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ノワの方舟  作者: EVO
決戦、暗黒生命体
62/71

腕試し1

「心配したんだからねキャプテン」

「・・・おう」

「酒に酔って、報告連絡相談を怠り、債権者から離れる、一般的に言ってバカでは?」

「・・・はい」

「キャプテンさん・・・」

「・・・」


 キャプテンはほろ酔いで、探していたお酒を見つけたので衝動的に出発、シェフィ(球)は丁度メンテナンスの時間で連絡したかどうかも確認せずにワームホールドライブ中はスヤスヤと爆睡、こちらの心配もなんのその。

 いや流石にキャプテンも悪いことをしたと思ってはいるみたいで、バツの悪い表情で私達の文句を真摯に受け止めていた。


「いや、本当に申し訳ない、あとニーナ、無言で見つめるのはやめてくれ、それはアタシに効く」

「はい、私は特に、ノワが心配していたとかそういう事は、特に」

「いや、すまんて、今回の件は完全にアタシの手落ちだ」

「ふふふ、手落ちの結果が我々アークも大会出場とは面白いお話ですね、キャプテン?」

「うあー、悪かったってシェフィ!」


 そう、キャプテンが狙っていた大会の副賞のお酒、大会とは武装大会の商品だった、武装大会とはつまり白兵戦と航宙艦でのトーナメント戦で誰が1番強いかを決める帝国イチの大規模な大会だ。


「ふーん、いざ来てみれば大会のレベルが高くて、副賞も複数あるからアークも登録した、と」

「ダメか・・・」


 キャプテンは既に涙目である、そんなに欲しいお酒なのか疑問だけど、基本的に筋を通すキャプテンがシェフィ(球)を口説き落としてアークの参加登録も勝手に済ませたくらいだから相当なのだろう。


「まあ、良いけどね」

「しゃっ、サンキューノワ!」

「反省して下さいキャプテン、借金奴隷に落としますよ」

「スマセンシタ」

「まあまあシェフィもそこら辺で、いいよ私は気にしてないから、それより連絡なしで居なくなるのは本当に止めてねキャプテン」

「アイマム、そこは本当に悪かった」


 普通のコロニストや惑星の一般人みたいな生活をしているならまだよかったんだけどね、傭兵や軍属のような人間にとって所在不明はイコール死亡に繋がりやすいからあまり褒められたものではない。

 それとシェフィ(球)が私の大会参加を許可した事だ、一応キャプテンのブラックダイヤのサポートクルーとして乗っているけど、主は本体シェフィと同様私なので基本的に私の判断が必要な場合は私の意見を必ず確認する筈だ。

 それが私の了承無しに大会参加となると疑問が残る


『申し訳ございませんノワ様、今回私の独断でキャプテンの提案を許可致しました』

「理由は?」

『はい、先日ノワ様は御立場を確立させました、しかし白銀の御髪と蒼眼はやはり皇族として誤解を受けやすいと常々考えておりました』

「うん」

『こういった大規模な大会で活躍すると嫌でも注目される事と愚考致します、マスコミも一定数注目を集める事で必ず質問されることでしょう「皇族とそっくりの容姿、御関係は?」と』

「あー、成程、つまり最初から顔を売って皇族否定をしておいた方が今後いちいち煩わされる事も少なくなると」

『はい、如何でしょうか』

「ノワ様、本体として私も同意見です、一部越権行為は確認されますが大会参加のキャンセルは幸い間に合う期間です」

「うん、まあシェフィ(球)の行動を咎めはしないよ、私の為を思った行動だし、理にかなってると私も思うからね」

「はい、いいえ、ありがとうございます」

「あらあら、ノワったら武装大会に参加するの」

「血が滾るのう」


 おじい様達とママは私の傭兵としての活躍を見れるとウキウキしている、望んだ展開では無いけどママ達にいい所を見せて安心して貰おう!

 そんなこんなで私達は武装大会航宙艦の部に参加することになったのだった、因みに白兵戦の部にも3人1組(スリーマンセル)でキャプテン、ニーナ、私が登録されているけど、私が足を引っ張るのが目に見えているので期待しないで欲しい。


 ***


『さあー今年もやって参りました、武装大会白兵戦の部、帝国内の腕自慢が一堂に会する最大規模の大会に今回は新たなヒーローが誕生するのでしょうか、実況はわたくしネロ、そして解説は現役の帝国情報解析官ハスター氏をお迎えしてお送り致します』

『帝国近衛情報解析官のハスターです、宜しくお願いします』

『宜しくお願いします! さてハスターさん早速ですがイチオシの人物やチームは居ますか?』

『そうですね、我が帝国精鋭部隊を推したい所ですが、ここは・・・チーム「方舟」が面白いと思います』

『チーム「方舟」ですか、此方はあまり聞かない人物の様ですが?』

『主星系では無名ですがE(エニースト)からM(ミューズ)星系辺りでは最近名を上げている傭兵ですよ』

『ほうほう、具体的にはどの様な方達ですか』

『はい、まずキャプテン・ドレイク、こちらは金獅子級の傭兵で安定した実力者です』

『彼女は私も知っています、古参のベテラン、操艦技術や強化外骨格(パワードスーツ)で活躍していますね』

『続けてニーナ女史、彼女は帝国の軍属ですが傭兵艦アークに搭乗しております、ニーナ女史は軍の成績や実績共に優秀なので白兵戦航宙戦共に高い実力を持っています』

『なるほど、軍属ならばある程度の活躍は見込まれますね』

『そして傭兵艦アークの艦長キャプテン・ノワ、彼女は最年少航宙艦操作資格保有者、最年少銀獅子級傭兵、最年少功一等銀皇大勲章受勲』

『そ、それは凄い経歴ですね、失礼、手元の端末で調べてみますと確かに全て確認出来ます』

『彼女も主星系では無名ですが、他星系では輝かしい功績を残している腕利き、しかも15歳の美少女です』

『美少女!これは今回のヒーロー、もといヒロインは決まったかぁ~? おや、手元にキャプテン・ノワからメッセージが・・・、「航宙戦は勝つ自信はあるけど、白兵戦は無理です運動音痴なので」だそうです』

『彼女の白兵戦の実力は確かに未知数ですが、射撃能力は航宙艦で証明しています、油断は出来ませんよ!』

『なるほどなるほど、それにしても航宙戦の勝利宣言、これは他の傭兵や軍人が黙っていないのでは?』

『ええ、基本的に戦う人間は闘争心が強いです、厳しいマークが予想されますね、楽しみです』




 私は今周囲の参加者から睨まれていた、インタビューされたから素直に「白兵戦は無理です、航宙戦は多分勝てますけど」言っただけなのに、なんでこうなるの!?


「バカだねえ、面白おかしく盛り上げられるに決まっているだろう、こういうのはノーコメントを貫くんだよ」

「うう・・・」


 因みに白兵戦は本当に自信が無い、キャプテンが強化外骨格(パワードスーツ)、ニーナが生身でフロントフォワード、私が狙撃銃でフルバックのオーソドックスな3人1組のスタイルで参加だ。

 銃弾は模擬弾、レーザーは低出力、特殊なシミュレーション空間でダメージをリアルタイムで計算して、ダメージに応じて身体の部位が動かなくなるフルリアルバトルフィールドで競い合う、怪我の心配は殆ど無いので安全に暴れ回れるのだ。





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