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ドラゴンになってものんびり過ごしたい~動物達と気ままにスローライフ~  作者: かいものトカゲ
二章 ライフショッピング
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42.キュビカとお出かけをしてみました

 キュビカが言っていた危険な花畑を目指し、キュビカについて行く俺。

 ただ歩くだけではつまらないので、少し話を聞いてみる事にした。



「キュビカさんは前にその花畑に行った事があるんだよな?」

「そうじゃのう。もう7年程前の事にはなるが、行った事はあるぞ」

「じゅ、7年も前……。なら、今はもう花畑があるかどうかも怪しくないか?」

「7年位じゃ対して変わらんよ。7年なんてあっと言う間に過ぎる。そうは思わんか?」

「そ、そうなんだろうか……」



 まだ20年も生きた記憶がない俺にとって、7年があっという間に過ぎると言われてもピンと来ないな。

 でも年々過ぎていく時間が早くなっていっているような気もするから、長年生きているであろうキュビカにとっては本当に7年なんてあっという間なんだろう。

 いつか俺もそう感じる時が来るのかもしれない。



「前に花畑に来た時は鷹達に連れて来てもらってたのか?」

「いや、その時のわらわはまだエリアボスではなかったから、鷹とは関わりもなかったのじゃ。もちろん歩いて自力で向かったわい」

「歩いて、か。その当時はだいぶ痩せていたという事だな」

「失礼な事をいうものよのぉ、お主。まあその通りなんじゃけどな。エリアボスという仕事は色々と疲れるものでの。疲労を回復する為に食べていたらこの有様じゃ」



 食べてストレス解消していたって事か。

 ありがちな事ではあるよな。



「そういえばエリアボスってどういう事をするんだ? そんなストレスたまるような事をするものなのか?」

「そうじゃのう……エリアボスの主な仕事は自分のエリア内の土地を活性化させる事じゃな。エリアボスはエリアの恩恵を受けると同時にエリアに恩恵を与える義務もある。エリアボスの力が強いほど、その土地は豊かな物となるのじゃ」

「そうなのか。つまり、この地が自然豊かなのはキュビカさんの力が強いからなんだな?」

「よく分かっておるではないか、お主。そうじゃ、わらわは強いのじゃぞ?」



 えっへんと胸を張るキュビカ。

 キュビカの周囲を取り巻くエリアの加護は強力だし、キュビカの力が強いという事は疑いようもないだろう。



「そんな強いキュビカさんなら自分のエリアを拡大したりもできたりするんじゃないか?」

「もちろんできるとも。じゃがわらわはそのような事はせぬ。これでも無駄な争いは好まぬ方でな」

「そうなのか? その割には無関係なリスを食おうと俺に戦いを挑んでいた気がするが」

「食べ物の事となれば戦いは止むを得まい。食べなければ死ぬからな」

「別にリスを食べなくても他の生物を食べればいいんじゃ……」

「美味しい物を食べられないのはわらわにとって死活問題なのじゃ! ただ腹を満たせれば良いというものではない!」



 す、すごい気迫だなキュビカさん。

 さすがは食一筋なだけあるな。

 だからこそ、ふとっ―――

 いや、これ以上はやめておこう。



「そもそも、エリアを拡大するというのは並大抵の事ではないんじゃ」

「というと?」

「エリアを拡大すれば、その分だけより多くの自らのエネルギーを注ぎ込む必要がある。もちろんエリアが拡大した分、恩恵も大きくはなるが、体への負荷は確実に大きくなるのじゃ」

「なるほど。並大抵の者ではそのエネルギーのやり取りに体が耐えきれなくなるという訳だな?」

「その通り。その上、エリアが荒れぬよう管理するのも、他のエリアからの侵攻を防ぐのもより大変になるのぉ」



 なるほどな。

 エリアを拡大するっていうのは結構大変な事らしい。

 キュビカさんはそのことを知っているから、無理にエリアを拡大せずに現状を維持し、今あるエリアを豊かにしているんだろう。

 だからといって動かなくなって太ってゴロゴロしているのはどうかと思うが。



「まあお主が協力してくれるのならもうちょっとエリアを広げる余裕も出てくるかもしれないがのぉ」

「冗談言うなよ。俺はキュビカさんという個人とは仲間になったが、エリアボスの手下になったつもりはないぞ?」

「ほほ、そんな事は分かっておるよ。エリアに関してはわらわが一人で管理する故、お主はお主で守るべき者を守るがよい」

「ああ、言われなくてもそうさせてもらうつもりだ」



 俺はコクリ達と一緒に過ごせればそれでいい。

 そんな広い範囲を支配するような事は望まないし、そもそも俺に支配者なんて務まる訳ないだろ。

 だから今のままで暮らしていければ十分なんだ。



「さて、そろそろ目的地に着く頃かの。ほら、見えてきたぞ」



 キュビカが指差す方向を見ると、そこには色とりどりの花が咲き乱れている様子が見えた。

 赤、青、黄……など非常にカラフルな花畑だな。

 だけどこの花畑を見ていると、何故か不快感を覚えるんだよな。

 モヤモヤした気配を感じるというかさ。

 それにあの花、赤い花にはどこか見覚えがある気がする。

 どこで見たんだっけな?



@@@@@@@@


 あの”ヒトクイアカバナ”は所有できないので売却できません。


@@@@@@@@



 げっ。

 ヒトクイアカバナだったのかよ。

 道理で見覚えがある訳だ。



「キュビカさん、あの赤い花、花じゃなくて魔物みたいなんだけど?」

「ほほ、気付いたか。そして実は、魔物はあの赤い花だけじゃないのじゃ。そこに咲き乱れる花の八割は花に偽装した魔物だったりするのぉ」



 げげっ。

 一見綺麗に見えるこの花畑は魔物の巣窟っていう訳かよ!?

 モヤモヤした不快感は偽装したこいつらのせいだったっていう事だな。



「じゃが見るだけならそれなりに綺麗じゃろ? なに、あの程度の魔物ならわらわとお主の敵ではあるまいし、遠くにいれば襲ってくることもないから安心なんじゃよ」

「ま、まあ確かにそれはそうなんだけどな……」



 初めてヒトクイアカバナと戦った時と比べると、今のヒトクイアカバナから感じる気配はとても小さい。

 強くなった俺の敵ではないということなんだと思う。

 だからといって不用意に近付いて戦うハメになるのも面倒なので、このまま遠くから眺めているだけにしておくが。



 しばらく花畑を眺めてから、俺とキュビカは住処に戻る事に。

 最初見た時は花畑を見ても不快感しかなかったのだが、意外と慣れてくると普通に見て楽しめた。

 ヒトクイアカバナなど肉食植物の見た目はほぼ植物の花と変わらないから、見る分には綺麗なんだよな。

 危険をわきまえて楽しむ分にはいいのかもしれない。


 キュビカと雑談をしつつ、住処へと戻った俺。

 するとテントの近くに何かが山積みにされている様子が見えた。



「あれってもしかして、鷹が狩った獲物なのか?」

「そうじゃ。一回鷹は自分の住処に狩った獲物を集める。そして必要数の獲物を狩った所で、例えばお主の所に届けていたのじゃ」

「なるほどな。そうしないと、獲物を持ちながらまた他の獲物を狩るなんて事はできないもんな」

「そういう事じゃ。まあこれからは住処自体が届け先になるから鷹としてもだいぶ楽になるじゃろう」



 確かにそうだよな。

 今まではキュビカが住んでいた場所に獲物を集めてから俺の所に運んでいたんだろうしさ。

 その運ぶ手間がなくなったら、そりゃ楽になるわ。


 しばらく住処の近くでくつろいでいると、鷹達は時々獲物を持ってきてはまたどこかへ飛び去るという事が数回。

 だいぶ獲物がたまってきた所で、鷹達は周囲の木にとまって休み始めた。



「皆の者、ご苦労じゃった。さて、エンラ、わらわと取引といこうではないか」

「キュビカさんと直接取引をするのはこれが初めてだな……いいだろう」



 今まではキュビカの要望をただ聞いて、それを渡すだけのものだった。

 だが今回からはキュビカと面と向かって取引をするのだ。

 要望も話を進めていくにつれて変わるかもしれないし、交渉という要素が加わってくるだろう。

 いくらキュビカは仲間になったとはいえ、キュビカの抜け目のなさは知っているし、油断してはいけない事は分かっている。

 結構緊張するな……



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十九日目:残金4998298B

収入:なし

支出:なし

収支;+0B

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