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ドラゴンになってものんびり過ごしたい~動物達と気ままにスローライフ~  作者: かいものトカゲ
二章 ライフショッピング
25/357

25.テントの中に入って雨宿りすることにしました

 説明書の通りにテントを組み立てていく俺。

 複数の木の棒を地面に食い込ませたりする必要があるみたいだし、だいぶしっかりした造りのようだ。

 慣れないからか、なかなか上手くいかなかったが、それでも何とか形にはなった。

 そしてテントの内部に関しては適当に余った布を敷いて、完成っと。


 あっ、ちなみにテントはちょっと高台になっている所に設置しておきました。

 そうしないと雨が降り続いた時にテントまで水が浸水しかねないからな。

 立地場所って本当に大事だな、うん。


 俺はテントから少し離れ、そしてじっくりとテントを眺めた。

 緑に覆われた自然の中にポツリとたつ人工物。

 ようやく、ちょっと文明的(?)な生活に一歩近付けたような気がする。

 これを足掛かりにして、どんどん快適な生活が送れるようになるといいな。



「おっ、エンラさん、どうしたんすか、これ?」



 いつの間に起きたのか、木の枝から俺の肩に飛び移ってきたのは鷹のターガである。

 ターガの姿を見た瞬間、三匹のリス達からは「ひぃぃぃ!?」っと悲鳴があがった。

 そりゃついさっきまで自分達の住処を襲ってきた種族が近くにいれば恐ろしくなるよな……



「あっ、驚かせてゴメンな。こいつは鷹のターガというんだ。カリス達リスを食べないようにキツく言っておいたから心配しなくてもいいぞ」

「ほ、本当……?」



 俺がそう言ってもリス達の体の震えは止まらない。

 だが、一目散にこの場から逃げない事を考えると、ターガを心の底から恐れているという訳ではなさそうだ。

 大丈夫という俺の言葉を信用してくれているのかもしれないな。



「リス……? ああ、そういえばエンラさん、リスの知り合いがいるって言っていたな。そいつらがその知り合いか?」

「ああ、そうだ。優しくしてやってくれな」



 俺とそう言葉を交わすと、ターガは地面に降り立ち、リスの目の前まで移動した。

 ターガが一気に近付いてきて、思わず後ずさりするリス達。

 一方ターガはのんきなもので、じっくりとリス達を観察する。



「こいつら、おれを見てもこの程度ですむとはなかなかやるな。おれがリスを襲う事はないとエンラさんが伝えたのか?」

「まあ、そんな所だ。さすがに説明しないとリス達をずっと死の恐怖に陥れる事になってかわいそうだからな」

「確かに、言われてみればそうなるよな。よし、ちょっとリス達に待っていてもらってもいいか?」

「ん? まあ、いいけど」



 ターガはそう言うと何処かに飛んで行ってしまう。

 そして少し経つと戻ってきて、リスの目の前に音もなく降り立った。


 ターガはリス達それぞれの足元に何かを置く。

 一体何なんだろうと思い、女神ショッピングの売却を試してみると……



@@@@@@@@


 ”アレノスベリー”を売却しますか?


 売却額 400B


@@@@@@@@



 おっ、ベリーってことは果物か!

 確かに赤っぽくて食べるととっても甘くて美味そうだ。



「ターガ、その果物は友情の証みたいなものか?」

「まあ、そんな所だな。こんな事をしてもあまり意味ないかもしれないが、ちょっとでも喜んでもらえたらなって」



 なるほど……

 ターガって意外と気が利くんだな。



「あっ、もちろんエンラさんとコクリさんの分も用意してるぞ。是非召し上がってくれ!」

「おおっ、ありがとな!」



 ちゃっかり俺の分も持ってきてくれたのか。

 本当、しっかりしているわ。


 ただ、俺の体の大きさだと一瞬でなくなっちゃうんだよな、こういう物は。

 ぱくぱく満足そうに食べられるリス達が羨ましい。


 ……ん、待てよ?

 そういえば今の俺って体の大きさを変えられるんだよな?

 なら、体を小さくしてから食べ物を食べれば、かなり満足出来るんじゃないか!?

 ならば、早速試してみるしかないだろう。



 俺は自分にサイズチェンジをかけてみるみるうちに体を小さくしていく。

 それからアレノスベリーの所まで移動する。

 もちろんウェイトチェンジで体重を軽くしてからな。

 でないと重くて動けなくなってしまうしさ。


 ……やっぱりデカイな。

 自分が小さくなれば、大きさの変わらないアレノスベリーは相対的にそれだけ大きく感じる事になる。

 となれば当然―――



 ガブリッ



 おおっ、口いっぱいに頬張ってもまだたくさんアレノスベリーは残っている!

 やっぱり体を小さくしたのは正解だったな!


 ちなみにアレノスベリーは甘さの中にちょっとした酸味があって癖になる味で、なかなかの美味だ。

 甘すぎず食べやすくて、俺のおやつにはちょうどいいかもしれない。



「え、エンラさん、ちっちゃいな。今のエンラさんなら丸飲みにできそうだ」

「やめろよ、ターガ。もしそんな事したらお前の口の中で元の大きさに戻ってやるからな。……そうしたらどうなるか想像つくよな?」

「……も、もちろん冗談だって。おれがそんな事する訳ないじゃないすか! でも体の大きさを変えられるなんて羨ましいっすね。でもどこまで大きくなったり小さくなったりできるんだろうな?」



 確かにそうだよな。

 今の所、小さくなる分には結構な小ささまで縮むことができているので、結構自由はききそうだ。

 だけど限界があるという可能性はあるよな。

 限界がなかったら、微生物レベルまで小さくなることも可能だし、上限としては立っているだけで大気圏を突破するほどの巨体になることもできるのではないだろうか?

 まあ実用的じゃないからそんな事を試そうとも思わないが。

 特に大きくなるほうはな。

 興味本位で試して、例えば俺の姿が多くの人間の目にとまって襲われるようになったら目も当てられないだろ。

 そんなのはごめんだからさ。



 アレノスベリーを食べつくした俺は元の大きさに戻った。

 リス達もアレノスベリーを食べきったようで、それをきっかけにリス達のふるえがだいぶ収まったようだ。

 クリスに至ってはターガを見てよだれをたらしている。

 ……なんかクリスがターガを食べようとしているように見えるな。

 まあクリスにその気はないんだろうけど。



「うーん、よく寝た。あれっ、リスさん達来ていたのね?」

「あ、コクリ、起きたのか」

「うん、おかげさまでよく眠れたわ。あれっ、ターガったらこれを私にくれるの?」



 ターガはうなづいて、アレノスベリーをコクリに渡した。

 そしてコクリはアレノスベリーを一飲み。



「うん、美味しいわ。えっとこういう時はなんて言うんだっけ……『ありがとう』」

「ありがとう、か。どういたしまして」



 早速コクリが日本語を使ってくれているな。

 こんな感じで徐々に仲間同士の意思疎通がとれるようになると俺としても嬉しい。



「あれっ、エンラ。これは何なの?」

「ああ、これはテントといって、俺の住処にしようかと思ってな。雨が降りそうだから、雨宿りもかねてそうしようかと」

「えっ? でもその大きさだとエンラは入れないんじゃ……?」



 あーコクリは俺がサイズチェンジを使っている所を見ていないのか。

 ということで、俺はサイズチェンジをコクリの前で使い、小さくなってから元の大きさに戻した。



「なるほど。とても便利な能力ね。羨ましいわ」



 うん、とても便利だとも。

 今後ともどんどん活用していくことになるだろうな。



 ポツッ



 ん?

 この感じ……

 雨か?


 俺は空を見上げる。

 するとポツポツと雨が降り出している様子が見えた。



「早速テントの出番だな。みんな、テントの中に入ってくれ。その中なら濡れないからな!」

「「はーい」」



 リス達、ターガ、コクリはテントの中に入っていった。

 俺はテントに入るサイズに体を縮めてから同じくテントの中に入っていく。


 テントに入ってゆっくりとしていると、外からザーッという音が聞こえてきた。

 どうやら本降りのようだな。



「おー、本当にこの中だと濡れないんだな!」

「そうだぞ。何といっても俺が頑張って作ったからな!」

「エンラさん、すごいなぁ」



 はは、実は内心すごいヒヤヒヤしているんですけどね。

 だって初めて作ったんだもん。

 組み立て図を見ながらとはいえ、やっぱり本当にこれで大丈夫か不安になるよな。

 でも今の所雨漏りもないし、上出来と言えるのではないだろうか。


 さて、みんなが揃った事だし、せっかくだから日本語の勉強でもしてもらおうかな。

 リス達にもできれば理解してもらえると助かるしさ。



********

六日目:残金29398B

収入:なし

支出:なし

収支;+0B

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