途中でコリスが話しかけてきた。



「あれぇ? ユニちゃんはどこにいるのぉ……?」

「ああ、ユニはちょっと仕事をしてくれていて、今はここにいないんだ。ごめんな」

「仕事? どんな仕事なんだ?」

「植物を育てるという仕事だ。みんな食欲旺盛で食べ物がなくなっちゃうから自分達でも食べ物を作らないとって事だな」



 へぇーと感心するリス達。

 まあ動物に植物を育てるという発想はないんだろうから無理もないだろうな。



「ならさ、さっきの木の実も育てたりできないか?」

「木の実をか? 出来なくはないかもしれないが、木の実が育って実るまでは途方もない時間がかかるぞ?」

「そ、そうなのか。あー早く育てられると良かったんだけどなー」



 そう言うとハァとため息をつくカリス。

 何かあったんだろうか?



「何だか表情が優れないな。どうした?」

「もうすぐ嫌いな冬が来るんだよ。冬になると食べ物はとれないし、今ためこんだ木の実をちょっとずつ食べていくしかなくなるんだ」



 食料をためこむ、か。

 そういえばリスって冬眠するんだっけ。

 冬眠するために食料を今のうちにためこまないと生きていけなくなるんだろうな。



「蓄えはあるのか? もしないなら、おにぎりと交換している場合じゃないと思うんだが?」

「それは大丈夫。今年は例年に比べてもかなり豊作なんだ。信じられないほどにな。だから蓄えにも既に余裕がある」

「おお、それは良かった。なら、別に今は困っていないんじゃないか?」

「確かに今は平気だ。でも次の年も豊作とは限らないだろ? できるだけ多くの木があった方が安心じゃないか」



 まあ、確かにそれはそうだ。

 カリスって結構しっかりしているな。

 今年の事じゃなくてもう来年の事を心配しているなんて。

 俺は今を過ごすのに精一杯だっていうのにな。


 俺ももうちょっと先を見据えて生活するべきなんだろうな、きっと。



********

二十日目:残金6921076B

収入:なし

支出:植物栽培関連品5000B、おにぎり500B

収支;ー5500B

アレノスナッツ5個はバッグに収納。

********

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