前半の成果
短めですm(__)m
降下した樹林の中は、背の高い木の影で薄暗く、光は殆ど漏れていなかった。
たまに、倒れている木の真上に僅かな青空が輝くのみだ。
此処で迷ったら一生出れないだろう。
四方に同じ光景が延々と続くので、自分の所在地がサッパリなのだ。
剣士とその候補生がトレーニングに行くのを見送ると、僕はリーアン候補生(*以下リーアン)と共に飛龍を休める場所に連れていった。
リーアン曰く、決まった場所があるそうで、この役目は候補生が交代で行うそうだ。
待っている間、彼から見える場所にいるかつ水場には近づかなければ大丈夫だという事で、周囲に繁茂する見たことのない(不気味な)植物や鉱物を採集した。
そうすること2時間、剣士と候補生の姿がちらほらと見え始めた。
「あ、クラウディさん!お疲れ様です!!」
「お疲れ様っス!なんか良いモノ見つかったっスか?」
最初に戻ってきた、アルを含む2人が駆け寄ってくる。
敬語で話そうとすると、アルに止められた。
「やめて下さい!お客人に敬語で話されると俺らが怒られるっス!!」
隣の候補生も同調し、何度も頷いた。
「分かり、あ、分かったよ!
そう、まぁ、見たことないヤツばかりだから、良いものかどうかも不明なんだけど、、。」
そう言って紐を解き、袋の中身を見せた。
「うわ!凄い沢山採れたっスね!!
俺なら途中で腰痛くなって諦めそうっス!!!」
褒められて悪い気はしない。
しかし相手は剣士候補生である。彼等にとって目新しいものがあるとは思えなかった。
「まさか!慣れてるだけだよ!
そうだ、2人の成果はどうだったんです?」
アルはニヤッとすると、腰に付けていた小さな茶色い革袋を開け見せてくれた。
其処には大小様々な色取り取りの魔結晶が入っていた。
「いやー、最初はゴブリンとかネズミとか、そんな雑魚モンスターしかいなかったんスけどー。
変な瘴気が発生してた洞窟に行ったら、ドンピャ!!
虹ガラスが、産卵の為に魔結晶を集めてたんですよ!!
モチロン、すぐ倒して根こそぎ失敬しましたよ!
因みにこっちが虹ガラスの魔結晶っス!」
アルはいつの間にか取り出した黒色の魔結晶を見せてくれた。
それは以前自分が手に入れた魔結晶よりは薄く見えた。
魔結晶の色の濃さや鮮やかさ、形は生命力に比例する。もしかしたら、アレはトンデモナイ代物かもしれない。一瞬そんな考えが頭の中をよぎったが、握った時に全く魔力を感じなかった事を思い出してその考えを打ち消した。
蝉が鳴いとる、、、




