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【加筆修正中】EgoiStars:RⅠ‐Prologue‐  作者: EgoiStars
帝国暦 3357年 復古宣言 [中編]
95/110

第46話『旅は道連れ』

【星間連合帝国 アイゴティヤ星 恒星間運送業社 地下ドック】


 恒星間運送業社内は帝国最大の運送業という真っ当さとマフィアという黒さを併せ持つ企業であるというのは周知に事実である。表向きの体裁を考え、マフィアでしのぎを得る者はこのビルの地下、もしくは別支部に拠点を置き、この本社ビルの一般階層に姿を見せることは殆どと言っていいほどない。しかし、その日のビル内は両者が入り乱れる慌ただしさを見せていた。

 チンピラと堅気が慌ただしく行き交う人混みの中を、レオナルドは小さな体ですり抜けながら聞き耳を立てていた。


「戦皇団の連中が姿をくらましたみたいだ」


「どうも連中は帝国宰相とやり合っとるらしいぞ」


「あんなガキ共が?」


「会長は連中を宰相に引き渡すつもりだったようですね」


「なるほどな。だから三代目があんなアッサリやられた訳だ」


様々な声が飛び交う中、レオナルドは人混みを抜けて階段へとつながる扉を押し開けた。

 余程の急用でない限り楽な道へ行くのは人間の性だろう。それを証明するように人が行き交う廊下と違って階段には人気がなかった。誰しもが忙しさをアピールしているが皆エレベーターに群がっているのだ。無人の階段の踊り場でレオナルドは手首の装着している端末を起動させると、階段を駆け下りながら事前に用意しておいたビルの見取り図を開いた。


「(戦皇団が逃げた……でもこんな敵地のど真ん中から逃げ切るのは厳しい。……と、考えるなら逃げ道は準備されているってことかな)」


レオナルドはそう心の中で呟きながら無人の階段を駆け下りる。未だ階段を利用するも者はなく、時折すれ違うのは清掃用のロボットくらいである。緊急事態にも関わらずエレベーターしか頼らないというのは組織としての意識の低さが見て取れた。


「(ウチの海賊団もあんまり人のこと言えないか……)」


自虐に微笑するレオナルドは再び見取り図のホログラムに視線を落とす。やがて彼は立ち入りを禁じられた区画のある地下5階に繋がる踊り場に降り立った。

 階段から地下スペースに繋がる扉は旧式で自動ではなくドアノブが備え付けられている。レオナルドはそっとドアノブを握るが立入禁止区画なだけあって当然鍵がかかっていた。ドアノブには鍵穴はおろか、ロックを解除する認証システム機器も備わってはいない。その構造を見てレオナルドは小さく息をついた。


「……空き巣みたいな真似はしたくないけど」


彼はそう呟くとその小さな体に似つかわしくない威力の前蹴りをドアの中心に打ち込んだ! 金属が破裂する音が響き渡る。しかし誰も階段を利用していない以上、その音が誰かの耳に届くことはない。

 蹴破られて無残に廊下に転がるドアを跨いでレオナルドは地下スペースに足を踏み入れる。扉の先に繋がっていた廊下は薄暗く、右側は行き止まりで左方向に一直線の道が伸びていた。


「(ここからは勘で進むしか無いか)」


レオナルドは一先ず一直線の道を進み始めながら、見取り図を確認してみる。しかし、禁止区画である現在地の詳細は映し出されなかった。

 駆け抜ける廊下は等間隔に非常灯があるだけで、どこか不気味な雰囲気を醸し出している。長らく続く一本道を数分走り続けたところでようやく分岐点となる丁字路が姿を表した。そしてレオナルドの視点からはその丁字路の右方向から光が差し込んでいるのが見て取れた。

 レオナルドは丁字路の壁に背中を預けると光源のある右側をこっそりと覗き込む。それと同時に「もういっぺん言ってみぃ!」という怒号が響き渡り彼は思わず顔を引っ込めた。


「……殿下は……某が……お探しする……貴様は……イレイナ殿を……お守りしていろ……」


「キサンに指図される筋合いはないわ! カンム! オラは兄貴を探しに行く! イレイナはんは任したからのぉ!」


「お二人共落ち着いてください。先程からイレイナ殿の鼻血も治まっていないのです」


「あ、これは持病なんでお構いなく」


レオナルドは再びゆっくりと壁から顔を出す。暗がりの廊下で明かりを灯していた四人組……それは闘技場で見た赤鬼と青鬼、そしてそれを宥める褐色の青年と何故か鼻血を流す超絶美女だった。


「(……当たりだ)」


レオナルドは心の中で自らの予測が的を射ていた事に小さくガッツポーズをすると、死角に身を隠しながら彼等の話し声に耳を傾けた。


「ビスマルクさん、ベンジャミンさん。一先ず、ここはカンムさんの言う通り殿下をお待ちしましょう。ダルトン・ブランド自らが足を運んで我々をここに送り出したんです。我らよりも優先度の高い殿下はご無事のはずです」


「ぐぬぬ」


「……仕方……ありませんな……」


美女の言葉に赤鬼と青鬼は大人しく従う。すると先程の両鬼の怒号以上にレオナルドは背筋を凍らせた。彼の右肩に手が置かれたからである。


「……」


レオナルドはゆっくりと振り返る。そこにいた人物を見て彼は思わず「あ」と声を出してしまった。


「オメェ何だ?」


子供のように純粋な赤い瞳、そして暗がりの中でもハッキリと分かる黒い髪、そしてどこか逆らえない雰囲気がその少年のカリスマ性を物語っていた。


「……い、いえ、そ、その」


絵に書いたようにアタフタしたレオナルドは、目の前の標的でもある男の背後に立つヴァイン・ブランドやカルキノス星人の少女に目を泳がせる。そして瞬発的に言葉を発した。


「み、皆さんの脱出を手伝うようにと!」


レオナルドは苦し紛れにそう告げると少年の背後に立っていたヴァイン・ブランドが苦笑した。


「なるほど。君も父に……若頭にそう指示されたクチかい?」


「あ、はい! そうです!」


想定外の助け舟にレオナルドは大げさに頷くと赤い目の少年はニッコリと笑った。


「そうか。よろしくな。俺はダンジョウってんだ。オメェの名前は?」


「れ、レオナルド=ジャック・アゴストと申します」


そう答えてレオナルドはハッとした。思わず本名を名乗ってしまったからだ。しかしダンジョウもヴァインも対して驚いた様子は見せない。どうやら彼の小さな体から子供だと思いこんでいるのだろう。


「そうか。んじゃレオだな。よろしく」


「は、はい! ではこちらへ!」


レオナルドはそう言って案内するように手を差し出すとダンジョウとヴァインは小さく頷いて横切っていった。

 何とかやり過ごしたと感じたレオナルドだったが、その安堵はたった一言でかき消された。


「弱小海賊は大変ッスね」


三番目に通り過ぎる人物の声にレオナルドは思わず目を見開く。ゲインに続いて意味深な言葉を告げたカルキノス星人の少女は、フーセンガムを膨らませながら彼の前を通り過ぎていった。


「うぉい! みんな揃ってんな!」


レオナルドの不安など知る由もなくダンジョウが声を上げると、先程まで観察していた赤鬼と青鬼が我先にとダンジョウの方に走り寄ってきていた。


「兄貴! だから言うたじゃろ! やっぱりオラを連れて行きゃよかったんじゃ!」


「……その役目は……某のほうが……適任である……」


またしても始まりそうな喧嘩に飽き飽きした様子のダンジョウは二人の肩をポンと叩いた。


「その話とコイツ等の紹介は後だ。ヴァイン。こっからどうすんだ?」


話を振られたヴァインはニコリと微笑むと懐からカードキーを取り出してダンジョウの横を通り過ぎるとカンムの方に歩み寄った。


「ちょっと失礼」


ヴァインはそう言ってカンムに移動を促すと彼の背後の壁にカードを重ねた。


「えぇと……この辺だったよなぁ〜」


そう言いながらヴァインはまるで雑巾がけするように壁を擦り続ける。すると小さな機械音と同時に壁が上下にスライドして階段へと繋がる通路が姿を表した。


「さ、脱出船に繋がっています。行きましょう」


ヴァインはそう告げると不穏な言葉を告げた少女がスタスタと通路に入っていき、ヴァインもまた危険がないと証明するように笑みを浮かべたまま中に入っていった。キョトンとした表情を浮かべていた戦皇団の面々はダンジョウの「行くぞ」の言葉に呼応して慌てて続いていく。

 予期せぬ事態にレオナルドは深く深呼吸する。そしてアイゴティヤ星宙域に隠している自身の船を捨てることを決意して最後に階段を駆け下りた。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 扉の先にあった通路はだだっ広い円筒状の空間に繋がっていた。正確に言うならば、その円筒の中心に鎮座する宇宙船のへと階段で繋がっていた。階段は人一人が通れるかどうかの狭いもので、階段の手すりから覗く眼下は深すぎて底が見えない。

 階段を下りて行くと宇宙船の形状が徐々に露わになっていき、ダンジョウは思わず「ウエッ」という表情を浮かべて足を止めた。それは彼に続く戦皇団の面々も同じだったらしく、異変に気付いたヴァインも立ち止まって振り返ってきた。


「何してるんです? さぁ行きましょう」


笑顔で立ち止まるヴァインとは対象的にジャネットは振り返ることも足を止めることもない。

 ダンジョウがまじまじと宇宙船を確認していると、彼の代弁をするかのように未だ止まらない鼻血を抑えるイレイナが口を開いた。


「あの、お心遣いはありがたいですが、その……この船大丈夫でしょうか?」


イレイナの言葉は最もである。その宇宙船はそれほど航宙学に知識のない面々から見ても明らかに旧式の船だったのだ。

 問われたヴァインはと言うとそんな疑問など分かり切っていると言わんばかりに頷いた。


「骨董品ですがね。一応このビルが襲撃された際の緊急脱出船なんです。まぁカルキノス星までなら大丈夫でしょう」


薄い自信と楽観的な推測が織り交ざった返答にイレイナは「なっ」と口を噤んでしまう。当然のことながら彼女以外の面々はそう簡単に「はいそうですか」というタイプではなかった。


「ブランドファミリーは不確定なもので殿下を送り出すつもりか?」


後方のカンムがらしくもなく少し苛立った様子でそう口に出す。その珍しい光景がビスマルクとベンジャミンにも火を点けた。


「……殿下の……御身が……第一である……不安要素が……あるならば……乗船は……拒否する……」


「珍しくこんボケと意見があったわい! キサンもし兄貴の身に何かあったらどうなるか分かっとるんじゃろうな!?」


「おい、落ち着け! 今はもうコイツに乗ってくしかねぇだろ?」


空気が一転した事に危機感を覚えたダンジョウは慌てて後方に振り返ると両手を広げて仲間たちを諫めようとした。しかし、そんな面子の火に油を注ぐかのようにヴァインは呆れたような溜息をついた。


「こちらが出来る最大限の好意を無下にするならば結構です。ですが皆さんにはこれ以外の選択肢はない筈です。皆さんの選択肢は二つ。ここで捕まって宰相の所に連行されるか、もしくは一抹の望みに頼ってこの船に乗るか。僕はダンジョウさんの判断にお任せしますよ」


「キサン! 何じゃその言い草はぁッ!!」


案の定ビスマルクは憤慨してヴァインに飛び掛かろうとするが、ダンジョウは文字通り体を張って彼を止めた。


「やめろってのが分かんねぇのか! ヴァイン悪かった。乗せてもらうぜ」


ダンジョウはニコリと笑ってそう返答する。しかし少年集団の中でも最年少であろうヴァインの言葉に単細胞のビスマルクが大人しく引き下がる訳も無かった。

 彼はダンジョウの手前、飛び掛かるのは諦めたが鼻息を荒らげながら声を発した。


「オラは兄貴の判断に従うだけじゃ……じゃがのぉ? もしも兄貴の身に何かあったらどうなるか分かっちょるじゃろぉなぁッ!?」


今にもヴァインに飛び掛かりそうなビスマルクをダンジョウは「いい加減にしろ!」と言いながら抑え込む。すると最後方から子供のような声が響き渡った。


「いや、状況的にダンジョウさんの身に何かある時はヴァインさんもきっと無事には済まないですよ」


的を射ながらも外れたツッコミに微妙な空気が流れる。声の主であるレオナルドに視線が流れると、彼は「あれ?」というあどけない顔でキョトンとしていた。

 おかしな空気の中、小さな振動と機械音が響き渡った。ダンジョウは周囲を見回すと、駆け降りてきた階段の入り口に複数人影があった!


「おい! ヤベェ! 追手だ! さっさと乗るぞ!」


ダンジョウがそう叫ぶと誰もが一斉に今下りてきた入り口を見上げる。それと同時に光が差し込んでいた扉から紫色の閃光が走った! 


「……チッ」


カンムは最後方のレオナルドを飛び越えて腰の刀を抜くと一閃した閃光を切り払った! それと同時に場所が入れ替わったレオナルドは腰のブラスター銃を抜いて、カンムの肩越しに引き金を引く! レオナルドの放った紫色の閃光が一人の胸に突き刺さると「くっ」という呻き声を残して一つの影が階段から地下の底へと真っ逆さまに落ちていった。


「野郎! やっちゃるわい!」


「ビスマルク君、逃げた方が得策です!」


「そうだバカ! オラ行くぞ!」


血の気の多いビスマルクだがダンジョウと年上美女の言葉に「クソがっ!」と叫びながらも大人しく従った。

 ダンジョウは階段の先にある宇宙船に視線を戻した。逃げ足が速いと言うべきかヴァインはもう既に駆け下りており、既に宇宙船の入り口に入るとこだった。それと同時に「いたぞ!」という声を皮切りに複数の発砲音とそれを切り払う斬撃音がダンジョウの耳に届いた。


「突っ走れ!」


ダンジョウは後ろを振り向くことなく階段を駆け下りると、勢い余ってか、それとも元来の運動神経のなさのせいか思わず足を躓かせた!


「あたっ!」


「兄貴! のわっ!」


「……ぐぬ!」


「ちょっ!」


階段を転げ落ちるダンジョウを支えようと手を差し出したビスマルクとベンジャミンが狭い階段で衝突して躓くと、その勢いに押されてイレイナがダンジョウにぶつかる。そして四人はそのまま階段を転げ落ちながら宇宙船の中へ突っ込んでいった。


「ご搭乗ありがとうございます」


すでに船内で着席しシートベルトまで締めていたヴァインは皮肉っぽくも年相応の笑顔でそう告げる。ダンジョウは巨漢二人と美女の下敷きなりながらヴァインに引き攣った笑みを返すと船内を確認した。

 突っ込んだ入口はコックピットに繋がっていたらしく中は計器でゴチャゴチャしていた。そして外観同様に所々の機器には埃がたまっており計器も見るからにアナログである。


「遅かったッスね? 何かあったんスか?」


ダンジョウは下敷きになったまま声の先に視線を投げる。そこにはヴァイン以上に早く乗船していたジャネットが平然と操縦席に腰を下ろしていた。

 彼女はガムを噛みながらフーセンを膨らませるとブラスター銃の発砲音を聞きながらダンジョウに尋ねてきた。


「扉、閉めてもイイッスか?」


「え!? ああ! ちょっと待て! あとオメェ等は早く立て!」


「待ってくれ兄貴! ええい! キサンとっとと離れんか!」


「……動くな……装備が……絡まって……」


「え? 離れられないんですか? あ、また鼻血が……」


もたもたする巨漢二人とまたしても持病である謎の鼻血が出た美女に呆れながらダンジョウは匍匐前進して這い出ると窓から階段の状況を確かめた。


「カンム! レオ! もういいからさっさと乗れ!」


船内の声が外に届くはずはない。しかし外の二人は全ての攻撃を捌き切り最低限の射撃で追手を撃ち落とすと、勢いよく船内に飛び込んできた。


「おし! いいぞ! 飛ばせ!」


「いや、まずは扉閉めるッス」


ジャネットはそう言って乗降口を閉じるとアナログ機器をパチパチと触り始めた。


「んじゃ、そろそろ出発するんスけど、ご覧の通り古い船なんで座席着いた方が良いと思うッス」


ジャネットの言葉にダンジョウはハッとした。

 本来であれば各星のマスドライバーから専用の船で大気圏脱出し、各衛星軌道上にある航宙センターに入って星間移動用の船に乗り換えるものだ。この宇宙船は旧式である。しかし単独で大気圏脱出が可能なのだろう。だが旧式のそれは大気圏脱出時は真上に飛ぶタイプのものだった。現にジャネットは座る体制でありながら上空を見上げているのだ。


「今天井開けるんで早いとこ準備してくださいッス。追手きてるみたいなんでもうカウントダウンに入るッスから」


ジャネットの言葉ダンジョウは慌てて声を上げた!


「オメェ等! さっさと座ってベルトを締めろ!」


ダンジョウの言葉に従って戦皇団の面々は各々座席に腰を下ろす。


「ぐぬっ! ええい! まどろっこしい!」


ビスマルクの声と同時にバキッという何かが破壊される音が響き渡る。どうやら二人が引っ掛かっていたのは壁際の取っ手だったらしく、ようやく離れた巨漢二人とその二人の重みから解放された美女は各々座席に腰を下ろした。ダンジョウは天を仰ぐ状態で座席に座るとジャネットの背中越しに見える天井を見上げた。円筒状の空間の天井は丸く、ジャネットが開閉の指示を出すスイッチを押すと回転するように開いていった。

 いくつかの扉……いや層というべきだろうか? 天井が一枚ずつ回転して開いていき、やがて小さな穴の先に青い空が広がっているのが確認できた。


「うっわ……上昇中の制御姿勢オートじゃないじゃん……めんど」


緊張した面持ちのダンジョウ達とは対象的にジャネットはガムをクチャクチャ噛み小言を交えながら手際よく機器を操作していく。両手の動きが落ち着き、操縦桿を握りめた彼女は振り返るとダンジョウ達が座っているのを確認した。


「じゃ発進するッス」


ジャネットはそう告げると表記されていた発射カウントダウンを消し去りエンジンに火を入れる。凄まじい轟音が船内にも響き渡ると、徐々に上昇すると同時に見えない重みがダンジョウ達の身体にのしかかってきた。

 窓から除く壁面はスレスレで、円筒状の発射口が宇宙船のサイズと見合っていないことがよく分かる。そんな圧迫感に溢れた発射口を抜けると狭い箇所から広い場所に出るような解放感が広がった。地上に出たことによって窓からは海陽の光が注ぎ込んでいる。それと同時に船は加速して一気に上空へと昇っていった。

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