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予期せぬ遭遇

好きな時に、好きなジャンルの小説が読めるって最高^ ^


この話の中での貨幣価値

1ルーヴル=100円

「換金、お願いします。」


俺はモンスターを狩ったあと、魔結晶を現金に変えるため、冒険者ギルドにやってきた。

夕方のこの時間帯は、依頼を終えた冒険者達が多く、非常に混雑している。

そんな中、ギルド内の一角で、受付嬢のマイリが大声を出し、周囲の注目を集めていた。


「ちょ、ちょっと ダスカンさん!!勘弁してくださいよぉっ!!!何を狩ってきたらこんなに大きな魔結晶がドロップするんですか!?」


この周辺には弱いモンスターしかいないが、軍事拠点であるため、戦闘力の高い剣士が2、3名常駐している。

しかしながら、現在隣国と戦争状態では無い為、剣士達が行うのは訓練のみであった。

そうして暇を持て余していた彼等は遠征という名の害獣討伐を行うのが近年の慣例となっている。

日中、飛龍が街の上空を数度行き来するが、殆どは彼等が外部への”遠征”に向かうか、帰宅している時の様子だ。

正直、市民として有事の際に対応が遅れてしまわないのか心配ではあるのだが、彼等と此処にいる冒険者達とでは、戦闘力に天と地程の差があり、接触はタブーとなっている。


この特殊状況を鑑みてか、ギルドでは剣士のみ対応する専属の受付嬢、兼鑑定士を雇っている。もちろん、剣士サマの不興を買わないよう、容姿も申し分ない。濃いピンク色の髪をした彼女はギルドの中で、得難い大切な人材として、白の制服(通常は緑)の着用を許されていた。


おっと、話を戻そう。


先ほど注目を集めていたマイリのテーブルには、乳白色で15センチはあろう、魔結晶の塊が置かれていた。

大抵の魔結晶は2〜3センチぐらいしかないので、規格外の大きさだと言える。

しかも、色が素晴らしい。あんなに綺麗で神秘的な魔結晶は今まで見たことがなかった。


「ナラバマの森に行ったらヨォ、急に飛び出してきたからさぁ、首をこう、スパーンと一発やったんだよ。したらさぁ、よくよく見たら大白鷺だったんよ!

ありゃあ、ラッキーだったなぁ!なぁ、ジル?」


筋骨隆々で燃えるような紅い髪をした男は机にもたれ掛かりながら、隣で腕組みをしていた、金髪碧眼の見目麗しい美男子に同意を求めた。


「よく言うよ。結構ビビってたのにー。

マイリちゃんもこいつの言うこと、あんまり信じない方がいいよ?」


ジルと呼ばれた男は、戯けて見せながら、やれやれという風に首を振った。


「ちょ、こらジル!!言うなよ!!俺が倒したのは本当だしさぁ、、」


「わかってるよ、ダスカン。マイリちゃんにいいとこ見せたかったんでしょ?」


ニヤニヤしながら、ジルはダスカンの横っ腹を肘でつついた。


「えー、そうなんですかぁ??もぅ、ダスカンさんったらぁ〜!

危ないこと、あんまりしちゃ、め!ですよぉ〜??」


マイリはふふっと笑いながら、上目遣いと猫なで声で、ダスカンに、さも恥ずかしげに答えた。


「わかってるよォ。っつたく、マイヤちゃんとジルにはかなわねぇなぁ!!」

あはははと笑っている彼等だか、やっていることはえげつない。大白鷺は通称白い悪魔と呼ばれ、(このギルドにはいないが)Cランクの冒険者10人で向かって、勝てるか勝てないか五分五分であるというバケモノだ。

それを1人で倒したと言うのだから、彼らの実力はA、少なくともBランクの実力があるという事だ。




「クラウディさん、お待たせ致しました。こちら報酬の20ルーヴルで御座います。お納めくださいませ。あと6回依頼達成して頂きますと、Dランクに昇級です。頑張って下さいね。」


「有難う、頑張「おいおい、報酬がたったの20ルーヴルって冗談だろ?娼館で女ひとり抱けねーぜ?」


クスクスと、周囲から失笑が聞こえる。

誰か、冗談だと言って欲しい。自分に絡んできたのは、先ほど騒ぎになった原因の剣士、ダスカンだった。

ギャハハと下品に笑いながら、話しかけてくる。


「お前さ、その程度の収入でどうやって暮らしてんだよ?副業でもしてんのか??だったら俺らと同じだなぁ、な?」


同意を求められても困る。まぁ、答えは決まっているのだが。


「そんな、剣士サマと同じだなんて、、、。剣士サマは街を守るための訓練で、、ついでに害獣を狩っておられるのでしょう?…自分とは全然違います!」


「ギャハハ、よぉーく分かってるじゃねーか!!」


「…ほんとにね?じゃあ、そんな賢い君に、明日の遠征の同行頼もうかなぁ?実はさ、明日は部下がひとり首都に招集かかってさぁ、食料持っててくれる奴いないんだよねー。お願い出来るかな?」


なんだか含みのある言い方が気になったが、このジルという人物、何を考えているのだろうか。


「えっ。いや、そんな!自分だと剣士様の足を引っ張るのが目に見えてます!!足手纏いですよ!!」


「そんなことないよ!ほんと、一緒について来てくれるだけでいいからさ!」


これ以上断ると馬鹿にされたと受け取られかねない。ほぼ強制的に、明日は剣士サマ達の"遠征"に同行する事が決まった。


読んでいただき、ありがとうございます☆

作者の励みになります( ✌︎'ω')✌︎☆

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